ランボルギーニは7月13日、2024年のWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のミシュラン・エンデュランス・カップに投入する新型LMDh車両『SC63』を初公開した。
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで発表されたSC63は、新型3.8リッターV8エンジンを搭載。LMDhの全車に義務付けられている共通ハイブリッドシステムも備える。ランボルギーニSC63は、リジェのカーボンファイバー製モノコックをベースに製造される最初のLMDh車両である。
新型LMDh『ランボルギーニSC63』は8月からテストを開始。レースデビューはWEC開幕戦を予定
SC63という車名は、ファクトリーのスクアドラ・コルセ・レーシング部門とランボルギーニの創立年を組み合わせたものだ。
ランボルギーニ会長兼CEOのステファン・ヴィンケルマンは「SC63は、ランボルギーニがこれまでに生産した中で最も先進的なレーシングカーであり、我々の製品レンジの電動化のためにブランドが策定したロードマップ“Direzione Cor Tauri”に沿ったものである」と述べている。
「ハイブリッドのプロトタイプで世界最大級の耐久レースに参戦する機会は、(2023年3月に発表した新型フラッグシップ)レヴエルトにおいて公道走行可能なクルマで実証されたように、高性能モビリティの未来に対する我々のビジョンに合致している」
「SC63 LMDhは、我々のスクアドラ・コルセにとって、最高峰へのステップであり、モータースポーツの未来へのステップなのだ」
ランボルギーニは2022年9月、LMDhにV8ツインターボエンジンを搭載することを明らかにしたが、今回の発表で排気量が確定した。
このエンジンはいわゆる“コールドV8”構成で、ターボチャージャーがエンジンのVアングルの外側に取り付けられており、冷却、整備性、重量配分の面で最適化されている。
ランボルギーニはリジェの唯一のLMDhクライアントであることによって、プッシュロッド・フロントサスペンションとベルハウジングの設計を含め、要求事項を「自由に」指定し開発を進めることができたという。
ランボルギーニの最高技術責任者であるルーヴェン・モアは、「モータースポーツは我々にとって、技術を証明する貴重かつ厳しい場でもある」と述べている。
「我々のLMDhマシンであるランボルギーニSC63は、技術の面からも、人間の面からも、エキサイティングな挑戦だ」
「内燃エンジン、空気力学的に効率的なボディワーク、全体的なテクニカルパッケージの開発は、私たちが常に自分たちの基準を高めるよう促してきたプロセスにほかならない」
「そして今、2024年シーズンに向けて準備と競争力を高めるために、文字通り軌道に乗るときが来たのだ」
「LMDhマシンを開発するにあたっては、技術転用の機会にも留意している。モータースポーツから学んだ経験を、可能な限り将来の市販車に応用していくつもりだ」
ランボルギーニのチェントロ・スティレ部門は、レーシング部門と協力してSC63のデザインを創り上げた。SC63のデザインには、ランボルギーニのトレードマークであるY字型ライトや、カウンタック・スーパーカーにインスパイアされたNACAダクトが採用されている。
外装のベースカラーには、ランボルギーニのファクトリーカラーであり、GT3と同じヴェルデ・マンティス・グリーンが選ばれている。
SC63は、現在GT3でランボルギーニを走らせているプログラムパートナーのアイアン・リンクスとともに作られたチームによってオペレートされる。
ファクトリードライバーのダニール・クビアト、ロマン・グロージャン、ミルコ・ボルトロッティ、アンドレア・カルダレッリがチームの一員となる。
アイアン・リンクスのチーム代表であるアンドレア・ピッチーニは、「このような野心的なプロジェクトに関わることは、一生に一度の経験だ」とコメントしている。
「SC63の公開に際し、すべてがようやくひとつの形になるのを見るのは、素晴らしいことだ。アイアン・リンクスの全員が、テストの開始を待ち望んでいる」
「これは間違いなく、チームとしてこれまでに直面したことのない大きな挑戦のひとつであり、SC63がサーキットを走るのを待ちきれない」
ランボルギーニは、ポルシェ、アキュラ、BMW、キャデラック、アルピーヌに続き、LMDh車を公開した6番目のマニュファクチャラーとなった。
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