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マツダ アクセラのSKYACTIVは、全域でダイレクトなフィールを体感できた【10年ひと昔の新車】

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マツダ アクセラのSKYACTIVは、全域でダイレクトなフィールを体感できた【10年ひと昔の新車】

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、2011年のマイナーチェンジでSKYACTIVを搭載したマツダ アクセラだ。

マツダ アクセラ(2011年:マイナーチェンジ)
アクセラがマイナーチェンジされ、SKYACTIVテクノロジーを搭載した。その外観は、これまでの「笑い」顔から、やや精悍な表情になった。前後バンパーのデザイン変更に加え、16インチと17インチ(オプション)には新デザインのホイールも用意されている。インテリアに大きな変更はなく、メーターまわりの一部変更と、エアコンルーバー上部の質感向上など、主にクオリティ面が磨かれた。

【10年ひと昔の国産車 25】マツダ アクセラはヨーロッパが認めた走りをさらにブラッシュアップ!

まずは乗り込んで、走り出してみる。最初は2Lのベースグレードとなる15インチタイヤ仕様から。アクセルペダルにそっと足をのせる感覚で穏やかな加速を味わっているぶんには、この6速ATはCVTと似たフィーリングだ。ここから右足の力を強め、速度を上げていくと、十分な盛り上がりを体感させるものの、加速フィール自体はけっして過敏ではなくジェントルだ。

目の前に並ぶスピード&タコメーターを見ると、ふたつの針は息がピッタリ。まるでつながっているかのように同じ角度で動いていく。この加速感が6000rpm近辺まで滑らかに続き気持ちいいことこの上ない。これがつまり、主査の猿渡氏(編集部註:2011年当時)が言うところの「フルレンジ・ダイレクト・ドライブ」なのだろう。

この気持ち良さの立役者は、やはり「SKYACTIV ドライブ」と呼ばれるATだ。発進直後のごく限られたところのみトルコンを用いるが、すぐにロックアップ。その領域を約49~82%も広げた。クラッチ板の数を多くして、小さな力で大きなトルクを伝えられるようにしたほか、ピストンとクラッチを独立させ、油圧が効率良く回るようにしている。また油圧を直接、電流で制御できるようにしているという。これらの働きによって、アクセルを踏むとすぐにGが発生し、それが変わらず続く特性を持たせた。

コーナーの進入から出口まで、一定した挙動を保ち、抜けると同時に思いどおりの加速ができる。これには本当に惚れ惚れした。

SKYACTIV以外の進化も刺激的で気持ちが良い
もうひとつ、ブレーキングも絶品だ。まったく乱れなく速度を殺し、安定感を保ったままコーナーをトレースする。ブレーキには特に手を入れていないと言うから、これはひとえにボディ剛性アップや軽量化、ダンパーチューニングの賜物だろう。ハンドリングは小さな舵角か向きを変えていきながら路面のコンディションも伝えてくれる。とても好感が持てる味付けだ。

そして足元を支えている15インチタイヤもなかなか出来が良い。ブリヂストンと共同開発のオリジナルだそうだが、高速域でのコーナリングにも耐えるし、何より乗り心地がいい。16/17インチタイヤは現行型と同様で、これまではユーザーの約7割以上がこちらをチョイスしているという。とはいえタイヤ代が安い15インチは魅力的で、その15インチの性能が高まったことは喜ばしい。

次に17インチタイヤのセダンを試乗した。15インチと大まかな印象は変わらず、上質なドライブフィールだ。ただ、やはりタイヤが大きなぶんだけグリップ感は強まり、15インチの時よりもさらにリアが踏ん張って安定した挙動が続く。15インチでは、コーナーでオーバースピードだとアウト側にふくらむ場面もあったが、こちらはきわめて安定している。フロントが滑る予兆すらもなく、ガッシリとしていた。ただ、後席の乗り心地はさすがに少々硬く感じる。微振動が伝わり、高速域ではノイズも大きめになった。

比較のために、現行型のアクセラにも試乗してみた。こちらはアクセルを軽く踏んだだけで、ヒュンヒュンと軽快に盛り上がり、思っているより3割増しくらいで加速していく感覚だ。これはこれで楽しいし、こういうスポーティ感もありだが、繊細なペダル操作はしにくくステアリングも軽くて、自由度が高い反面コーナリング中の安心感は薄れる。

猿渡主査曰く、「プレマシーから始まった〝統一感〞という概念が、アクセラではさらに熟成されています。スカイアクティブテクノロジーの進化形としてはもちろんのこと、走りと燃費のベストバランスを実現しました。乗っていただくと、走りに妥協がないことはわかっていただけると思いますが、実は燃費に関しても、一切妥協していないんです。どうやっても、現時点ではこれよりいい燃費は出せない。そういうところまで作り込んでいます」とのこと。

世代的にはデミオと同じ4‐1排気系に留まっているが、その実力は期待以上のものだった。SKYACTIVテクノロジーがもたらす新しい世界観を、ハッキリと感じさせてくれた。

■マツダ アクセラスポーツ 20C-SKYACTIV 主要諸元
●全長×全幅×全高:4460×1755×1465mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1320kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1997cc
●最高出力:113kW(154ps)/6000rpm
●最大トルク:194Nm(19.8kgm)/4100rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・55L
●JC08モード燃費:17.2km/L
●タイヤサイズ:195/65R15
●当時の車両価格(税込):190万円

[ アルバム : マツダ アクセラ SKYACTIV はオリジナルサイトでご覧ください ]

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