精鋭の技術者たちが開発へ関与
スパルタンのシャシー開発へ力を貸したのが、アンドレ・ナデル氏。オーストラリアで開催される、バサースト12時間レースへ出場するマシンなどを手掛ける人物だ。
【画像】異次元にスリリング スパルタンモーター・スパルタン 過激な公道用マシンは他にも 全175枚
滑らかなボディの空気力学には、トヨタとウイリアムズのF1チームに加わっていた、サミー・ディアシノス氏が協力した。大きなウイングとスプリッター、ディフューザーなどで、運転のしやすささと挙動の漸進性を高め、速さを追求している。
スパルタンに施された空力パーツによって、ダウンフォースは最大800kgまで高めることが可能だとのこと。しかし、あえて470kgへ制限されている。サーキットでのラップタイムを最短にするために。
シャシー調整には、バートン・マワー氏も関わっている。もとF3カテゴリーのレーシングドライバーで、ヨコハマ・タイヤのテストドライバーを務めた過去もある。その経験を活かし、ロールセンターやキャンバー角、トー角などをバランスさせた。
トラクティブ社製サスペンションの減衰力についても、アドバイスしている。スパルタンモーター社のピーター・パップ氏によれば、このクルマで最も特別なアイテムだという。
コクピットに7軸の加速計が搭載され、1ミリ秒単位でダンパーを個々に調整。アンチロールバーがなくても、完璧といえる姿勢制御を実現させている。量産版では、ウェットからレースまで5段階のモードを得る予定らしい。
ホンダのK24型4気筒を過給し466ps
かくして、完成したスパルタン・プロトタイプがアングルシー・サーキットにある。その走りは、ここ数年で最も楽しいといえる体験の1つになった。
シャシーは軽く、パワーアシストのないステアリングはダイレクト。回頭性は鋭くリニアで、思い切り振り回してテールを流すことも造作ない。アリエル・アトムとケータハム・セブンの、間の子のように。
セミスリックのヨコハマ・アドバンA050タイヤを履くから、トラクションは常に充分以上。トレッド面が温まるにつれて、当初は若干アンダーステア傾向だった特性が、ニュートラルへ転じていく。
能力が高いが故に、ドライバーがリカバリーを加えていくような領域へ届くには、相当に攻め込む必要がある。しかし、そこで驚くような変化が待っているわけではない。クワイフ社製のリミテッドスリップ・デフが、より本気で仕事をし始める程度だ。
こんな崇高な体験の一翼を担っているのが、見事なパワートレイン。エンジンは、ホンダのK24型という2.4L直列4気筒をベースにしているが、大々的なチューニングが施されている。スーパーチャージャーが組まれ、466psを許容する信頼性も得ている。
「試作段階では、568psまで増強させていました。かなり活発なエンジンですよ。すごく面白い」。ピーターがにこやかに話す。島国の英国より、オーストラリアの方が活発と呼ぶ時の水準は高い。
勢いから逃れるにはハイパーカーが必要
最終的に最高出力は466psへ落ち着いたとしても、スパルタンは猛烈に速い。高性能なスーパーチャージャーのおかげで、アクセルレスポンスは自然吸気の90%に迫るという。それでいて、回転数を問わず極太のトルクが放たれる。
6速マニュアルのトランスミッションを設計したのは、同社のニック・パップ氏だ。スーパーチャージャーの採用が決まったことで、再設計が必要になったと振り返る。本域へ到達する前に、耐えきれなかったらしい。
サーキットの高速コーナーを4速で抜け、緩やかな下りのストレートめがけてアクセルペダルを蹴飛ばす。恐らく、スパルタンの勢いから逃れるには、フェラーリSF90 ストラダーレ級のハイパーカーが必要だろう。
それでも、コーナーでは軽く追い詰められるはず。黒く輝く小さなカーボン・ボディに。
安定性は極めて高く、不安感なく圧倒されるようなコーナリングスピードを体感できる。シャシーへ固定されたティレット社製のバケットシートが、しっかり身体を保持するが、もう少しサイドサポートは高くてもいい。旋回Gが凄まじい。
CNC加工で削り出されたシフトレバーは、正確で滑らかに動かせる。筆者の好みでは、あと10%ほど手応えが多くてもいい。
パワーデリバリーはリニア。アリエル・アトムが積む、ターボチャージャー付きのホンダ・タイプR譲りの4気筒ユニットも、吹け上がりの勢いでは負けていないけれど。
異次元にスリリングなドライビング体験
スパルタンは、ドライコンディションだけでなく、ウェットでもドライバーを怖気づけさせない。その懐の深さにも圧巻だ。異次元にスリリングなドライビング体験を、より身近に堪能することを許している。
試乗車のペダルボックスは背が低めのドライバーへ設定されていたが、ヒール&トゥーも簡単。実際のオーナーになれば、本人の体型に合わせて調整されるため、より完璧なドライビングポジションを取れるだろう。
英国への輸入はル・マン・クーペス社が行い、英国価格は12万6000ポンド(約2029万円)が予定されている。カーボン製ボディの成形に手間がかかるため、生産には時間を要する。パップ兄弟によれば、最終的に300台を提供したいと考えている。
スパルタンは、アリエル・アトムやケータハム・セブンに対するオーストラリアからのホットな回答だ。無名ブランドのモデルとしては少々お高めだが、仕上がりを知れば納得できるはず。しかも、ナンバーを取得し英国の公道も走行可能だという。
スパルタンモーター・スパルタン・プロトタイプのスペック
英国価格:12万6000ポンド(約2029万円)
全長:−mm
全幅:−mm
全高:−mm
最高速度:249km/h以上
0-100km/h加速:2.3秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:700kg
パワートレイン:直列4気筒2354ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:466ps
最大トルク:−kg-m
ギアボックス:6速マニュアル
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