■「iX」は、「i3」と「X5/X6/X7」を融合!?
BMWの量産開発段階に入った「iX」の姿が発表された。BMW iXは、BMWグループの新たな未来のツールキットに基づく最初のモデルとなる。
BMW iXは新技術のフラッグシップとなり、電気モビリティ分野における最新の革新、自動運転およびインテリジェントなコネクティビティが融合されている。また、新たなミニマリスト・デザインは、駆けぬける歓びの未来のかたちを表現したものだ。
BMW iXは、成功を収めているスポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)コンセプトをサステイナビリティやインテリアの広さと健康に明確に焦点を当てて再定義したものである。BMW「X5」の全長および全幅、BMW「X6」の全高、BMW「X7」のホイール・サイズによるパワフルなプロポーションを持ち、5名の乗員のための高級感、ラウンジのような雰囲気によるリラックスした空間感覚を実現した。
2021年下半期にBMWディンゴルフィン工場で生産開始を予定しており、市場導入は2021年末となる見込みだ。
●包括的サステイナビリティ・コンセプト
BMW eDriveテクノロジーは第5世代となり、卓越した効率を提供する。BMW iXは、最高出力370kW(500ps)以上を発生する2基の電気モーターによって、0-100km/h加速5秒未満を達成。
複合電力消費は、21kWh/100km未満(WLTPサイクル)で、エネルギー含量100kWh以上の高電圧バッテリーにより、600km以上の航続距離を確保(WLTP試験サイクル)。(※すべての数値は、車両の現開発段階に基づく予測値)
高圧および最先端充電テクノロジーにより、長距離走行が可能になった。200kWまでのDC高速充電によって、バッテリー容量の10%から80%まで40分で充電することができ、10分の高速充電で、航続距離が120km延長する。
BMW iXに用いられる電気モーターは、レア・アースを一切使用しておらず、高電圧バッテリーも高いリサイクル率を誇る。バッテリー・セル、高電圧バッテリーおよび車両全体で使用する電力は、すべて再生可能なエネルギーだ。
また、FSC認証材、オリーブの葉の抽出液でなめしたレザーを含むリサイクル素材および天然素材が高い割合で採用されている。
新技術ツールキットによって、自動運転およびデジタル・サービスの分野でのさらなる進歩が可能になっている。これは、データ処理のためのきわめて高いレベルの演算能力、極度にパワフルなセンサー、および5G対応が最適化された自動運転および駐車機能のベースとなっている。
■新たなステージにステップアップしたデザインとは?
BMW iXのエクステリアは、キャラクター・ラインを減らし、ゆったりとした形状の表面が迫力のあるボディ・デザインを構成している。BMW iXの最新のプレミアム特性と効率に、緻密に計算されたディテールがアクセントを加えている。
●機能を見せないエクステリア
ドア・ウインドウはフレームレス、テールゲートには分割ジョイントがなく、リア幅一杯に広がるデザインだ。
垂直でほぼ全面的に囲い込まれたBMWキドニー・グリルは、センサー、カメラおよびレーダー・テクノロジーが統合されたインテリジェンス・パネルの役割を果たしている。
BMWグループの歴代モデルでもっともスリムなヘッドライトは、フルLEDを標準装備、ハイビーム用マトリクス機能付きのBMWレーザー・ライトはオプションとなる。LEDテールライトもきわめてスリムで、特徴的なライト・デザインとなっている。
また、エクステリアでは数々の機能が目立たないように処理されている。たとえば、ボンネットのBMWロゴの下に設置されたフロント・ウインドウ・ウォッシャー液のフィラーネック、ボタンにタッチすることで作動する同一面に設定されたドア・オープナー・ハンドル、見えないように組み込まれたセンサー、テールゲートのBMWバッジに統合されたクリーニング・システム装備のリヤビュー・カメラなどがそうだ。
アルミ・スペースフレーム構造とカーボン・ケージによる軽量化とフロントおよびリア、アンダーフロア・セクション、およびホイールなどのエアロダイナミクス対策により、空気抵抗を軽減したCd=0.25という値を達成し、航続距離の延長が実現されている。
また、オプションで21インチおよび22インチのエア・パフォーマンス・ホイールも用意されている。
●まるで豪華なラウンジのようなインテリア
インテリアは完全新開発のアーキテクチャーとなった。ゆったりとした空間、高品質素材の組み合わせ、スリムなダッシュボード、ヘッドレストが一体化された新開発のシート、およびひときわ大型のパノラミック・ガラス・ルーフによって高級感が醸し出されている。これは、センター・トンネルがないため、レッグルームとストレージ・コンパートメント用のスペースが確保され、センター・コンソールが高品質な家具のようなビジュアルとなっていることが大きく貢献している。
BMWカーブド・ディスプレイは、12.3インチのインフォメーション・ディスプレイおよび1ピース、フレームレス・ガラス・サーフェスの14.9インチのコントロール・ディスプレイによってフルデジタル・スクリーンを構成している。
標準装備の2.5ゾーン・オートマチック・エア・コンディショナーは、きわめて直感的な新型操作系が特長だ。
エクステリア同様、インテリアにおいても目立たないさまざまなテクノロジーが採用されている。視界に入らないように統合されたスピーカー、複雑なデザインのエア吹き出し口、ヒーター付きサーフェス、ダッシュボードの表面にシームレスに統合されほとんどわからないBMWヘッドアップ・ディスプレイのプロジェクターなどがそうである。
センター・コンソールは、ギア選択のための新型ロッカー・スイッチ、タッチ・コントローラー、フィーラー・バーで分割され、車両機能を制御するアクティブ・ハプティック入力を装備したイルミネーテッド・ガラス・エフェクト・コントロール・サーフェスとなっている。
またBMW iXは、BMWグループで六角形のステアリング・ホイールを装備した初の量産車となる。サーキットにインスピレーションを受けたステアリングは、アクセスのしやすさが向上し、インフォメーション・ディスプレイが見やすくなっている。オプションのステアリング・ホイール・ヒーターは3段階調節式となる。
さらにエレクトロクロミック・シェエード付きパノラミック・ガラス・ルーフをオプションで用意。これはBMWグループのモデルに装備された1ピース・デザインの最大のガラスで、まったくクロスメンバーなしでインテリア全体を覆うほどの大きさとなる。
オプションのBowers & Wilkinsサラウンド・サウンド・システムは、カー・オーディオ体験をさらに高次元に引き上げることに成功した。フル・アクティブ・サウンド・システム、ダイナミックなパフォーマンスに応答するオーディオ・コントロール、5つの個別に選択可能なサウンド・モードによって、コンサート・ホールの雰囲気をも再現している。
スピーカーは合計30個も装備され、このうち8個はフロントおよびリア・シートのヘッドレストに組み込まれている。フロント・シートの磁気制御の「シェーカー」を使用して生み出される革新的な4Dオーディオ機能も搭載している。
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