現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【昭和の名車 157】三菱 ミニカエコノはターボを装着して人気も性能も高めた

ここから本文です

【昭和の名車 157】三菱 ミニカエコノはターボを装着して人気も性能も高めた

掲載 更新 1
【昭和の名車 157】三菱 ミニカエコノはターボを装着して人気も性能も高めた

昭和は遠くなりにけり・・・か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「三菱 ミニカエコノ ターボ」だ。

三菱 ミニカエコノ ターボ(H11V型):昭和59年(1984年)2月発売
誕生以来FRにこだわってきたミニカ(先代はミニカアミ55とミニカエコノ)だが、スズキ アルトの爆発的ヒットに触発される形でFF化に踏み切ったのは1984年(昭和59年)のことだった。呼称も5ナンバー登録車はミニカに戻り、4ナンバー登録車はミニカエコノを継承するなど、メーカーの販売戦略に迷いが見られる船出となった。

【くるま問答】アイドリングストップ機能はよいことばかりではない。OFFスイッチはいつ使う?

とはいえ先代は1983年3月に軽自動車初のターボエンジンを搭載したミニカアミLターボとミニカエコノターボを発売。三菱スポーツ軽の中軸となると同時に、後の軽自動車のパワーアップ競争に火を付けたモデルとなった。

FFになったとはいえ新型ミニカ/エコノにもターボ仕様は継承されている。中でも税制上優遇されているエコノターボの注目度は高く、ミニカのターボと言えばエコノターボを指すほどの人気モデルとなった。

エンジンは先代のG23B型 直2 SOHCターボ(愛称バルカン)を横置きに改良したバルカンII(546cc)だが、新型への搭載にあたりターボユニットをタービン径34mmのTD02から37mmのTD025水冷ターボに変更している。

さらに軽自動車初のインタークーラーを採用。ターボの最大過給圧は450mmHgだが、過給圧270mmHgに達するとインタークーラー冷却用電動ファンが作動し、高負荷領域の効率を高める機能を備えている。充填効率が高まった分、圧縮比を9.0から8.5に落としながら当時の軽自動車最強の42psをしぼり出していた。

ハイパワーであるだけでなく、三菱得意のサイレントシャフトや、独特の歯型形状を持つタイミングベルト、慣性主軸方式のエンジンマウント採用などで、振動低減・静粛性向上を実現したのもポイントの一つだ。

これに新開発の5速MTを組み合わせた動力性能は、モーターマガジン誌の計測で最高速度は121.11km/h、0→400m加速は19.14秒、0→100km/h加速は21.03秒をマーク。2気筒ターボとしては文句なしの高性能を発揮した。1987年にはエンジンを548ccの直3 SOHCの3G81型サイクロンに換装。ターボ仕様は50ps/6.7kgmを発生し、一段と高速性能に磨きをかけることになる。

サスペンションは前:ストラット/後:3リンク式トーションアクスルを採用。リアはギャランシグマにも採用され、左右トレーリングアームによる前後剛性とラテラルロッドによる横剛性を独立して設定できるため、優れた乗り心地が得られると好評の形式だ。さらにターボモデルにはフロントディスクブレーキや145/70SR12タイヤを標準装備。これも走りの良さをバックアップした。

「広さを主張することから始まった」というボディは、ロングホイールベース/トールキャビン/ショートノーズが徹底され、キャビン長が全長の4分の3を占める最新スモールカープロポーションでまとめられた。空力特性もCd=0.42(従来型は0.45)を実現。CLも0.08(従来型は0.11)を達成し、高速直進安定性の向上に寄与している。

また、日常での使い勝手を重視する三菱車らしさは、2260mmのロングホイールベースを持ちながら最小回転半径を4.2mに抑えたことに現れていた。さらにエコノは幅1165mmのジャンボドアを採用したり、4名乗車時216L、2名乗車時376L(ISO方式)の大容量ラゲッジスペースを確保するなど、細かい配慮が行き届いている。



三菱 ミニカエコノ ターボG 主要諸元
●全長×全幅×全高:3195×1395×1430mm
●ホイールベース:2260mm
●重量:560kg
●エンジン型式・種類:G23B型・直2 SOHCターボ
●排気量:546cc
●最高出力:42ps/6000rpm
●最大トルク:5.8kgm/3500rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:145/70SR12
●価格:73万円

[ アルバム : ミニカエコノ ターボ はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
レスポンス
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
くるくら
レッドブル離脱のニューウェイはどこへ行く……アロンソとホンダが待つアストンマーティン? それともハミルトン加入のフェラーリ?
レッドブル離脱のニューウェイはどこへ行く……アロンソとホンダが待つアストンマーティン? それともハミルトン加入のフェラーリ?
motorsport.com 日本版
「背の低いマツダ」ついに出た! 新「マツダ6」じゃないよ「EZ-6」中国で発表 “電動専用車”に
「背の低いマツダ」ついに出た! 新「マツダ6」じゃないよ「EZ-6」中国で発表 “電動専用車”に
乗りものニュース
マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか
マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか
くるまのニュース
SHOEI「GT-Air 3 SCENARIO」 “REALM”に続くグラフィックモデル登場
SHOEI「GT-Air 3 SCENARIO」 “REALM”に続くグラフィックモデル登場
バイクのニュース
フィアット500/500C、新グレード「ドルチェヴィータ」追加、ブルーカラーの限定車も発売
フィアット500/500C、新グレード「ドルチェヴィータ」追加、ブルーカラーの限定車も発売
レスポンス
ミツビシが新SUV時代を迎えるSCBに電撃復帰。ランサー以来の『エクリプスクロス』でトヨタ、シボレーに挑む
ミツビシが新SUV時代を迎えるSCBに電撃復帰。ランサー以来の『エクリプスクロス』でトヨタ、シボレーに挑む
AUTOSPORT web
ベントレーが家具の新コレクション発表「ミラノデザインウィーク2024」に出展して存在感をアピール
ベントレーが家具の新コレクション発表「ミラノデザインウィーク2024」に出展して存在感をアピール
Auto Messe Web
新ブランド「N」のバッジは半端じゃない! ヒョンデが持ち込んだ「IONIQ5 N」はサーキットも全開で走れる異次元のEVだった【動画】
新ブランド「N」のバッジは半端じゃない! ヒョンデが持ち込んだ「IONIQ5 N」はサーキットも全開で走れる異次元のEVだった【動画】
WEB CARTOP
【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義(2)】「SV」を冠するレンジローバースポーツには、たぶん敵わない
【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義(2)】「SV」を冠するレンジローバースポーツには、たぶん敵わない
Webモーターマガジン
三菱自、ルノー・キャプチャーベースの欧州向けSUV「ASX」を大幅改良
三菱自、ルノー・キャプチャーベースの欧州向けSUV「ASX」を大幅改良
日刊自動車新聞
MotoGPスペインFP1|母国戦のマルケス兄弟がワンツー体制でスタート! 弟アレックスが好調トップタイム
MotoGPスペインFP1|母国戦のマルケス兄弟がワンツー体制でスタート! 弟アレックスが好調トップタイム
motorsport.com 日本版
いすゞとUDトラックスが「ジャパントラックショー2024」に共同ブースを出展! いすゞグループの商品やソリューションを展示
いすゞとUDトラックスが「ジャパントラックショー2024」に共同ブースを出展! いすゞグループの商品やソリューションを展示
くるまのニュース
ホンダ・ヴェゼルがマイナーチェンジ。内外装を見直し、アウトドアテイストの新グレードを追加
ホンダ・ヴェゼルがマイナーチェンジ。内外装を見直し、アウトドアテイストの新グレードを追加
AUTOSPORT web
カワサキ、SBKワークス活動は終了「レース成功への情熱は今も変わらない。両メーカーのファンに活気を与えられると願う」と伊藤浩社長
カワサキ、SBKワークス活動は終了「レース成功への情熱は今も変わらない。両メーカーのファンに活気を与えられると願う」と伊藤浩社長
AUTOSPORT web
VW『ポロGTI』25周年、記念の限定車を日本で227台販売
VW『ポロGTI』25周年、記念の限定車を日本で227台販売
レスポンス
映画で見る「パトカーの体当たり」はガチで行われていた! 日本とは全然違うアメリカ警察の装備や行動
映画で見る「パトカーの体当たり」はガチで行われていた! 日本とは全然違うアメリカ警察の装備や行動
WEB CARTOP

みんなのコメント

1件
  • この次の世代も角角路線なデザインだったら、ダンガン買ったかもしれなかった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村