新型フル電動SUV、BMW iX3誕生！ X3のEV版は「初」を満載し航続距離460kmを達成

BMW iX3

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BMWの量販モデルにフルEVを投入

BMWは2020年7月14日、5人乗りの新型ミドルSUV「iX3」を本国で発表した。iX3は第5世代の「BMW eDrive」をいち早く搭載するフルEVで、460kmの航続距離を実現している。

BMWのSUVファミリー「X」シリーズは、いまや同社販売車種の半数近くを占める大黒柱だ。なかでもX3は3シリーズや5シリーズに続くシェアを誇る量販モデルで、そこにフルEVを投入することは重要な意味を持つ。

X3はガソリンからEVまで多彩な原動力体制に

iX3の誕生により、X3はガソリン、ディーゼル、PHV、ピュアEVという4つの原動力を取り揃えるBMW初のモデルとなった。

iX3は電気モーター、パワーエレクトロニクス機構、トランスミッションを一体化し車両中央部に搭載。容量80kWhの高圧バッテリーを採用し、WLTPモードで最長460km、NEDCモードで最長520kmの航続距離を達成している。

最新電動パワートレインはiNEXTやi4にも順次搭載

搭載する電動ドライブシステムは、既存のBMWのEVモデルと比較して出力密度を30%向上。高圧バッテリーのセル毎の重量エネルギー密度は20%アップしている。最新の電気モーターとパワーエレクトロニクス機構、充電技術、高圧バッテリーは、2021年に登場予定のiNEXT及びi4にも順次展開していく計画だ。

バッテリーセルに用いるリチウム及びコバルトの調達に関しては、環境面と社会規範に十分配慮した上で基準を遵守しているという。また、電気モーターにレアアースを用いていない点も特徴となる。

0-100km/h加速6.8秒、最高速度は180km/h

主に後輪を駆動する電気モーターの最高出力は286hp、最大トルクは400Nm。0-100km/h加速は6.8秒で、最高速度は180km/hでリミッター制御される。参考までに、252hp／350Nmの2.0リッター直列4気筒ターボガソリンエンジンを搭載した「X3 30i」の0-100km/h加速は6.4秒である。

回生ブレーキの強度は3段階に切り替えが可能で、回生レベルを最も強めた場合、アクセルペダルのみで加減速をコントロールできるワンペダル走行が可能となる。

電子制御ダンパーを備えたアダプティブサスペンションは全車に標準搭載。スポーティな走りから長距離巡航まで、シチュエーションに合わせて乗り心地を最適化するという。

10分の充電で100kmを走行

最大150kWの急速充電（DC）に対応し、“カラ”の状態からわずか34分で80%までチャージすることが可能。WLTPモードで換算すると「10分の充電で100km走れる」計算となる。

荷室は通常時で510リットル、最大で1560リットル分の容量を確保している。ちなみにガソリンモデルは通常550リットル、最大1600リットルなので、積載ボリュームはほぼ同一レベルといえる。

自動車業界初採用となる空力ホイールも

また、足元には同社最新の「エアロダイナミック ホイール」を採用。ホイールのベース部分と精密に成型されたインサート（挿入パーツ）を組み合わせるユニークな構造により、ホイールアーチ周辺の気流を整えるとともに空気抵抗を低減している。iX3に装着するのは19インチサイズで、現行X3の装着するホイールに比較して空気抵抗を5%低減。従来の空力に配慮したデザインのホイールに比べても重量を15%軽量化することができたという。

同ホイールは使用材料の総量を抑えることで、ばね下重量の軽減にも貢献。ドライビング性能と環境性能の両方を向上した。アルミニウムをベースとした混合素材を用いるため、省資源化も実現している。樹脂とアルミ化粧パネルで構成したインサートを組み込んだ鋳造アルミホイールを採用するのは、自動車業界でBMWが初である。

iX3は中国・瀋陽の生産拠点「BMWブリリアンス・オートモーティブ・ジョイント・ベンチャー」で世界市場全体に向けて製造される最初のモデルとなる。市場への導入は2020年後半より中国からスタートし、順次世界中のマーケットで展開していくという。

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アリアは６１０キロだぞ！