現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ヒットの法則97】2代目Mクラスの「ML63 AMG」は想像を超えるとんでもないモデルだった

ここから本文です

【ヒットの法則97】2代目Mクラスの「ML63 AMG」は想像を超えるとんでもないモデルだった

掲載 更新 2
【ヒットの法則97】2代目Mクラスの「ML63 AMG」は想像を超えるとんでもないモデルだった

2005年秋、プレミアムSUVに衝撃的なモデルが登場している。スーパーSUVと言われたポルシェ カイエン ターボを凌ぐ、510psのV8エンジンを搭載するメルセデス・ベンツ ML 63 AMGがデビューしたのだ。AMG社が新世代エンジンとして開発した6.2Lユニットが真っ先にSUVに搭載されたことも話題となった。ここでその超弩級スーパーSUVの登場の詳細を振り返ってみよう。(以下の記事は、Motor Magazine 2005年10月号より)

プレミアムSUVのパワー戦争がさらに激化すること必至
AMG社の開発による新しいV8エンジンがいよいよ量産車に搭載されることになった。

トヨタがヤリスGR-4の3ドアボディを公開。さらに搭載エンジンと4WDシステムをスクープ

ボア×ストローク=102.2mm×94.6mm、排気量6208ccのビッグ8は、これまでのAMGの手法とは違って、スーパーチャージャーにもターボチャージャーにも頼らないナチュラルアスピレーションで、最高出力510ps/6800rpm、最大トルク630Nm/5200rpmを絞り出す。

この高出力は可変カムシャフトによるバルブタイミングコントロールやピストンの抵抗を減らすためのスリーブへの鉄炭複合素材によるアークコーティングなどハイテク手法によって可能になったもの。4バルブヘッドを持つ新世代エンジンがついにV8まで及んだことになり、次期V12計画も含め、いよいよメルセデス・ベンツが新時代に突入しつつあることを思い知らされる。

この新エンジンを最初に搭載する市販モデルが今回発表されたML 63 AMGである。本来ならばフラッグシップたるSクラスにまず搭載されるのが自然だが、なぜあえてメルセデス・ベンツはMクラスを選んだのだろうか。

それはずばり、北米市場を闊歩するポルシェ カイエンやBMW X5などを駆逐するためだろう。そして、こうした大排気量エンジンを歓迎するのは北米市場でもあるのだ。

こうして登場したML 63 AMGに組み合わされるトランスミッションは7Gトロニックでダイレクトセレクトと呼ばれるシステムも採用される。もちろんS(スポーツ)、C(コンフォート)、そしてM(マニュアル)のモード変換もコンソール上のスイッチで可能だ。獰猛なパワーは、4WDシステムを介して、通常、フロント40%、リア60%に配分される。

エクステリアは当然ながら「AMGスタイリング」となる。フロントで目を引くのはラバープロテクター付きのオーバーライダーとその両脇にはめ込まれたドライビングライト、そして横長のエアインテークが設けられたバンパースポイラーである。リアエンドには左右2本ずつ合計4本のマフラーが突き出し、パッシングした相手へのお別れサービスも忘れていない。

さらにサイドに回ると、前後に295/45Rサイズの19インチタイヤが新たに用意されたオーバーフェンダーからはみ出さんばかりに押し込まれている。これでも十分でないと感じるオーナーに対して、AMGは295/40R20サイズも用意している。

ML 63 AMGには格段に向上した性能に対処するために、先進のエアサスペンションシステムである「AIRMATIC」をベースとしたAMGスポーツサスペンションが採用されている。ここにはAMGチューンのADS(アダプティブ ダンピング システム)も組み込まれている。ブレーキシステムは前後とも新開発のベンチレーテッドディスクが採用されている。

レザーとアルカンタラから成るインテリアはAMGエクスクルーシブのもので、エレガンスとスポーティネスの組み合わせを強調している。

安全装備はメルセデス・ベンツ製品として現時点で考えうるトップレベルのもので、事故を予想して未然に備える「PRESAFE」、そしてアクティブヘッドレト「NECKPRO」が標準装備されている。

メルセデス・ベンツの発表によれば、ML 63 AMGは0→100km/hをカイエンターボよりも0.6秒速い5秒フラットで加速する。最高速度は250km/hに自主規制されるが、その絶対性能からカイエンターボの270km/hを上回ることは間違いない。

しかもAMGの顧客のかなりがオプションでリミッターを外しているといわれることから、今後アウトバーンでカイエンを追い越すML 63 AMGが多く見られるに違いない。ダッシュボードの正面にある320km/hまで刻まれたスピードメーターはそれを怪しく暗示しているように思える。

ML 63 AMGは2005年10月開催されるフランクフルトモーターショーで世界初公開となる。そしてその後、2006年春にはドイツを中心とするヨーロッパ、そして北米で発売が開始される。東京モーターショーにも出品される予定で、日本発表は2006年秋と予想される。(文:木村好宏/Motor Magazine 2005年10月号より)



[ アルバム : メルセデス・ベンツML 63 AMG(2005年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス

みんなのコメント

2件
  • こうやって見ると、メルセデスもなんだかんだで昔のモデルの方がカッコ良いかも。
  • ネタ切れで以前の記事を持ってくるとんでもない記事
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村