東洋工業(現・マツダ)がNSU社とライセンス契約を交わし1961年から研究開発を始めたロータリーエンジン。1951年にフェリックス・ヴァンケル博士が発明したもので、「夢のエンジン」とまで言われたが、実際には未完成なものだった。当時の松田恒次社長に社運をかけたロータリーエンジンの開発を託されたのが、気鋭のエンジニア山本健一氏だった。この連載ではその開発過程から1991年のマツダ787Bによるル・マン24時間制覇までを、マツダOBの小早川隆治さんの話に基づいて辿ってみる。
ニュルブルクリンクを84時間走るレース!
コスモスポーツの導入と共にロータリーエンジン搭載車のモータースポーツ活動も始まる。コスモスポーツが1968年には「マラソン・デ・ラ・ルート(ニュルブルクリンク84時間レース)」に参加したのだ。これもまた当時としては画期的な出来事だった。小早川さんの証言を続けよう。
【くるま問答】トヨタ2000GTのサイドにある四角い部分には、いったい何が入っているのか?
「山本さんが、ロータリーエンジンが、性能だけではなく、信頼性も耐久性もあるエンジンであるということを長距離耐久レースで実証したい、と言われ、その意をうけて、当時レースを担当していた部門の人たちが検討していった中で、マラソン・デ・ラ・ルートへの挑戦が決定したが、古我信生さん(レーシングドライバー・自動車評論家)の協力も大きかったようです。
マツダスピードの前身、マツダオート東京のスポーツ相談室が1967年にマツダオート東京の中にできたのも、古我さんのお力があってこそでした。そこに大橋孝至さん(後にマツダスピードを率いてル・マンに挑戦)、寺田陽次郎さん(ドライバーとしてのル・マン参戦が29回にもなる)がいた。もしあのスポーツ相談室がなかったら、ル・マン24時間レースへの挑戦もなかったでしょう」。
ちなみにまったくの偶然だが、大橋さんと小早川さんは中学、高校、大学の同級、同窓生だったという。
1968年のマラソン・デ・ラ・ルートには2台のコスモスポーツが挑戦した。激走の結果、1台は残り3時間で駆動系トラブルのためリタイアするが、もう1台が総合4位という好成績を残す。「そのエンジンの開発には松浦國夫さんと私がかかわりました。私はレースには行かずその後はアメリカ市場向けロータリーエンジン車の排出ガス対応にしばらく従事、松浦さんはこれ以降モータースポーツに専念されますが、初参戦で総合4位という結果が出たことは非常に嬉しかった」と小早川さんは語る。
その後マツダのモータースポーツ活動はさらに活発化していく。翌1969年にはR100(ファミリアロータリークーペ)でマラソン・デ・ラ・ルートへの再挑戦に加えてスパ24時間にも参戦。スパではポルシェ勢に次ぐ5位、6位に入賞した。1970年はR100がスパ24時間で21時間までトップを走り、あわや優勝か?というところまでいく。結果はリタイアだったがこれには原因があった。
「オーバーフェンダー問題です。マツダとしてはレギュレーションに合わせてオーバーフェンダーをつくって持っていったのに対して、現地に入ってから敵陣からの横やりもあったのか、ルール違反だといわれてオーバーフェンダーを狭め、ワンサイズ細いタイヤをつけなければいけなくなった。それでは勝てないと言うことでエンジン最高回転数を500回転上げる決定をしたが、それが裏目に出てエンジンのトラブルが発生、1台がかろうじて5位となった。
しかし1968 -1970 年の欧州レースへの挑戦は、ロータリーにとってもマツダにとっても、非常に貴重なものとなり、そのあとの国内やアメリカでのロータリーのレースにおける活躍、更にはル・マン挑戦にも間違いなくつながっていきます」<続く>(取材/文:飯嶋洋治)
[ アルバム : 山本健一とロータリーエンジン[第6回] はオリジナルサイトでご覧ください ]
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