日本の地を踏んだ6000台目のアルピナ、世界1号車のB4グランクーペ
2023年5月15日、BMWアルピナの世田谷ショールーム2階の広々としたスペースにおいて素敵な納車の式典がおこなわれていた。
【画像】納車されたBMWアルピナB4グランクーペと納車風景【現地より】 全16枚
アルピン・ホワイトに塗られたBMWアルピナB4グランクーペがこの日の主役だ。
車内に据えられた銀色のプラークに0001と刻まれたこの個体はB4グランクーペの世界1号車。そしてアルピナ社日本総代理店であるニコル・オートモビルズによって我が国に輸入された6000台目となる記念すべき1台でもある。
白いB4グランクーペの奥には、アルピナ・ブルーを纏ったD5ターボとB7ロング・アルラッドも同席していた。
この2台は化粧プレートに示されている数字からもわかる通り、4000台目と5000台目に輸入された記念すべきクルマ。
しかも驚くべきは、今回のB4グランクーペを含めた3台を、全て1人のオーナーが現有しているという点だろう。
式典では、アルピナ社日本総代理店であるニコル・オートモビルズ合同会社を含むニコル・グループのC.H.ニコ・ローレケ会長からオーナーの松岡氏にB4グランクーペのキーが納められた革製のボックスと記念の花束が手渡されたのである。
アルピナB7ターボの鮮烈な記憶 あの感動を伝えたい
ニコル・オートモビルズがアルピナ社の製品を日本に初めて紹介したのは1979年のこと。
ブラックのボディにシルバーのアルピナ・ストライプが入れられたBMWアルピナB7ターボが日本における起源なのである。
当時レーシングドライバーからビジネスマンに転身したばかりのニコ・ローレケ会長自身が上陸したばかりのB7ターボのステアリングを握っている。その際、4ドアリムジンの驚異的ともいえる加速に心を打たれ、その感動をより多くの人に伝えたいという思いが、今日の日本市場におけるアルピナの着実な成長へと繋がっているのである。
近年のアルピナ社の年間の生産台数は1700台ほど。日本市場には最大でその25%ほどがもたらされているという。
年を追うごとに高い評価を獲得し、より多くの個体が生産されるようになっているアルピナ。それでも他のプレミアムカー・メーカーと比べれば非常に限られた数といえる。
他メーカーと一線を画すジェントルで圧倒的なパフォーマンスと希少性が、ドイツの小さな自動車メーカーが生み出す作品の価値にもつながっているのである。
オーナーズトーク 作り手の顔を思い浮かべながらのドライブ
今なお職人による手仕事の領域も少なくないアルピナ車は、それを選んだオーナーの趣味性が反映されている点も特徴といえる。
今回のB4グランクーペをオーダーした松岡氏は2011年のフランクフルトショーでアルピナと出会い、D3リムジン・ビターボを皮切りに、今回まで実に5台のアルピナを手に入れてきた。
今回のB4グランクーペにも、アルピナをよく知るオーナーならではのツボを押さえたチョイスが見て取れる。
「これまではアルピナ・ブルーを選んできましたが、今回B4グランクーペはスタイリングを見て、アルピン・ホワイトが似合うのでは? と思って決めました。アルピナ・ストライプは金色。今日初めて実車を見ましたが、思っていた通りの仕上がりでした」
「あと個人的なこだわりとしてステアリングをアルカンターラで仕上げてもらいました。これはB3 GT3で体験して、とても使い心地が良かったので選んでみました」と松岡氏。
度々ドイツのアルピナ本社も訪ねているという松岡氏にその印象を聞いてみた。
「いつも温かく迎えてくれますし、工場の皆さんが楽しそうに働いていてアットホームな感じも好きです。職人の中には親子で働いている人もいて驚かされます。ブッフローエを訪ねてからは、作っている人の顔を思い浮かべながらアルピナをドライブしています」
様々なブランドのクルマを所有しているという松岡氏だが、それでもアルピナだけは特別な存在なのだという。
「アルピナはいつもそばに置いておきたいお守りのようなクルマです。ドライブしていてとにかく楽しくて安心だし、ビジネスを頑張ろうというモチベーションにもつながります」
44年の歳月をかけ日本6000台がもたらされたアルピナ。このエクスクルーシブなドイツ車は、熱い志を持ったファンによってしっかりと支えられているのである。
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みんなのコメント
まあ見た目普通の3や5なんかと変わらないのに値段めっちゃ高いしまあまあなクルマ好きでないとアルピナ聞いたことない人もいるでしょうからね
今では特徴も薄れ、デザインもこのざまです。
品良く優雅にと言うには程遠いベースですから
アルピナとしても悩ましいでしょうね。