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F1メカ解説|標高2200m! 空気密度が薄いメキシコシティでのグランプリに、各チームが持ち込んだ”冷却のための”アップデート

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F1メカ解説|標高2200m! 空気密度が薄いメキシコシティでのグランプリに、各チームが持ち込んだ”冷却のための”アップデート

 F1メキシコシティGPは、標高2200mの位置するメキシコの首都、メキシコシティにあるエルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台に行なわれる。

 標高が高いと当然空気密度が薄いため、通常以上の冷却性能が求められる。そのため各チームは今回のグランプリに、冷却性能向上を目指したアップデートを投入してきた。

■フェルスタッペン、メキシコシティGP初日は完璧な速さ。でも慢心なし「ロングランでタイヤをマネジメントするのは難しいからね」

 全23戦で組まれている2023年のF1開催カレンダーの中で、メキシコシティGPは最も標高の高いところでグランプリが行なわれる。海抜2200m……この標高ともなると、空気密度は海抜0%と比べて20%も低下する。そのため、空気の力を用いてマシンを押さえつけるダウンフォースを活用しにくくなる。それだけではなく、エンジンやブレーキ、その他マシンの重要な部分を冷却するための空気が少なくなることも意味する。今週末の気温は25度前後と例年よりも涼しいが、それでもほぼ全てのチームが、最も極端な冷却用パッケージを持ち込んできた。

 その一方で、純粋なパフォーマンスを上げるためのアップデートを持ち込んだチームは存在しない。

フェラーリ、大きなルーバーを備えたエンジンカバーを投入

 フェラーリは、通常よりも大きなルーバーを備えたエンジンカバーを投入した。しかし興味深いことに、メキシコシティGPの初日の段階では従来仕様のルーバーに戻して走行している。

 チームは今週末、もっと暑くなると予想していたようだ。しかしながら想定よりも気温は低くなっているため、冷却性能は十分だと判断。従来のエンジンカウルを装着している。しかし気温がもっと上がるようなことがあれば、大きな冷却用開口部を備えた新しいカウルを使うこともできる。

 フェラーリのシャルル・ルクレールは木曜日、チームが5位と6位という期待外れの結果に終わった昨年とは、異なるパッケージを持っていると語った。

「決勝でトラフィックに遭遇すると、必ず温度管理を行なわなければならなくなる」

 そうルクレールは言う。

「だから、レース中は難しいモノになるだろう。でも、昨年と比べれば、僕らはずっといい準備ができたと感じている」

アルピーヌはカウル後端の開口部を巨大化

 アルピーヌは、大きな冷却用のルーバーを備えたエンジンカウルを採用している。これは新パーツというわけではなく、すでにカタールGPで試されたものだ。また、カウル後端の開口部を巨大化し、空気の抜けを良くしている。

 マクラーレンはラジエターにより多くの空気を送り込むべく、エンジンカバーの形状を変更。またブレーキの冷却性能を高めるために、フロントのブレーキダクトも変更している。

サメのエラのようなルーバーがついたハースVF-23

 この他、レッドブルはカウルにルーバーを追加。アルファタウリとハースは、マクラーレンと同様のアップデートを備えた。ハースは、前回のアメリカGPで備えたエンジンカウルの側面にルーバーが開いたモデルを使っている。



 ウイリアムズはアルピーヌと同様に、リヤエンドの中央付近に開口部を備えたエンジンカウルを追加。必要に応じて、使うことができる選択肢の一環として、より極端なルーバーも準備されている。

 アルファロメオは新しいリヤブレーキダクトにこだわった。その一方でメルセデスとアストンマーチンは、完全な新パーツは投入していない。

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