1人乗りハードコアEV、公道も視野に
英国の新興企業マクマートリーは、昨年公開した高性能EV、スピアリングの公道向けモデルについて「実現可能」との見方を示している。
【画像】地面に吸い付く1人乗りEV【マクマートリー・スピアリングを写真で見る】 全20枚
マクマートリー・スピアリングは、シングルシーターのコンパクトなボディに、かつてのブラバムBT46を彷彿とさせる電動ファン技術を搭載し、静止状態から2トンのダウンフォースを発生させることができる。
2022年に英グッドウッド・ヒルクライムの周回記録を塗り替え、観客を大いに驚かせたが、今年6月にはサーキット専用の市販モデル、スピアリング・ピュアが100台限定で発売された。
スピアリング・ピュアの発表資料には、最高出力1000psのパフォーマンス、100万ポンド(約1億8000万円)近い価格が謳われているが、当然というべきか、公道走行に必要なホモロゲーションは取得していない。
「この決定はほとんど直感的なものでした」と、マクマートリーのトーマス・イェーツ社長は明かす。「発売までに何年もかかるような自動車メーカーにはなりたくなかった。ホモロゲーション取得を待っていたら、そうなっていたかもしれません」
最も大きな問題はファンであろう。
「技術的には何の制限もありません。公道で使用することは可能ですが、規制当局が規制したいものとしてフラグを立てないのは素晴らしいことです」
イェーツ氏は、ホモロゲーションを取得しようとしていたら、公道でのファンの使用を止めることが最大の課題だったはずだと言う。
「(悪条件下で)素早く停車するための安全装置になるかもしれませんが、実際には(顧客が)そのような使い方をすることはないでしょう。別の考えが必要です」
サーキット専用で発売したワケ
0-100km/h加速を1.5秒で走破する2022年のプロトタイプとほぼ同じ仕様のスピアリング・ピュアは、今後1年半から2年以内に納車開始の予定だが、イェーツ氏はこのスケジュールを非常に誇りに思っている。
「大手自動車メーカーに(フラッグシップモデルの)注文を出したお客様がいるのですが、彼らは8年近く経った今でも待っているのです。だから当社は、今のところはサーキット走行のみに専念することにしたのです」
それは今だけの決定なのか? そう尋ねると、イェーツ氏は「イエス」と答えた。
「公道バージョンも実現可能だと思いますが、その前に検討すべき複雑な問題があります」
イェーツ氏はまた、サーキット専用車を最初に発売することにしたもう1つの理由をこう説明する。
「お客様にうまくクルマを届けることで、我々が本物であるという信頼を築くことができます」
約束通り顧客にクルマを引き渡すことで、マクマートリーが単なる一過性の記録更新企業ではないことを示す。これは重要なことだという。
同社はさらに多くのモデルを開発中であり、イェーツ氏の頭の中では「90%は完成している」とのこと。どのような形で登場するかは不明で、彼もまだ口を閉ざしている。しかし、イェーツ氏は次のような言葉を残している。
「大きければいいというものではありません。10年後、これ(スピアリング)より軽いクルマについて話すのはエキサイティングなことではないでしょうか?」
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みんなのコメント
え?
それって競技車両だよね?
ってことは、やっぱり最速じゃないよね?
今時1000psなんか驚く数値でもないし、パワーだけで速さが決まるなんて昭和じゃあるまいし。
楽しそうな電動車。