ピエール・ガスリーがレッドブル・レーシングからシーズン半ばで降格されてから4年が経ったが、当時下されたこの決定を“不公平”だと感じているガスリーは、今もヘルムート・マルコからの答えを求めている。
2019年の夏、ガスリーは、F1のサマーブレイク中にレッドブルの姉妹チームであるトロロッソ(現アルファタウリ)へ降格されるという、F1キャリアにおいて極めて重大な瞬間に直面した。この年レッドブル・レーシングに昇格したガスリーは、シーズン前半に非常に速いチームメイトのマックス・フェルスタッペンのパフォーマンスに追いつくのに苦戦していた。ガスリーは有望でポテンシャルを示していたが、彼の結果はマルコが定めたチームの期待には及ばなかった。
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ガスリーにとって、アレクサンダー・アルボンと交代してファエンツァへ戻ることはつらい経験だった。ガスリーはその後の数シーズンで一貫して才能と復活力を発揮してみせ、アルピーヌでF1キャリアの新しい章を開くことになったが、彼はレッドブルの決定を振り返ると、それが不当なものだったといまだに感じている。
最近の『Beyond the Grid』ポッドキャストで、司会のトム・クラークソンにマルコと降格について話をしたのか尋ねられたガスリーは次のように答えた。
「していない。いつか話すチャンスが来ることを望んでいる」
「でも心の奥底では、彼らが賢い人たちだとわかっている。ある種のことについて彼らは独自の意見を持っているのかもしれないが、明らかにはっきりしていることはある。仕方がなかった」
「フェアなことではなかったが、とにかくそういうやり方だった。F1が常に公平ではないということも学んだ」
「僕はアルファタウリを去った時にこの章を閉じて、アルピーヌで真新しい章を開いたようなものだ。今は経験、スキル、マインドフルネスにおいてあるレベルに到達したと思う。以前の経験のおかげで、今日の僕は昨日の自分よりもよりよくなっている」
そうすることは、F1の舞台で困難を乗り越え、自分自身を証明するというガスリーの決意の物語に確かに寄与した。しかし今振り返ると、トロロッソに復帰したまさにその週末に、ガスリーはもうひとつのつらい出来事に耐えていた。それは彼の人生に最も大きな影響を及ぼす瞬間となっただろう。ガスリーは幼馴染のアントワーヌ・ユベールを、スパ・フランコルシャンで起きたFIA F2の恐ろしい事故によって失ったのだ。
「ショックだった」とガスリーは振り返った。
「おかしなことだけど、僕は電話のフォトライブラリでいくつか写真を見返していて、アントワーヌと一緒に学校に通っていた頃の写真や、サマーブレイクの前にブダペストでともにした最後の夕食の写真を見ていた」
「実は僕たちは外出する予定を立てていたんだけど、土壇場になって僕は行かなかった。出かける気分じゃなくて、歩道からさよならを言ったのを覚えている。今でも彼が僕の友人の隣に立っているところが目に浮かぶ」
「こんなに若い年齢で、友人や、とても親しい友人を失う覚悟ができている人はいないと思う。残念ながら、親しい友人を失ったのはこれが初めてではない。このことを乗り越えるのは本当にとても大変だった」
「でもスパで起きたことから、人生全般へのアプローチや、大切な人たちとの関係についての僕のビジョンは変わったと思う」
「そうした親しい人たちと過ごす毎秒に感謝している。それがいつ最後になるか、決してわからないからね」
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