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【スズキ最強SUVはPHEV】スズキ・アクロスへ英国試乗 トヨタRAV4のOEM 306ps

掲載 更新 10
【スズキ最強SUVはPHEV】スズキ・アクロスへ英国試乗 トヨタRAV4のOEM 306ps

306psのスズキ・ブランド最強モデル

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)

【画像】アクロスとRAV4を比較 ライバルも 全102枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


スズキの英国ラインナップは、急速に電動化が進められている。スズキ・ジムニーを除いて。スイフトにビターラ(エスクード) 、SX4 Sクロスが相次いでマイルド・ハイブリッド化された。

そんなスズキの最上級モデルとなるのが、新登場のアクロス。といっても、生粋のスズキ生まれではない。トヨタとの資本提携によって誕生した、バッジエンジニアリング・モデルだ。

アグレッシブさが控えめになったフロントマスクや、専用のホイール、エンブレムを除いて、基本的にはトヨタRAV4と中身は同じ。興味深いことに、欧州ではRAV4のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)版の発売はまだなのに、アクロスは四輪駆動のPHEVとなっている。

エンジンは2.5Lの175psを発揮する4気筒ガソリン。フロントに182ps、リアに54psの、2基の電気モーターが組み合わされる。その結果、システム総合での最高出力は306psに達し、スズキの量産モデルとしては最もパワフル。0-100km/h加速も6.0秒でこなす。

1度の充電で走行できるEVモードでの距離は74km、平均のCO2排出量は22g/kmに留めている。燃費は、99.8km/Lと優秀。シトロエンC5エアクロス・ハイブリッドや三菱アウトランダーPHEVなどより、英国では現物給付税で有利となる。

ただし、英国での価格は4万5999ポンド(620万円)と安くはない。トリムグレードに選択肢はなく、値段でいえばセグメントの最上段に加わる。

ボディもインテリアも、トヨタRAV4と相似

アクロスは、RAV4を見たことのある人なら、既視感が強い。基本的にインテリアはRAV4のまま。ハイブリッド専用の表示モードが加わった、9.0インチのインフォテインメント用タッチモニターも、ゴツいシフトノブもトヨタと同じ。スイッチ類の配置も。

RAV4の登場から2年が経過するが、直線基調の個性的なスタイリングは駐車場での存在感が今でも強い。それは、スズキのエンブレムを付けていても変わらない。

フロントグリルは、ジムニーやイグニスとの親戚関係を匂わせる。一方で折り目がきっちりとついたデザインは、スズキ流のアプローチとは異なる。

インテリアは、1万ポンド(135万円)ほど安いPHEV版ではないRAV4と同等。全体的に暗い色調のダッシュボードの雰囲気も、ベース車と違いはない。

プジョー3008やボルボXC40のPHEV版など、デザインに意識が払われたモデルと比較すると、もう少し専用の仕立てがあっても良いと感じてしまう。華やかなクロームメッキも欲しい。

視覚的な印象を別とすれば、車内の居心地は良い。レザーシートはサポート性も高く、長距離運転でも快適。操作系も直感的なレイアウトにまとまっていて、質感も高い。Cピラーは太いが、全方向で視認性も良好だ。

インフォテインメント・システムは、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに標準対応。基本的にシステムはトヨタからのお下がり。充電スポットの情報が追加されているものの、目新しさがあるわけではない。

スペック以上に滑らかで力強い

ドライブモードの1つに、バッテリー充電モードがある。走行時に電気モーターを使わず、減速時などの回生ブレーキで18.1kWhのバッテリーを充電してくれる。自宅に充電器を設置せずとも、電気を蓄えることは可能だ。

ただし、毎日の通勤でEVモードを利用したり、週末の遠出をエンジンに極力頼らずに楽しむなら、自宅での充電は不可欠。最短2.5時間で満充電にできる。

アクロスPHEVの電動パワートレインは、運転時のバランスを考えると理想的な構成に思える。停止状態からの加速は、スペック以上に滑らかで力強い。

EVモードでの最高速度135km/hに迫っても、風切り音やロードノイズに悩まされることもない。74kmというEVモードでの航続距離も、現実的なもののようだ。

一方、トヨタ製のハイブリッドでありがちだが、CVTの印象はあまり良くない。ほかのシステムが洗練されているだけに、残念ではある。

ハイブリッド・モードで運転していて、エンジンへ途中でバトンタッチしても、気づかないほどにシームレス。しかし、CVTが高回転域に保とうとする場面で、エンジンの存在を教えてしまう。

コーナリングでは、2t近くある車重を実感する。低い位置にバッテリーが搭載されていても、重さは隠しきれない。そのかわり、街なかでの乗り心地は充分に滑らか。時折、重さからか大きめの振動が出ることはあった。

荷室容量は充分に大きい。リアシートの空間も広く、小物入れにも事欠かない。とても実用的だ。

動的性能も乗り心地も、全般的に好感触

4万5999ポンド(620万円)で300ps以上のスズキ製モデル、ということに抵抗がなければ、スズキ・アクロスを購入してガッカリ、ということはないだろう。動的性能は煮詰められていて、乗り心地も良い。

ドライビング体験は、全般的に好感触。EVモードでの航続距離74kmも、PHEVのライバルSUVを大きく凌ぐ。

インテリアデザインは刺激には欠けるが、ランドローバー・ディスカバリー・スポーツP300eなど、同価格帯のPHEVにも並ぶ、価格を正当化できるだけの豪華さは備えている。しかもパワフルさは、このセグメントへの期待以上だ。

スズキによれば、2020年の販売台数は非常に限定的だとしている。もし興味があるのなら、急いだ方が良いだろう。

アクロスの試乗から、トヨタRAV4 PHEVも同様に優れていることは予想できる。仮にスズキ・アクロスを逃したとしても、トリム・グレード次第では、英国ではより安価に手に入れられる可能性もある。

スズキ・アクロスPHEV(英国仕様)のスペック

価格:4万5999ポンド(620万円)
全長:4635mm
全幅:1855mm
全高:1690mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:6.0秒
燃費:99.8km/L
航続距離:74km
CO2排出量:22g/km
乾燥重量:−
パワートレイン:直列4気筒2.5L+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:306ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:CVT

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