自分一人分の荷物をバイクに積んで、気の向くままに時を過ごせるソロキャンプスタイルは、他の手段では得られない格別な”自由”を堪能できるのだという。では何をどうすればその自由を手に入れられるのか? 本記事ではキャンプの華=焚き火を楽しむ焚き火台の選び方について取り上げる。
―― 【ガイド役:谷田貝洋暁】登山/自転車/カヌーによるキャンプ歴が、バイク歴より随分長いライター。運ぶ荷物が限られる縦走登山からの反動か、バイクキャンプはとにかく大荷物。
焚き火もやらずにナニがキャンプかっ!?
昔は地面で直接火を起こす、いわゆる“直火”の焚き火しかななく、焚き火を楽しむためには直火OKのキャンプ場を探す必要があったが、最近は状況が一変。焚き火台が流行したことで、むしろ焚き火ができないキャンプ場を探す方が難しいぐらいだ。
バイクで持ち運べる焚き火台となると、種類はまだ限られてしまうが、愛車を眺めながら焚き火をいじり、走ってきた道程を思い返す時間は一日のクライマックス。ぜひともキャンプツーリングに取り入れたいところだ。
―― バイクで持ち運べる焚き火台には、写真左のようなグリルタイプと、一般的な40cmサイズの薪が燃やせる大型の焚き火台がある。薪に比べて高温になる炭が使えるかどうかも、焚き火台選びのポイントになる。
―― 焚き火台の他には、薪/雑に使える革手袋/ロングタイプの着火ライター/薪の長さを揃えるノコギリ/火ばさみ。この他、薪を細く割って燃えやすくするためのナタがあれば完璧。
火起こしは“熱”コントロールに注力
―― 左から広葉樹/針葉樹/木炭。
一般的な焚き火の燃料は、薪と木炭。薪の種類は針葉樹(火付が良く焚き付けに便利だが火持ちが悪い)と広葉樹(火付は悪いが火持ちが良い)がある。ちなみに、ホームセンターなどでよく見かけるBBQ用の炭は火付きがあまり良くないので、針葉樹の薪で火を起こしてから炭をくべた方が手っ取り早い。
マッチ1本で頑張る、マグネシウムスターターを使うなど、火起こしの流儀は人それぞれだが、初心者におすすめなのは着火剤。おすすめはロゴスの防水ファイヤーライター。火力も十分で火持ちもいいため使いやすい。僕はジップロックに2~3個ずつ小分けにして持ち運んでいる。
最初に使うのは火付きのいい針葉樹の薪。商品として売られている薪ならしっかり乾かされているので、よほどのことがない限り着火で失敗することはないハズだ。
焚き火は“燃焼”という化学変化。対象物を高温化して、十分な酸素を送るだけで勝手に燃えてくれる。なので、着火する中心部に空気がある程度通りながらも、熱が溜まるよう意識して薪を組もう。
炎は下から上へと広がることを意識して着火剤をセット。何度も言うようだが、火床の上部にしっかり熱がこもるようにしながら、ある程度空気を流すように組むことが大切。着火が成功するかどうかはこの時点で9割がた決まる。
ロングタイプの着火ライターを使えば、薪の奥に置いた着火剤にだって着火しやすい。着火時は薪をケチらず、ある程度の量を使うのも失敗しない秘訣だ。
一発着火でひと安心。一方、流木/枯れ枝/廃材など十分に乾いてない木を燃やす場合には、細く割って燃えやすくしたり、より熱がこもるようする工夫など、丁寧に火を育てる必要がある。
下の写真のようにしっかり炎が立ち昇っていればまず消えることはないが、逆に燃え尽きるのも早い。針葉樹は10分も目を離すと中心部分があらかた燃え尽きてしまうので注意。勢いよく燃えたところで火持ちのいい広葉樹を投入する。調理のための炭火が欲しいなら、この時点でBBQ用の炭をくべておけば数分で炭全体に火が回る。
―― 使用した焚き火台は、ユニフレームのファイヤースタンドIIだ。
おすすめ焚き火台カタログ
◆モノラル ワイヤフレーム
火床に使う特殊耐熱クロスが下部からの空気の流入を抑え、燃えすぎない自然な焚き火が楽しめる。別売の「焚き火メッシュII(1万175円)」を使えば、火床から空気流入が増え、より大きな焚き火が楽しめるようになる。
―― 【モノラル ワイヤフレーム】●サイズ:D360×W360×H280mm ●収納サイズ:φ90×350mm ●重さ:980g ●価格:1万8480円 [TSDESIGNモノラル事業部]
―― 特殊耐熱クロスと足を折りたたむことで、長さ35cmほどの収納サイズになる。
―― 別売の「五徳アタッチメントII(8580円)」を使用すれば、焚き火の上に3kgまでの鍋を置くことができる。
◆ワンダーラストエクイップメント ピコグリル498
火床に高強度ステンレス鋼の板を採用したことで、折り畳むとA4サイズになりパッキングもしやすい焚き火台。スイスのSTC社の製品で、ピコグリルシリーズには、さらにコンパクトな398(1万4000円)、大型の761(2万3000円)もある。
―― 【ワンダーラストエクイップメント ピコグリル498】●サイズ:D280×W410×H215mm ●収納サイズ:350×250×18mm ●重さ:755g ●価格:1万6500円[ワンダーラストエクイップメント]
―― 本体490g。焼き網/焼き串などその他265gで合計755gの軽量設計は、どこにでも持って行けそう。
―― バラすと火床が板状になり、厚み18mmのA4サイズに。シートバッグの隙間に収まりそうな雰囲気だ。
◆ロゴス ピラミッド TAKIBI M
特別な器具を必要とせず、ダッチオーブンも調理可能な10kgという目安耐荷重が魅力的。そのぶん堅牢な作りで重さは約2.2kg。オプションも豊富で、各種焼き網のほか、バイク積載は難しそうだが囲炉裏や吊り鍋などのセットもある。炭火OK。
―― 【ロゴス ピラミッド TAKIBI M】●サイズ:D360×W350×H220mm ●収納サイズ:350×195×70mm ●重さ:約2200g ●価格:9900円[ロゴスコーポレーション]
―― 専用ゴトクの端には、平串/丸串に対応する串焼きプレートを標準装備。魚の塩焼きや五平餅が手軽に楽しめる。
―― 専用のゴトクは重量物の調理ができるほか、目に薪を立てて立体的に燃やすこともできる。もちろんゴトクを外せば通常の焚き火も可能だ。
◆デイトナ ツーリングフラットグリル189
デイトナが完全自社開発を行い、特許も出願中のツーリングフラットグリル189。通常、差し込み式の製品はパーツが外れやすいものだが、独自のロック機構で持ち上げて移動したり、灰を捨てるぐらいの動きではバラけないようになっている。
―― 【デイトナ ツーリングフラットグリル189】●サイズ:D175×W237×H178mm ●収納サイズ:180×235×25mm ●重さ:約1940g ●価格:6380円[デイトナ]
―― 板厚1.95mmのステンレス材を使い、堅牢に仕上げたアイテムはもちろん炭火OK。
―― バラせばすべてのパーツが板状になり、付属のステンレストレーにすべて収まるようになっている。
◆キャプテンスタッグ ステンレスイージーファイアベース
ステンレス蒸し器のように複数枚の羽を展開して使うユニークなキャプテンスタッグの焚き火台。パラボラ形状のプレートの上で焚き火をすれば熱反射の集中効果も見込めそうだが、驚くべきはその価格。なんと税込1980円!
―― 【キャプテンスタッグ ステンレスイージーファイアベース】●サイズ:φ260×H75mm ●収納サイズ:φ170×H50mm ●重さ:約200g ●価格:1980円[キャプテンスタッグ]
―― 取り外し式の足を含めてオールステンレス製で焚き火のほか、炭火による調理も行える。
―― 収納サイズはφ17×5cmとコンパクトで重さはなんと200g。展開サイズから考えるとかなり軽い。
◆スノーピーク 焚火台S
誕生は1990年代と、焚き火台の草分け的存在で、世の中に“焚き火台”というイメージを植え付けたロングセラー商品。折り紙の様に開いて展開するだけで、厚さ25mmが焚き火台に早変わりする簡単設営も魅力。さらに大きいサイズもあるが、バイクに積むならSが現実的。炭火OK。
―― 【スノーピーク 焚火台S】●サイズ:D285×W285×H205mm ●収納サイズ:350×410×25mm ●重さ:1800g●価格:11880円[スノーピーク]
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みんなのコメント
こう言う言葉がキャンプの自由を阻害してると思う。焚き火の良さは理解してるが、焚き火をしなくてもキャンプは成立する。バイクツーリングになると焚き火台や火ばさみなどの道具と薪などの燃料など荷物が増えると言う問題が出てくる。ブームのこのご時世、現地調達ができる保証もない。
あと、ルールやモラルの問題、残火、消火、灰などゴミの問題などなど。格好の良いところばかり紹介しないで、現実的な事も話すべきじゃないかな。
なんでキャンプツーリングの想定でダッジオーブンの写真を載せてんのよ。