天浜線『KATANA ラッピング列車』がユーロ5に適合?! より大胆な新色にリニューアル!
GSX-S1000をベースに’19年にリリースされたスズキ・カタナが、令和2年排ガス規制の適合に伴い電子制御系をアップデートした。新たに電スロを導入し、出力特性を3種類から選べるSDMSを初採用。厳しい排ガス規制をクリアしつつ最高出力は2ps増の150psへ。クイックシフターの採用にも注目。
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:松井愼 ●外部リンク:スズキ
‘22 スズキ カタナ 概要
―― 【SUZUKI KATANA】■全長2130 全高1100 軸距1460 シート高825(各mm)車重215kg■水冷4スト4気筒DOHC4バルブ 998cc 150ps/11000rpm 10.7kg-m/9250rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量12L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク■タイヤF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ●色:銀 マット紺 ●価格:160万6000円
―― 【吸排気系の見直しによって扱いやすい出力特性を獲得】ベースとなったGSX-S1000と同様のマイナーチェンジを実施したカタナ。排気系は膨張室を変更して触媒を2ステージ化し、SET(スズキエキゾーストチューニング)の配置換えを実施。吸気系ではセパレーターを省略している。結果、ムラのないフラットな出力特性に。
―― 【ライディングポジション】GSX-S1000よりも座面は15mm高く、ハンドル位置も上にあるので、アップライトかつ膝の曲がりも緩やか。[身長:175cm/体重:62kg]
[◯] ドン突きが解消されてさらに扱いやすく進化
コンセプト的に好敵手となるカワサキのZ900RSとは販売台数においてやや開きはあるものの、存在感では一歩も引けを取らないスズキ カタナ。往年のGSX1100Sに憧れて限定解除を決意した人間からすると「セパレートハンドルで登場してくれていれば…」などと思わなくもないが、ビッグネイキッドとしての完成度は高く、サーキットでも存分に楽しめる点は大いに評価する。
そんなカタナが、ベースとなったGSX‐S1000と同様のマイナーチェンジを実施した。新排ガス規制に適合するとともに、SIRS(スズキインテリジェントライドシステム)と呼ばれる高機能なシステムを新たに搭載した。電子制御スロットルや3種類の走行モード、双方向クイックシフターが新採用されたほか、トラクションコントロールは3段階+オフから5段階+オフへと介入レベルが細かく選べるようになった。このSIRSの導入によって最も進化したのはスロットルレスポンスだ。A/B/Cの各走行モードにおいて最高出力150psはいずれも変わらず、レスポンスのみが変化する。先代はスロットルの開け始めで過敏に反応する傾向にあったが、新型は最も元気のいいAモードでもドン突きは皆無。よって、より扱いやすくなったと言えよう。
2ps増加した998ccの水冷並列4気筒は、低回転域からシルキーかつトルクフル。変速ショックの少なさではトップクラスと断言できるクイックシフターとの相乗効果で、上質さがより高まっている。なお、未舗装路でトラクションコントロールを試してみたところ、リヤタイヤがほとんど空転しない介入レベル5に対し、レベル1は断続的に空転しつつもしっかり前へ進むことを確認。これは安心だ。
ハンドリングは、スポーティかつ積極的に旋回力を引き出せるという本質はそのままに、エンジンのドン突きが解消されたことでさらに扱いやすくなった。ブレーキはフロントにブレンボのラジアルマウントキャリパーを採用するが、初期から強力に利くタイプではなくコントロール性を重視したもの。これも扱いやすいハンドリングの一部であり、ネイキッドとしての総合性能は高い。
―― 【2psアップで150psを達成。クイックシフター新採用】998ccの水冷直列4気筒は最高出力を148→150psへ。ローRPMアシストとスズキイージースタートシステムを引き続き採用しつつ、クイックシフターを初導入。 [写真タップで拡大]
―― 【豪華な足回りは継続。ホイールは色付きに】KYB製φ43mm倒立式フォークはフルアジャスタブル。スイングアームはGSX-R1000(L2~5)譲りで、リヤショックは7段階のプリロードと伸び側減衰力が調整可能だ。フロントキャリパーはブレンボのラジアルマウント、リヤはニッシン。前後ホイールはTPRアルテック製で、標準装着タイヤにはダンロップのロードスポーツ2を引き続き採用している。 [写真タップで拡大]
―― 【灯火類はオールLEDでカタナらしさを演出】ヘッドライトは上下2段で、上がロービーム、その左右下方にポジションランプを配置する。テールランプは非常にコンパクトだが、被視認性は優秀だ。 [写真タップで拡大]
―― 【ケーブルが省略されすっきりした外観に】GSX-S1000と同様に’22年モデルで電子制御スロットルを採用。ケーブルが省略されたことで外観がスマートに。A/B/Cの3種類から走行モードを選べるSDMSも新採用。 [写真タップで拡大]
―― ラップタイマーやシフトアップインジケーターも備える多機能メーター。周囲が暗くなるとバックライトはアンバー、明るい場所ではホワイトに切り替わる。 [写真タップで拡大]
―― 【コンセプトモデルを忠実に再現した外装】’17年のEICMAに展示されたカタナ3.0というコンセプトモデルを忠実に再現した結果、燃料タンク容量は12Lとコンパクトになった(GSX-S1000は19L)。 [写真タップで拡大]
―― タンク容量を割り切るのと同じく、シート下の車載工具もヘキサゴンレンチとスパナのみに。スタイリング最優先の潔さも令和カタナの魅力だろう。 [写真タップで拡大]
―― スズキとしては初採用となるスイングアームマウントのリヤフェンダー。ここにナンバーを装着するのは同社の国内ラインナップではカタナのみとなる。 [写真タップで拡大]
◆昭和に誕生した伝統の刀ロゴが令和に蘇る
―― 初代GSX1100Sから受け継がれてきた刀のロゴが随所に。液晶メーターのオープニング画面で数秒だけ現れるという粋な演出も。 [写真タップで拡大]
[△] 燃費ダウンによって航続距離さらに短く
車両価格6万6000円アップは想定の範囲内。WMTCモードでの燃費が13%ダウンしており、先代から指摘されていた航続距離の短さがさらに際立ちそう。とはいえ、このスタイリングに惚れて購入する人にとっては“あばたもえくぼ”だろう。
[こんな人におすすめ] カタナらしさをそのままに進化。買うなら新型だ
クルーズコントロールやETC2.0車載器を装備するGSX-S1000GTよりも1万1000円高いが、カタナが欲しい人はおそらくGTを比較対象とはしないはずだ。先代のドン突きをネックに感じていたので、買おうと思っている人には新型を強くお薦めする。
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みんなのコメント
カタナはもっと斬新なデザインにした方が良かったかも?
初代に引っ張られ過ぎたかも??
GSXR1000のK型シリーズは サブタンクが上部の取り付け穴より上にあるため取り付け出来ませんが、GSXR1000のLシリーズは サブタンクが上部の取り付け穴より下に付いているだめ 取り付け可能です。