うっかり違反となってしまうケースも
愛車のポテンシャルを引き出すにはサーキット走行会が一番だ。意のままにクルマをコントールできたあとは、心地よい疲労感と解放感に浸ることができる。そのまま気が緩んでしまい、サーキット仕様のまま帰路についてしまう方もいるようだ。そこで、今回は走行後にチェックしたいポイントを紹介する。
【サーキット走行後のチェック項目】トラブルの早期発見と公道を走るためにすべきこと
1)ナンバープレートの装着
サーキットを走る際、より多くの風をラジエターに当て、冷却性能を上げるためにフロントのナンバープレートを外す人を多く見かける。コース内ではいいが、うっかりナンバーを外したまま、公道を走り出さないよう気をつけよう。
公道でフロントナンバーを取り外して走るのは道路運送法違反となり、50万円以下の罰金(違反点数はナシ)となる。これは、道路運送車両法第73条「車両番号を記載した車両番号標を表示し、かつ、その車両番号を見やすいように表示しなければ、これを運行の用に供してはならない」、道路運送車両法施行規則第7条「自動車登録番号標の取付けは、自動車の前面及び後面の見やすい位置に確実に行うものとする」にあたる。
2)4点式シートベルト
サーキットのコース内を走るときは、安全のために4点式のシートベルトを締めている人もいるだろう。走行会終了後も、その流れで3点式(純正採用のシートベルト)ではなく4点式を締めて公道に出てしまうとアウト。
道路運送車両の保安基準 第22条の2には、「運転席と助手席の第二種座席ベルト及び運転席の第一種座席ベルトは通常の運行時に腰部と上半身を容易に動かせる構造(ELR)でなければならない」とあり、上半身をしっかり固定するフルハーネスは、公道では使用できない。
3)牽引フック
サーキットでは万が一コースアウトをして救援が必要になったときのために、牽引フックを取り付けて走るのが原則となっている。いまのクルマは、ねじ込み式けん引フックが標準になっている車種が多いが、サーキット用に社外品の牽引フックを用意している人もいる。
そうした社外品の牽引フックの中には、「競技専用部品です。保安基準には適合していませんので、装着したまま一般公道を走行しないでください」と注意書きがあるものも……。
一応、保安基準では・鋭い突起がない・リベット・溶接による取り付けをしない(工具等を使わない「簡易的取付(蝶ネジ等)」または工具等を使って取付する「固定的取付(ボルト・ナット等による)」で取付する)・牽引フックを取り付けたときの寸法が全長±3cm、全幅±2cm、全高±4cmの範囲に収まる
といった基準をクリアすればOKなので、基本的に可倒式の牽引フックなら問題ないはず。しかし普段は牽引フックをつけていないという人は、元通りに戻して帰宅した方が無難だ。
4)ゼッケンやライトのテーピング
走行会で貼ったゼッケンやライトのテーピング(樹脂レンズのライトは不要の場合もある)を剥がし忘れているのも、よくあるうっかりミス。目立つし、浮くし、ライトの場合、整備不良を疑われることも……。
5)タイヤの空気圧
サーキットではタイヤもかなり高温になるので、空気圧も高くなる。しかもサーキットでの適正空気圧は温間で合わせるので走行終了後、タイヤが冷えた状態=冷間になると、普段の指定空気圧よりかなり低くなる。帰宅前にタイヤが冷えた状態で、指定空気圧に戻してからサーキットを後にしよう。
6)ブレーキパッドとタイヤ摩耗具合を確認
サーキットではブレーキパッドとタイヤの摩耗が、公道とは比べ物にならないほど早く進む。夢中になってサーキット走行を終えたら、パッドやタイヤの山がほとんどないということも珍しくない……。タイヤはなかなかスペアタイヤをワンセット持って行くのは難しいかもしれないが、ブレーキは中古でもいいので、スペアを1台分持って行った方が安心だ。もちろん工具も忘れずに。
7)ガソリン/オイル
ガソリンとオイルの量も最後に確認。意外にサーキットからガソリンスタンドが離れていることもあるので、最低限のガソリンは残しておくこと。また、エンジンオイルも高回転を多用して減ってしまっている場合もあるので、減ってしまっていたら、オイルを継ぎ足してから帰るようにしよう。
8)その他
サーキットで車高や減衰力など足回りのセッティングを変更したときも、帰る前にストリート用のセッティングに戻しておくこと。また、排気系(インナーサイレンサーや触媒)も保安基準に適合した状態にすることを忘れずに。
あとは、クルマから降ろしておいた工具やフロアマット、パーツやレーシングギア、私物などの忘れ物もないように……。
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そのレベルの人間は、公道に戻る以前にサーキットで摘まみ出されます。