デザイン発表時から幸運な偶然が重なった「飛鳥」ナンバー
2020年5月11日から、全国17の地域で自動車用ナンバープレートの新しい地域名表示、いわゆる「ご当地ナンバー」の交付が始まりました。いずれも、「地方版図柄入りナンバープレート」を導入しており、地域ゆかりの図柄が描かれたプレートを申し込むことができますが、この図柄入りプレートの申し込み数で、奈良県の「飛鳥」ナンバーが健闘しています。
「アルファベット入りナンバープレート」増加中 どんな意味がある?
国土交通省の資料によると、飛鳥ナンバーの図柄入りプレートの申し込み件数は、交付開始から43日を経た6月22日時点において、登録車、軽自動車合わせ1674件。千葉県「松戸」ナンバーの1688件とともにトップ争いをしています。しかし、松戸ナンバーの対象となる登録車両数は約13万7800台、これに対し飛鳥ナンバーの対象5市町村(奈良県橿原市、高取町、明日香村、田原本町、三宅町)における登録車両数は約5万9000台しかなく(いずれも3月末現在、軽自動車除く)、図柄入りナンバープレートを申し込む割合のうえでは、飛鳥ナンバーが17地域のなかでも突出しているのです。
飛鳥ナンバー協議会の事務局を務める橿原市の観光政策課によると、各市町村の首長も積極的にPR活動を行っていることもあるといいますが、交付開始前から、SNSなどで全国的に話題になり、広く周知されたという一面もあるそうです。
というのも、アイドルグループ「乃木坂46」のファンのあいだで有名になったのだとか。図柄入りナンバープレートのサンプルは、国土交通省が全国一律で「地域名 599 あ 2046」としているのですが、デザインが発表された時点で、乃木坂46メンバーの齋藤飛鳥さんが20歳だったことから、「飛鳥」や「あ」、「20」も「46」も、それぞれ齋藤さんに関係があるとされたのだそうです。
もちろんこれらは偶然の一致ですし、飛鳥ナンバー自体も、対象地域に登録の本拠を置く自動車でないと取得することはできません。しかしながら、任意の4桁数字を選べる希望ナンバー制度で、「3110」にする人もいるとのこと。「さいとう」の語呂合わせだといいます。
飛鳥は「朱雀」1本勝負のデザインも勝因?松戸ナンバーは複数要素を盛り込む
飛鳥ナンバーは、図柄もほかのナンバーとは異なる特徴があると橿原市の観光政策課は話します。朱雀をモチーフとしたその図柄は、地元紙などでよく「ダイナミックな」と表現されるとか。
「多くのナンバーの図柄は、地域の様々な名物や風景がいろいろ盛り込まれていますが、飛鳥ナンバーは、飛鳥を象徴するキトラ古墳の壁画に描かれた四神の中で、羽ばたく姿が飛鳥地域の今後の飛躍への思いと重なることもあり、わかりやすくイメージを伝えられるよう朱雀を全面に描くこととしました」(橿原市 観光政策課)
デザインの決定までには、朱雀の図柄で3案を用意し、イベントなどで頻繁に住民アンケートを行ったといいます。自分が選んだ図柄がナンバープレートになったと、住民の記憶に残っていることも、デザインへの理解につながったのではないかといいます。
一方の松戸ナンバーですが、交付開始から43日間で1688枚という申し込み件数は、東京圏のご当地ナンバーのなかでは健闘しているといえます。「世田谷」や「杉並」「越谷」の図柄入りプレートの申し込み数が、2018年10月からの累計で1000件以下に留まり、2020年5月からの新規17地域においても、たとえば「市川」は交付開始から43日間で506件、「板橋」は208件といった状況です。
松戸市の政策推進課によると、「松戸の風景」として「矢切の渡し」にサクラ、アジサイと、様々なものを盛り込んだ松戸ナンバーの図柄は、市民からも好評だといいます。こちらも市民からデザインを公募して選ばれたもので、キレイだという声のほか、有名になっていない松戸の名所のPRにつながるという声があるとのこと。
また、もともと「野田」ナンバーで、市内の登録車両数が多いにもかかわらず、独自の地域名表示ではなかったことから、「ご当地ナンバー導入へのご支持そのものが多かった」(松戸市 政策推進課)のだそうです。
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みんなのコメント
文春砲くらったら大変だな。