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スバル「WRX S4」ベースの新型ラリーマシンとは? 関係者へのインタビューで見えてきた本気のスバルに期待しましょう!

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スバル「WRX S4」ベースの新型ラリーマシンとは? 関係者へのインタビューで見えてきた本気のスバルに期待しましょう!

ニュルブルクリンクマシンの知見を生かして開発

 SUBARUと同社のモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)は、2023年1月13日から15日までの3日間、千葉市幕張メッセで開催された東京オートサロン2023にてプレスカンファレンスを実施し、2023年モータースポーツ活動計画を発表しました。その中で全日本ラリー選手権の2023年シーズンに、WRX S4をベースにした新型マシンを投入することを公表しています。

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 参戦するクラスは、全日本ラリーのトップカテゴリーであるJN1クラス、ドライバーは2022年同様、新井敏弘選手と鎌田卓麻選手の2名を起用。今シーズンは、チーム運営サポートに加え、車両開発サポートも行い、2人とともにスバルラリーチャレンジチームとして新たな体制で参戦することを明らかにしました。

 新型マシンの導入について、プレスカンファレンス内でSTIの平岡泰雄社長は次のようにコメントしました。

「スバルグローバルプラットフォームによるベース車での高いポテンシャルに加え、レギュレーション改定により、これまで以上の軽量化も可能となるため、強いスバルのラリーをもう一度お見せできると信じております」

 オートサロン会場内では、SUBARUモータースポーツプロジェクト主査の島村 誠氏とSTIのプロジェクトチームゼネラルマネージャーの篠田 淳氏、そしてドライバーの新井敏弘選手にお話を聞くことができました。

市販パーツをレースにも投入することで性能の高さを実証したい

 まずはSTIの篠田氏に新型マシンについてお聞きしました。

「レギュレーション改定により市販車改造車両から、いわゆるレーシングマシンでラリーを走れることになるので、打倒シュコダ・ファビアR5やヤリスなどとのガチンコ勝負ができる、本気モードのマシン作りがコンセプトといえばコンセプトです。このWRX S4の持っている運動性能を100%、もしくは100%以上引き出せるかを狙ってマシンの作り込みをしています」

 力強いコメントから、スバルの新型マシンへの意気込みが感じられます。新型マシンのこだわりポイントは? の問いに対して次のように答えてくれました。

「STIのパーツ開発にも役立ててもらおうと思っていて、フレキシブルタワーバーやフレキシブルドローステフィナー(リア)などは、市販パーツをそのまま装着する予定です。われわれはヤワなものを作っているつもりは全くないのですが、やはりレースで使われるパーツと市販パーツはモノが違うのでしょうと考えられているファンの方々が多いと思うのです。

 ですがじつはもうニュルブルクリンクの車両に市販パーツを装着したこともありますし、皆さまに使っていただくパーツがきちんとしたモノだよと、もっと知っていただきたいと思っています。そういった点で市販パーツをそのまま装着し、その性能の高さを実証したいと考えています。このフレキシブルタワーバーとフレキシブルドロースティフナーにはぜひ注目していただきたいです」

 レース車両と同じものを愛車に装着できる喜びはファンの方々にとって計り知れないものでしょう。いつでもファンファーストな考えをもってパーツ開発を行っているからこそ、コアなファンがついてきてくれるのだなと感じました。

軽量化でポテンシャルの最大化を図る

 次にお話を聞いたのは島村氏。島村氏には新型マシンの開発ポイントを伺いました。

「軽量化やサスペンション、ブレーキなどに力を入れていきたいと思っています。レギュレーションが変わることにより、サスペンションのストロークをこれまでより動かせるようにできるので、今まで乗り越えられなかったコース内の穴などもそのまま走り抜けられるようになると思います。

 軽量化については、クルマの重心から離れたところ、S4でいうと下から500mmくらいのところですが、それよりも上の部分のドアやガラス、ルーフなどルールで認められているところはすべて材料を変えて軽量化していきます。ガラスは意外と重いので、ニュルブルクリンクマシンのようにポリカーボネートという素材を使用して、フロントガラス以外のガラスをこの材料で作ります。そうすることで、マイナス15kg程度の軽量化が可能です」

 また新体制のチーム運営に関しては、よりチームとしての結束力の強さを感じ取れました。

「ドライバー2人をプライベートで応援してあげるレベルのサポートをしていきたいです。スバルラリーチャレンジというワンチームで力を合わせて頑張るという姿勢です」

早いタイミングで新型マシンを投入してほしい

 最後に、新井敏弘選手に新型マシンの印象と2023年の抱負をお聞きしました。

「ボディはWRX STIより剛性がアップしているので期待はあります。ニュルブルクリンクマシンですでにFA24型エンジンの良さは聞いており、EJ20型エンジンに負けないくらいのパワーが出るようなので、その点にも期待しています。ノーマル車両で一度テストしているのですが、よく曲がるしボディ剛性がしっかりしているので良いような気がしています。2023年シーズンは、早く新型マシンが投入されることを願っています。マシンが投入されてどんどん煮詰めていけば多分トップ争いもできると思いますし、いつこのクルマが投入されるかで成績も大きく変わってくるでしょう。全体的に新しいマシンには期待しています」

 新井選手の新型マシンへの期待度はかなり高いようです。

 新型マシンの投入は2023年シーズン途中を予定しており、現在車両の開発を進めている段階です。FA24型2.4リッター直噴ターボエンジンはモータースポーツのパワーユニットとしての採用は2023年が初となるので、今後は踏み始めのレスポンスアップやトルクとパワーのバランスのセットアップなど、先に完成しているニュルブルクリンクマシンの知見を生かして開発していくそうです。スバルグローバルプラットフォームとの組み合わせも気になるところ。マシンの完成が待ち遠しいですね!

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