Honda 0シリーズに搭載する予定の次世代技術を公開
10月4日、『Honda 0シリーズ』に搭載予定の次世代技術をメディアに公開する『Honda O Tech Meeting 2024』が開催された。
【画像】2030年までには7モデル投入予定のHonda 0シリーズ。画像はこちら 全77枚
主な内容は、四輪電動化戦略を支える技術開発進捗プレゼンテーション、0シリーズ開発車の試乗体験(量産車ベースの外装)、“Thin, Light, and Wise(薄く、軽く、賢く)”を実現する技術展示、生産設備見学、出席したエンジニアとのQ&Aセッションというもので、取材が朝から夕方まで及ぶほどコンテンツが充実していた。
新グローバルEVのHonda 0シリーズは、今年の1月9~12日(現地日時)にアメリカのネバダ州ラスベガスで開催された『CES 2024』にて『SALOON』と『SPACE-HUB』という2台のコンセプトモデルを発表。それ以来、独自のEV開発アプローチが注目されてきた。
改めて説明すると、Honda 0シリーズは “Thin, Light, and Wise”という新たなEV開発アプローチにより、ゼロからの発想で創り出すまったく新しいEVシリーズのことで、ホンダはこのタイミングを第2の創業と呼んでいる。ゼロは、原点や出発点という意味だ。
専用に開発したアーキテクチャーを軸に、共鳴を呼ぶ芸術的なデザイン、安全・安心のAD/ADAS、IoT・コネクテッドによる新たな空間価値、人車一体の操る喜び、高い電費性能という5つのコアバリューを提供していく。
原点に立ち返り、移動体を0から考え直すのがHonda 0シリーズの役割
Honda 0シリーズは遠い未来のクルマのような印象を受けるが、フラッグシップモデルのSALOONは、コンセプトにかなり近い形で2026年に市販予定であると発表された。2030年までに小型から中・大型モデルまでをグローバルで7モデル投入する計画となっている。
つまり、メディアに公開された次世代技術は、すぐそこにあるテクノロジーということで、プレゼンテーションやQ&Aセッションのみならず、試乗体験、技術展示、生産設備見学というコンテンツも『Honda O Tech Meeting 2024』に盛り込まれたのだ。
具体的に説明すると、Thinではホンダが大切にしてきたMM(マン・マキシマム、メカ・ミニマム)思想をEV時代に具現化し、低全高、ショートオーバーハングの独創的なデザインでありながらも居住性に優れた空間価値を実現。Lightではホンダのクルマづくりのこだわりである操る喜びを提供する軽快な走りと、世界トップクラスの電費性能の実現を目指している。
新開発EV専用プラットフォームには2.0GPa級ホットスタンプ材(超高張力鋼板)を採用し、薄く低全高なスタイリングと乗員の安全・安心を両立。薄型バッテリーパック、新開発の小型e-Axleの採用と合わせ、ホンダ独自の低床フロア技術により、 重量物を低く、車両の中心に配置することで低慣性も実現し、車両の挙動を安定させ、軽快な走りを提供する。
AD/ADASは運転中だけでなく自宅から目的地まで安全・安心でシームレスな人の移動を支援
バッテリーケースは、メガキャストと3D摩擦攪拌接合技術の採用によって薄型化を実現。衝突時加重分散ボディも採用し、バッテリー搭載可能面積を拡大している。
それらの次世代技術は、部品数を大きく削減できる6000トンクラスのメガキャストマシンの導入、軽く強度の高い素材の使用範囲を拡大可能としたCDC接合技術(世界初)、バッテリーパックの組み立てラインに生産効率と柔軟性を両立した新開発セル生産方式の採用といった生産技術の進化で実現した。
Wiseでは、これまで培ってきた知見と知能化技術の進化により、クルマそのものが賢くなる独自のSDVの実現を目指している。ビークルOSを搭載し、コネクテッド技術の進化と合わせてユーザー個々に最適化した知能化技術により、新しい移動体験を提供する。
車両の購入後もクルマの機能はOTAによって継続的にアップデートされ、より魅力的な商品へと進化していくのだ。
Wiseで目指しているのは、世界に先駆けて全域アイズオフを実現したAD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)、バイワイヤ・デバイスを統合とホンダ独自のロボティクス技術で培った制御などによる操る喜び、パワーユニットの高効率化によってEPAモードで300マイルの航続距離、知能化とデジタル技術の活用により、運転して使って繋がって楽しいを実現するデジタルUXだ。
新モデルは、来年1月開催のCES 2025で公開される予定。
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