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いま「専用」車高調がキテる! ドレスアップからドリフトやドラッグレース用まである「足の違い」をメーカーに聞いた

掲載 更新 4
いま「専用」車高調がキテる! ドレスアップからドリフトやドラッグレース用まである「足の違い」をメーカーに聞いた

走るステージや目的別の専用車高調が人気

 近年、専用車高調なる言葉が一般化しはじめている。その名のとおり使用するステージやジャンルに合わせて専用設計された車高調を指しているのだが、具体的には何が違い、どのような部分が専用なのか? そんな疑問について、数多くの専用車高調をラインアップするチューニングメーカー「エッチケーエス(HKS)」に伺った。

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設計からセッティングまで専用の仕様に

 専用車高調とはスプリングレート、減衰力、ストローク量などを、走りのステージや特性に合わせて専用セッティングしたモデルのこと。単純にローダウンすることが目的のストリート用モデルは比較的オールラウンドに作られていることが多いが、モータースポーツの競技に合わせて設計されているモデルはかなり絞り込んだセッティングが施されている場合もある。まさに専用設計の車高調と言えるだろう。具体的にはそれぞれの特性はどのようなものなのか。

サーキット用

 まずはサーキットでのグリップ走行を想定した車高調から紹介していこう。HKSであればハイパーマックスシリーズの「マックスIV SP」がそれに該当する。サーキット走行を想定して高いスピードレンジに対応する性能を備え、減衰力もスプリングレートも高めに設定されている。また路面の安定したサーキットに合わせた特性としているのも特徴。具体的にはショートストロークでハードなレートを備えているというのが基本設計だ。

 ただし、設計自体はストリート向けスポーツサスペンションの延長線上にあるので、街乗りで利用しても大きな不具合はない。またHKSではスプリングレートや減衰は変更が可能なので、よりストリート向けなセッティングに変更するユーザーも多いという。逆にスタンダードなマックスIV SPよりもよりハードなセッティングにして、サーキットスペシャルを作るケースもある。

ドリフト用

 次にドリフトを想定したモデルが「ハイパーマックスD’ノブスペック」だ。ドリフトの走行スタイルに合わせたセッティングで、もっとも顕著なポイントは“ドリフトのきっかけを作りやすい”点だ。ただし滑り出しても破綻しにくい確実なトラクションを得やすい性能も兼ね備えている。この両者をバランスさせることがドリフトに合わせた専用設計と言えるだろう。

 さらにしっかりトラクションがかかり前に進む、さらに車両姿勢のコントロールがしやすいのもドリフトにマッチする足まわりの特徴だ。具体的にはグリップのサーキット走行向けに比べれば減衰は弱めで、スプリングレートは同等といったスペックを持つ。このセッティングはドリフトのみならず、ショートサーキットでの旋回性を上げる走り方にも合っている。またグリップ走行用と同じく街乗りで使用することも可能だ。

ドラッグレース用

 特殊なところではドラッグレースに特化したモデルとして設計された「マックスIV SP DRAG」がある。こちらは直線をいかに速く加速するかに重点を置かれている。

 具体的には後輪にトラクションをかけ続けるため、リアは縮みやすく伸びにくい減衰を設定。直進性を高めるためにフロントは逆に伸びやすく縮みにくい減衰を備えている。さらにドラッグレースでは十分なストローク量を確保することが重要なため、長めのストロークを備えているのも特徴だ。サーキット用やストリートモデルに対してやや車高が高めになる傾向にあるのも独特といえる。先に紹介したサーキットやドリフト向けのモデルなどとは異なり、コーナーリング特性を考えたモデルではないため、普段使いには適さないので要注意だ。

ストリート用

 ストリートでの走行を意識したモデルは、オールマイティでワイドレンジな性能を備えている。HKSのラインアップでは「マックスIV GT 20 SPEC」などがそれにあたる。乗り心地とスポーツ性能を両立させ、峠からサーキットまでをカバーする性能を備えている。ストロークはショートだが、そのなかでも良く動く足にしているのが特徴だ。バンプタッチさせてから踏ん張るセッティングにもそんな意味がある。

 近年のトレンドとしては伸び側の減衰を若干ゆるめに設定して、縮み側は強くする傾向がある。こうすることで路面に吸い付くようなフィーリングとなり、路面からのインフォメーションも掴みやすい足まわりにできるのだと言う。

ドレスアップ用

 ローダウンに特化したモデルもある。HKSでは「ハイパーマックスSスタイルX」がそれだ。とにかくローダウンフォルムを極めたい、そんなユーザーのニーズに合わせた設計が施される。ドレコンなどで美しいローフォルムを求めつつ、会場までを自走で行くというユーザーを想定して作られた。車検に必要な最低地上高は確保しつつギリギリの低さを追求する設定となっている。

 ローダウンを重視するモデルのもうひとつ特徴は、ロールを押さえる性能。ロワード車の多くはタイヤとインナーフェンダーとのクリアランスが狭かったり、ロールすると各部を擦るケースがある。そこでスプリングレートを高めてロールを抑える方向のセッティングとなっているのだ。しかしこのままでは乗り心地が悪くなってしまうため、減衰の立ち上がりを弱くして奥でしっかり減衰を効かせる設定としているのも独特。減衰の立ち上がりが緩やかになるため、ギャップを越えたりする際にもガツンと突き上げが来ないセッティングとしているのだ。

 このように、車高調にも走行するフィールドや目的に合わせた特性があるのを理解できただろうか。自分のクルマや走り方に合わせた車高調を用意することで、性能の追求や快適性をアップすることが可能となっているのだ。

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みんなのコメント

4件
  • こういう何がかキテるとか、
    そんなあおり方の見出しは隣の国の発想。

    フツーに紹介すればいいものを、
    余計な色を付けるから胡散臭く見えてしまうんだ。
  • サーキット用→街乗りOK
    ドリフト用→街乗りOK

    専用とは???
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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