現在、新車の納期遅延が大きな問題となっています。ディーラーの担当者にその理由を確認すると、返ってくるのは「半導体不足」という言葉。半導体が重要なものであることは漠然と理解していても、そもそも半導体とはどのようなものであって、そしてそれがなぜ不足しているのかを明確に説明できる人は少ないかもしれません。
●「産業のコメ」と言われる半導体、そもそもどんなもの?
「産業のコメ」という言葉があります。これは、産業の中核にあるもの、つまり産業にとってなくてはならないものを指す言葉です。高度経済成長期の頃にはおもに鉄鋼を指して使われることの多かったこの言葉ですが、近年では半導体に対して用いられるようになっています。
半導体とは、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」の両方の性質を持つ物質のことです。
半導体は、スマートフォンやパソコン、ゲーム機、家電など、演算処理装置を持つもの、いわゆる「コンピュータ」を持つもののほとんどすべてに搭載されています。コンピューターは二進法を基本としているため、例えば、電気を通す時を「0」、電気を通さないときを「1」というふうに定義し、それらを組み合わせていくことで無数のパターンに対応することができるようになります。
ただ、「半導体不足」などの際に用いられる一般的な意味での「半導体」は、上記で説明した半導体そのものではなく、半導体を組み合わせて構成された集積回路を指すことが多いようです。集積回路と似た言葉に「ICチップ」や「マイコン」というものがありますが、専門的な場合を除いて、集積回路を意味する「半導体」と同じ意味で用いられていることがほとんどです。
現代社会では、まわりを見渡せば半導体を持つものばかりです。その上、あらゆるものの電子化が進んでおり、この20年で半導体のニーズは世界的に高まってきています。
●現代社会を支える超重要部品、なぜ不足している?
現在、ディーラーで新車を購入しようとすると、ほとんどの場合で「半導体不足によって納期が遅延している」という説明を受けることになります。これまでは、国産車であれば特殊なモデルを除いて、注文後1~2か月程度での納車が一般的でした。
しかし、現在では3~6か月程度の納期となることは珍しくなく、人気のモデルや仕様ともなれば、「納車まで1年は覚悟しておいてください」という説明を受けることもあるようです。
また、ナビや安全運転支援機能など、半導体を必要とする装備が設定できない、もしくは納車後に後付け設定するという事態も起こっているといいます。また、輸入車ブランドの中には納車の見通しが立たないことから、注文取り消しとなった例もあるようです。
言うまでもなく、現代のクルマには無数の半導体が使用されています。自動車メーカーも安定した半導体の確保に努めていますが、事態の解消には至っていません。
●半導体不足の引き金となった新型コロナウイルス感染症
昨今の半導体不足の直接的な引き金となったのは、やはり2020年初頭から世界に大きな影響を及ぼし続けている新型コロナウイルス感染症です。
世界中でロックダウン(都市封鎖)が行われ、日本でも緊急事態宣言が発令された同年4月頃から、リモートワークが推進されるようになったことで、スマートフォンやパソコンの需要が急増しました。
同時に、外出そのものが制限されたり、はばかられるようになったりしたことで、自宅で過ごす時間が増えました。そのようないわゆる「巣ごもり需要」によって、ゲーム機やタブレットなどの電子機器も需要が急増することになります。
一方、新型コロナウイルス感染症が流行しはじめた当初こそ、大きく販売台数を落とした各自動車メーカーですが、2020年の後半頃から需要が復活するようになります。しかし、半導体メーカーの多くが、スマートフォンやパソコン、ゲーム機といった電子機器への供給を優先しました。
その背景には、自動車メーカーが半導体メーカーに課す、厳しい品質基準があると言われています。人間の命を預かる存在であるクルマには、工業製品の中でも最も高いレベルの品質基準が求められます。ただ、半導体メーカーからすれば、より基準の緩やかな電子機器へと大量納入したほうが、メリットが大きいという判断があったようです。
●半導体不足の原因はほかにも
ただ、半導体不足の原因は、決して新型コロナウイルス感染症だけではありません。需要が増えたことに対して、供給が進まないという課題があります。
高度な生産技術を必要とする半導体は、専用の設備を持つ専門の企業しか生産できません。そして、世界で生産される半導体のおよそ70%は、中国や韓国、台湾、そして日本で生産されています。
半導体の需要が高まる中で、半導体メーカーは当然増産体制をとることになります。しかし、2021年3月には日本の大手半導体メーカーであるルネサスエレクトロニクスの工場で火災が発生し、数カ月間にわたって生産減を余儀なくされてしまいます。
また、米中間の経済摩擦の影響で、ファーウェイなどの中国製電子製品のアメリカへの輸入が事実上禁止されたことで、米国企業は中国からの半導体供給が難しくなってしまいます。
すでにフル稼働に近い韓国や台湾の半導体メーカーへの需要がさらに集中し、半導体不足がエスカレートしてしまうことになりました。
●半導体不足、解消の見込みは?
各半導体メーカーは、生産設備の増強などのために巨額の投資をすることを発表しています。ただ、そうした工場が稼働を開始し、半導体の生産量が実際に増えるためには、少なくとも2~3年の年月を要します。
また、ロシアによるウクライナ侵攻の影響から、天然ガスなどのエネルギー価格の高騰が懸念されていますが、半導体の生産にも多くのエネルギーを必要とするため、現地の情勢が安定しなければ、それもマイナス要因として働くかもしれません。
そもそも、半導体の需要は年々上昇傾向にあります。つまり、需要の増加に対して、短期的に供給が追いつく見込みはなく、今後も慢性的な半導体不足が続くことが予測されています。
●いまクルマを検討するなら、何に注意すべき?
現実的な問題として、今後も半導体不足が続くことが濃厚です。そのため、新車購入時には必ず納期を確認することが必要です。また、グレードを変更したり、特定のオプションを妥協したりすることで、納期が早くなる可能性もあります。
もし納期を第一に考えるのであれば、ディーラーの在庫車を検討するのもひとつの手です。選べるモデルや仕様は制限されますが、すでに生産されているクルマであるため、早ければ2~3週間での納車が可能です。
中古車を検討するという手もありますが、新車の納期遅延の影響により中古車の需要も急増しているため、中古車価格が著しく高騰しているのが現状です。そのため、「中古車=安い」というイメージは捨てたほうが良いかもしれません。
このように、「ニューノーマル」が求められる昨今では、新車の購入についても既存のイメージをアップデートする必要があると言えます。
文:ピーコックブルー
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みんなのコメント
過去ネタ再編集したコピペ評論を今頃やって何が楽しいのかな、単なるPVノルマを達成するための三流ライターか。
半導体ど素人丸出しじゃねぇか。