カルロス・サインツJr.の代役として、F1サウジアラビアGPを戦ったオリバー・ベアマンはレース後、ルイス・ハミルトン(メルセデス)にマシンから降りるのを手伝ってもらったという。
虫垂炎で欠場が決まったサインツJr.の代役として、急きょ起用されたベアマン。FP3が週末最初のF1ドライブとなったが、すぐに印象的なパフォーマンスを発揮。予選ではあとわずかのところでQ3進出を逃したが11番手となり、土曜日のレースでもミスなく7位でフィニッシュ。代役として完璧な仕事をこなした。
■「特別な存在だと分かっていた」18歳ベアマン、F1デビュー戦で7位入賞。ハースF1小松礼雄代表も納得の走り
パルクフェルメでは、ハミルトンやジョージ・ラッセル(メルセデス)、ランド・ノリス(マクラーレン)が続々と祝福に駆けつけ、チームメイトのシャルル・ルクレールもその走りに感銘を受けたようだ。
ベアマンによれば、F1で最も過酷なサーキットのひとつでレースをした後、ハミルトンは彼をクルマから降ろすのを手伝わなければならなかったという。
「この人たちの戦いを見て育ったから、彼らとコースを共有できたのはうれしかった」
そうベアマンはレース後に語った。
「彼らに認めてもらえてうれしかった」
「僕が苦労していたから、ルイスが僕をクルマから引きずり出してくれたんだ」
「デグラデーションが最も少なく、最も横Gが高いサーキットのひとつだ。予選のようなラップを50周するのは、本当にフィジカル的に厳しかった」
フェラーリでのプライベートテスト、FP1での走行、ハースでのテスト任務などをこなしてきたベアマンは、急な飛び入りF1参戦にも十分に対応できた。
しかし最も印象的だったのは、彼の冷静沈着な態度だった。スタートと1周目の乱戦にもひるむことなく、ハードタイヤで臨んだ第2スティントではきちんと自分のペースをつかみ、先行するドライバーたちについて行った。
スタートに緊張したかと問われると、彼は次のように答えた。
「正直なところ、驚きだけど他のレースと同じように感じたよ」
「F2とはスタート手順が少し違うけど、ライトが点灯してからは周りの状況に集中していた」
「幸運にも、F4時代は無線が放送されなかったけど、F3時代はもっとイライラしていたよ。でもそれではパフォーマンスが上がらないことを何年もかけて学んできたんだ」
「何があっても冷静でいようとした。特にこういうシチュエーションではね。レースでは僕らに有利な展開となることは分かっていたから、冷静さを保ってレースに臨んだよ」
ベアマンはレースを通じてハイブリッドパワーの使い方などを学ぶことができたという。
「リスタートでは(RBの角田裕毅に対して)かなりいい動きができた。彼は僕がイン側をカバーするとは考えていなかったように思う。
「僕の方がペースは速かったけど、彼らはエネルギーの使い方で僕より少し賢かった。それはこれまで僕がやってこなかったことだからね」
「僕はレースをしながら、かなり学んでいた。特にニコの場合は、バッテリーの使い方が絶妙だった。彼はバッテリーを適切な場所で使っているように見えたし、僕は間違った場所で使っているように見えた」
「それを理解するのに数周かかった。僕は規律を守り、オーバープッシュをしないようにした」
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