現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「CVT」と一括りは失礼すぎた! 「リニアトロニック」「D-CVT」など名付けられるのが納得できる各社の特徴

ここから本文です

「CVT」と一括りは失礼すぎた! 「リニアトロニック」「D-CVT」など名付けられるのが納得できる各社の特徴

掲載 更新 45
「CVT」と一括りは失礼すぎた! 「リニアトロニック」「D-CVT」など名付けられるのが納得できる各社の特徴

 滑らかな回転フィールはDCTをも上まわる

 変速ショックがなく、なおかつエンジンの効率がよい領域を使うことができるCVT(Continuously Variable Transmission)、日本語では「無段変速機」と呼びますが、この変速機は国産車の多くに使われています。伝達効率においては遊星歯車などを使うステップATや2系統のギヤセットを持つDCT(デュアルクラッチトランスミッション)に劣るという評価もありますが、滑らかさという利点があって多く採用されています。また、車種に応じて異なるギヤセットを用意することなく、ひとつのユニットで幅広いモデルをカバーできるのもCVTのメリットといえます。

【ダイレクト感は希薄でスポーツモデルには不向き!!!】それでもスバルだけがCVTを幅広く採用するワケ

 そんな国産車に採用されるCVTには、日産の「エクストロニック」やスバルの「リニアトロニック」といった名前が付いていることがありますが、一対のプーリーを金属ベルト、もしくはチェーンでつなぎ、各プーリーの開き具合を変えることで変速比を無段階に変えていくという基本的な仕組みは変わりません。独自のネーミングは、メーカーのブランディングであってCVTの種類を示すものではないといっていいでしょう。

 最近ではトヨタの「ダイレクトシフトCVT」やダイハツの「D-CVT」のように、CVTが苦手とする領域をカバーすべくギヤセットを併用しているメカニズムも登場しています。なお、トヨタとダイハツのCVTは同じものに別の名前をつけているのではありません。ダイレクトシフトCVTは発進用のギヤを使うことでレシオカバレッジを広くするのがおもな狙い。D-CVTは高速域で使うギヤセットを持たせることで、伝達効率の苦手な領域をカバーするのが狙いとなっています。

 しかし、まったく異なる無段変速機構があります。それが「トロイダルCVT」というもので、四輪の量産車としては1999年に日産がセドリック/グロリアに搭載し、2002年にV35型スカイラインにも搭載した仕組みです。

 通常のCVTは前述のようにプーリーとベルト(チェーン)を使って無段変速を実現していますが、トロイダルCVTではふたつのディスク(入力側・出力側)とパワーローラーを組み合わせ、パワーローラーの角度を変えることで無段変速を実現しています。その基本的なアイディアが生まれたのは19世紀ですから、かなり歴史のある機構といえます。

 ベルト式CVTよりも大きなトルクに対応できるという可能性を持つトロイダルCVTですが、ディスクとローラー間でトルクを伝達するための薄い油膜(トラクションオイル)をキープすることや接触面の耐久性など、100年以上経ってもまだまだ課題が残っているのが実情で、そのために量産車の採用例が見られなくなっています。

 ただしベアリングなどで知られる大手サプライヤーNSK(日本精工)はトロイダルCVTに熱心で、モーターショーなどで意欲的に試作品を展示していることはマニアの間では知られていることでしょう。トロイダルCVTは、けっして諦められた技術ではありません。

 変わり種CVTはバイクにも採用されている

 プーリーを使わない無段変速機のアイデアで、実際に量産にこぎ着けたものはほかにもあります。それがホンダの大型二輪「DN-01」に採用された「油圧機械式無段変速機HFT(Human-Friendly Transmission)」です。

 その基本構造は、エンジンの動力を油圧に変換するオイルポンプと、その油圧を再度動力に変換して出力するオイルモーターというもので、なかなか理解するのは難しいのですが、ようはオイルを媒介に変速するシステムというわけです。さらに、HFTにはロックアップ(直結)機構もあり、これによって高速巡行時などの伝達効率を確保しているのも特徴といえます。

 ここまでが一般的に無段変速機といわれるものですが、「電気式CVT」と分類される仕組みも存在しています。これはトヨタ・プリウスやホンダ・フィット、日産ノートなど発電用モーターと駆動用モーターを有するハイブリッドカーの変速機構として名付けられたもので、実際にエンジントルクを伝達する構造ではありません。プーリー式CVTに例えると、入力側プーリーが発電用モーター、出力側プーリーが駆動モーターに相当、ベルトの代わりに電力によってふたつのモーターをつないでいると考えることで、ふたつのモーターがあたかも変速機構として振舞っているという考えから生まれた呼び方といえます。

こんな記事も読まれています

「“新型”スカイライン」登場はいつ!? 北米では「次期型」を示唆! 67年・13世代続いた「老舗ブランド」の刷新で「ニッサン復活」を目指せ!
「“新型”スカイライン」登場はいつ!? 北米では「次期型」を示唆! 67年・13世代続いた「老舗ブランド」の刷新で「ニッサン復活」を目指せ!
くるまのニュース
シンプルなデザインが光る新製品「RAPIDE-NEO 46works/ラパイド・ネオ 46ワークス」がアライヘルメットから12月下旬発売!
シンプルなデザインが光る新製品「RAPIDE-NEO 46works/ラパイド・ネオ 46ワークス」がアライヘルメットから12月下旬発売!
バイクブロス
「大人レゴ」にマンセルのウィリアムズF1マシン登場、価格は1万2480円
「大人レゴ」にマンセルのウィリアムズF1マシン登場、価格は1万2480円
レスポンス
[NAでFR]のロードスターと[ターボでFF]のスイフトスポーツを比べてみた
[NAでFR]のロードスターと[ターボでFF]のスイフトスポーツを比べてみた
ベストカーWeb
ペレス「マックスのすごさを実感した一年。ベストのマシンがないときでも卓越した仕事をし、チームの推進力となった」
ペレス「マックスのすごさを実感した一年。ベストのマシンがないときでも卓越した仕事をし、チームの推進力となった」
AUTOSPORT web
いすゞの「“4人乗り”和製スーパーカー」! 4.2リッター「V8」×MTの「MRマシン」に反響多数! 超カッコイイ「4200R」が「欲しい」「憧れる」と話題に
いすゞの「“4人乗り”和製スーパーカー」! 4.2リッター「V8」×MTの「MRマシン」に反響多数! 超カッコイイ「4200R」が「欲しい」「憧れる」と話題に
くるまのニュース
F1に導入されるドライバー冷却キットはどんなモノ? 初年度の2025年はクールスーツだけど……チームに独自開発許される
F1に導入されるドライバー冷却キットはどんなモノ? 初年度の2025年はクールスーツだけど……チームに独自開発許される
motorsport.com 日本版
クルマ、何に乗ってるの? 僕たちの愛車紹介 #16|日産 ステージア
クルマ、何に乗ってるの? 僕たちの愛車紹介 #16|日産 ステージア
くるくら
【社会人なら知っておくべきイマドキ知識】植物から燃料を作る「バイオ燃料」は3つの種類がある! 2つはもう実用化されていた
【社会人なら知っておくべきイマドキ知識】植物から燃料を作る「バイオ燃料」は3つの種類がある! 2つはもう実用化されていた
WEB CARTOP
438.7km/hでギネス認定、アスパーク『アウルSP600』が電動ハイパーカー世界最速に
438.7km/hでギネス認定、アスパーク『アウルSP600』が電動ハイパーカー世界最速に
レスポンス
【MotoGP】ホンダ、テストに新パーツなかったのはなぜ? 「プロトタイプをここに持ち込む意味はなかった」
【MotoGP】ホンダ、テストに新パーツなかったのはなぜ? 「プロトタイプをここに持ち込む意味はなかった」
motorsport.com 日本版
レクサス新型「“和製”スーパーカー」まもなく登場!? LFA後継機な「LF“R”」か!? 超ロングノーズ&迫力デザインの新モデル予想CGがスゴイ
レクサス新型「“和製”スーパーカー」まもなく登場!? LFA後継機な「LF“R”」か!? 超ロングノーズ&迫力デザインの新モデル予想CGがスゴイ
くるまのニュース
キャデラックの新F1チーム、アンドレッティとのつながり残る。マリオ・アンドレッティが非常勤の取締役に
キャデラックの新F1チーム、アンドレッティとのつながり残る。マリオ・アンドレッティが非常勤の取締役に
motorsport.com 日本版
“グーグルマップよりも使いやすい”って噂はホント!? トヨタが開発した完全無料のスマホ「カーナビアプリ」ってどんな感じ?   試してわかった実力とは
“グーグルマップよりも使いやすい”って噂はホント!? トヨタが開発した完全無料のスマホ「カーナビアプリ」ってどんな感じ? 試してわかった実力とは
VAGUE
一体どんな内容!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催したクシタニライダー台湾人スクールin桶川スポーツランド
一体どんな内容!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催したクシタニライダー台湾人スクールin桶川スポーツランド
バイクのニュース
限定車「ICON EDITION」をBonneville T100などモダンクラシックシリーズに設定!筆記体ロゴ復活!【トライアンフ】
限定車「ICON EDITION」をBonneville T100などモダンクラシックシリーズに設定!筆記体ロゴ復活!【トライアンフ】
モーサイ
「娘友達を乗せたらベルト未着用で捕まりました。ママ達は笑うだけで謝りません。不快です」投稿に回答殺到!?「感じ悪い」「でも貴女は命を預かってる」大激論に…悪いのは誰なのか
「娘友達を乗せたらベルト未着用で捕まりました。ママ達は笑うだけで謝りません。不快です」投稿に回答殺到!?「感じ悪い」「でも貴女は命を預かってる」大激論に…悪いのは誰なのか
くるまのニュース
4連覇のフェルスタッペン、レッドブルだから今年は22戦もかかった? 「マクラーレンならもっと早くできたかも」
4連覇のフェルスタッペン、レッドブルだから今年は22戦もかかった? 「マクラーレンならもっと早くできたかも」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

45件
  • 軽自動車に限っていえば最高のトランスミッション。

    DCTも多段ATも軽自動車には搭載すらできないからなw
  • 出だしの遅さと低速での細かいコントロールが効かなくてストレスすごいミッション。
    軽自動車には最高の相性だとは思うが普通車には使ってほしくないかな。CVTってだけで買いたくなくなる。
    好みの問題だから別にCVTがいいって人はそれはそれで構わないと思う。あくまで自分は所有したくないだけだから、他人のチョイスはどうでもいい。
    良くはなって来てるけどたぶん自分は絶対好きになれない。滑らかさは確かにメリット。でもそれだけ。
    マツダ嫌いだけど、いまだに6速ミッションとかここだけは自分は誉めたい。
    今時多段じゃないと批判もあるけど、6速じゃなきゃ楽しめない。だって多段は多段でクソだし...結局燃費ばかりのミッション。

    というか今の燃費ばかりの設計の乗り味が本当に嫌い。これほんとなんとかならないものか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村