故障リスクは否定できないけれど……それでも手に入れたい高性能輸入車6選
中古車の購入は新車とは違い、多かれ少なかれリスクはある。それも輸入車でさらに高性能車となると、購入の際には注意が必要だ。ただし例外として、前オーナーをよく知っている場合や、信頼できるショップ、輸入車の達人が一緒にクルマ探しをしてくれるのであれば話は別だが、それでもリスクゼロというワケにはいかない。とは言え、憧れのクルマがこんな価格で! という夢を見るのは誰にでも楽しいものだ。そこで300万円の予算で程度が良く、しかも高性能モデルを買えたらハッピー! そんな中古市場で狙い目のリーズナブルな輸入ハイパフォーマンスカーを紹介したい。
日本車じゃありえないトラブルも多発! 元中古輸入車情報誌の編集長が後悔した「失敗」輸入車5選
ポルシェのミッドシップオープンがMTで楽しめる!
「ポルシェ・ボクスター/986型」
まず最初は、986型の初代ポルシェ・ボクスター。1996年に発売されたオープンカーのボクスターは、ポルシェが経営に問題を抱えていたこともあって996型911と多くの部品を共通化し、ミッドシップの2シーターとして登場した。ポルシェのFRモデルである968の後継モデルとういう立ち位置ではあるが、ミッドシップでオープンの走りはやはり魅力が満載。
そんな初代ボクスターは、予算300万円なら比較的上質なモデルが手に入る。過走行車でティプトロ(AT)だったら100万円以下の個体も見つかるが、さすがにリスクが高く、購入したあとに費用がかさむことだろう。ただし予算300万円を見ておけば、ボクスターSのMTでしかも走行距離も5~8万キロ程度の個体が選び放題だ。
スポーティな走りが自慢のポルシェ入魂の高級サルーン
「ポルシェ・パナメーラ/970型」
初代ボクスターと同様に初代パナメーラ(970型)もお買い得だ。2009年にデビューしたパナメーラは、ポルシェとして素晴らしい性能を誇りながら、スタイリングも魅力的な5ドアのファストバックセダンである。だが、人気がイマイチなのは同門のカイエンやマカンといったSUV勢に押されているのも、理由のひとつと言えるだろう。
とはいえ911やSUV勢に対してややマイナーな存在というだけであって、中古車市場には300万円以下のモデルが多くはないが存在する。もちろん走行距離10万キロオーバーの個体が中心となるが、購入したクルマのコンディション次第では、最初にしっかりメンテナンスしておきたい。ポルシェは輸入車のなかでも正規ディーラーの整備金額がトップクラスと言われるだけに、コストを少しでも抑えたいのなら整備は歴史と実績がある専門店にお願いする方が良いだろう。
アメ車らしいHEMIエンジンの鬼トルクを体感できる!
「初代&2代目クライスラー300C SRT8 HEMI」
隠れた注目モデルがクライスラーの300C SRT8 HEMIだ。初代モデルは、2004年にダイムラーとクライスラーの合併時代に登場。メルセデス・ベンツEクラス(W210型)をベースにした300C(アメリカ名は300)は、ドイツ車ベースのアメ車という異色の存在であった。そこに伝統の半球型燃焼室をもつヘミヘッドの6.1L V8エンジン(最高出力431ps/最大トルク58.0kg-m)+5速ATを搭載し、最新のドイツシャーシとの組み合わせはオールドファンを喜ばせた。
初代モデルは、2004年デビューゆえに100万円~150万円程度の個体もあるが、2011年にデビューした現行モデルの300 SRT8でも300万円以下で狙うことができる。つまり激安モデルを買ってコツコツ直しながら乗るのもいいし、300万円の予算で程度の良いモデルを見つけるのもアリだ。日本ではアメ車の4ドアセダンは不人気なので、意外な掘り出し物が見つけられるかもしれない。もちろん4速ATとなるが3.5L V6モデルもお買い得だ。
ハイパワーを発揮する2Lターボ&AWDの走りが堪能できる
「メルセデスAMG A45 4MATIC/W176型」
メルセデスAMGが誇る、ホットなコンパクトハッチとして登場したA45も見逃せない。2012年登場の3代目Aクラス(W176型)をベースに、AMGがチューニングしたパフォーマンスモデルは新車時発売価格が720万円~であったが、それが300万円の予算で狙うことができる。直4DOHC 2L直噴ターボは最高出力360psを発生。AMGスピードシフト(DCT)もあいまって、サーキット走行も楽しむことができる。また、エンジン始動時のブリッピングなど本気を感じさせるモデルだ。
本来はメルセデス・ベンツのなかでも安価なはずのAクラスであるが、このA45は700万円オーバーの価格もあり、販売台数こそ少ないが4MATIC(4WD)の力強い走りが堪能できる。ただし、DCTのリコールをはじめとしたトラブルは決して少なくはないので、しっかり情報収集してそれらの対策の有無を確認しながらベストな車両を探すことがマストになる。
5代目後期型なら型落ち感もなくリスク回避もできる
「アウディS4/B7型」
アウディのミドルサイズサルーンであるA4のハイパフォーマンスモデルとなるS4も、300万円で手に入れることが可能だ。4.2L V8搭載の4代目S4(B7型)も魅力的だが、2005年発売なのでさすがにリスクが高すぎる。5代目前期(B8型)も年式のわりに格安だが、さらに高年式の5代目後期(B8型)モデルであっても300万円以下の個体が流通しているのでお買い得なモデルだ。
排気量は3.0L(ターボ)なので自動車税は少し高くなるが、記録簿で交換部品をチェックしておけば、その後の出費を減らせる可能性は高い。同じグループであるフォルクスワーゲンまで含めると専門店も多いので、購入する場合は気になる個体を在庫している中古車店で探すのではなくて、アウディやVW専門店で「価格・年式・程度」を伝えたうえで、適切なアドバイスのもと購入するのが賢い手段だ。
エンジン屋のBMW渾身のV10&V8ターボが堪能できる
「BMW M5/E60型・F07型」
ドイツ勢ならやはりBMWのMモデルだが、日本にATしかない5代目M5(E60型)や6代目M5(F10型)はハイパフォーマンスモデルとしてはとてもリーズナブルだ。これらは5L V10や、4.4L V8ターボが搭載されることから、まず税金が高いし壊れた場合には修理費用がいくらかかるのかわらないことから、中古車価格が下落しているのだろう。ただし、当たりを引けば300万円以下で購入することができ、E60型ではF1直系のテクノロジーも採用されており、そんなM5の走りがリーズナブルに味わえるのは至福と言える。
元々、BMW M5の新車価格1300~1900万円といった高価格帯のモデルとなるだけに、ひとつのトラブルでも部品代も高額になるし、そこへ工賃も含めると修理にかかる費用は安くないことは想像に難くない。ただし、一度でもM5を所有してその走りを体感すれば、クルマ好きには何物にも代えがたい経験になるはずだ。
まとめ:絶滅不可避の高性能エンジンを味わい尽くすなら今がラストチャンスか!?
今後はHEV(ハイブリッド)やPHEV(プラグイン・ハイブリッド)が主流になるのは間違いがなく、そうなれば高性能なエンジン車がさらに高騰することになるだろう。今回紹介したモデルたちも価格高騰は否めないし、そうなる可能性は高い。しかし投機を期待するのは無理だろうが、いま買える人は短期間でもいいから所有して走りを味わい尽くしておくのもアリだ。
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みんなのコメント
故障したら直さないこと前提でしょう。
ハイパワーほど寿命が短く維持費がかかる。
だから好きな人はメンテまで考えるから
中古の場合はいいのを選ぶ。
最初の価格につられる人をカモの商売する車屋に
騙されない様にね。
記録と知識がない人はこんな古いのに手を出しちゃダメ🙅♂️