岡山国際サーキットで行なわれ、トヨタGRスープラ勢が予選でトップ5独占、決勝ではトップ4独占と圧倒的な強さを見せた今シーズンのスーパーGT開幕戦。舞台を富士スピードウェイに移して行なわれた第2戦の予選でもGRスープラ勢が強さを見せたが、ホンダ勢もそこに肉薄するポテンシャルを持っていると考えているようだ。
予選を前にして行なわれた公式練習でホンダ勢は、8号車ARTA NSX-GTと1号車STANLEY NSX-GTがそれぞれ2番手、3番手のタイムをマークするなど上々の滑り出しをみせた。しかし迎えた予選でQ2に駒を進められたホンダ勢は、8号車の1台のみ。8号車は最終的にポールからわずか0.003秒差の2番手となったが、他の4台は全てQ1落ちという結果に終わってしまった。
予選のタイムシートだけを見れば、トップ6に5台を送り込んできたスープラ勢のポテンシャルが圧倒的に高いようにも見える。しかしホンダの佐伯昌浩ラージ・プロジェクトリーダー(LPL)曰く、Q1落ちに終わったNSX、とりわけブリヂストンタイヤ(BS)を履く1号車や17号車Astemo NSX-GTに関しては、8号車同様ポールポジションを争える力があったと感じているようだ。
「予選に関しては8号車以外、クルマの本来のポテンシャルを出し切れない状態で終わってしまいました」
予選後の会見で、佐伯LPLはそう語った。
「(他の車両も)8号車と同等のポテンシャルを持っていたと思うので、残念な結果でした。1号車はコース上でミスがあり、17号車はトラフィックに引っかかって満足なアタックができずQ1敗退となりました。16号車(#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT)は午前中にギヤボックスで走行できなかったことが祟ってか、わずかな差でQ1敗退となりました。ただ64号車(#64 Modulo NSX-GT)も含めてですが、今年は予選でダンロップタイヤさんのパフォーマンスをうまく引き出せていない部分はありますね」
「特にBS車両は1号車も17号車もポールポジションを狙えるパッケージングだったので、うまくいけばポール争いに加われると思っていました。ただ残念ながら1台だけという形で終わってしまい、悔しい結果になりました」
また佐伯LPLは、昨シーズンと同様に直線スピードでは圧倒的にスープラ勢に分があると分析している様子。そうなると長いストレートを持つ富士で追い上げのレースをしていくことは簡単なことではないようにも思えるが、とはいえ今回はシーズン最長となるレース距離500kmの長丁場。佐伯LPLは決勝で安定したペースで走っていけばポジションを上げていけるはずだと語った。
「明日は500kmレースなので、安定したラップタイムで走らせることで結果は付いてくると思います」
「このクルマはオーバーテイクするのが難しい車両ですが、我々の選んだタイヤが安定したラップタイムを刻めるようになっていれば十分順位を上げていけると思います。ただ同じレベル(のラップタイム)であれば抜けないという現象が開幕戦でも起きていましたので、タイヤをしっかり使い切るということが重要になってくると思います」
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