10月1日、2023年MotoGP第14戦日本GP Moto3クラスの決勝が栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)は2位表彰台を獲得した。
佐々木にとって母国GPとなる今大会は、より一層の意欲を見せていた。初日のFP1・2では1分57秒191の自己ベストをマークして、総合3番手と好スタートを切った。土曜日の予選Q2では、1分56秒804までタイムを短縮させるも、トップのジャウマ・マシア(Leopard Racing)から0.473秒差の8番手となった。
佐々木歩夢、母国で2位表彰台獲得【順位結果】2023MotoGP第14戦日本GP Moto3 決勝
しかし、決勝日はガールフレンドの誕生日ということもあり、表彰台獲得を狙うと意気込み決勝レースを迎えた。
曇り空の下ドライコンディションでスタートした決勝は、デニス・オンジュ(Red Bull KTM Ajo)がホールショットを奪い、ダニエル・オルガド(Red Bull KTM Tech 3)が続く。ポールシッターのマシアはやや出遅れる形となり、佐々木は4番手でオープニングラップを終える。
先頭のKTM2台がややギャップを広げつつあるなか、佐々木はファステストをマークしながら、4周目にマシアを捉えて3番手に浮上。7周目には1コーナーでマシアがトップに上がり、佐々木も2番手につける。オーバーテイクの様子を伺うが、オンジュとオルガドもぴたりと背後につけている状況だった。
11周目には佐々木、オンジュ、オルガドの3名によるバトルがヒートアップ。しかし、オンジュが痛恨の転倒を喫して戦線離脱となり、佐々木は2番手、オルガドが3番手に落ち着くが、トップのマシアとの差は約1秒ほど。
佐々木も猛プッシュで追撃するも、わずかに届かない。ファイナルラップ、90度コーナーでオルガドが佐々木を交わし2番手に。佐々木はなんとかポジションを奪い返そうと最後までオルガドと競ると、ホームストレート立ち上がりでオルガドがバランスを少し崩し、フィニッシュライン直前で佐々木が逆転し、2位でフィニッシュとなった。
2022年の日本GPでの3位を上回る2位を獲得し、母国GPで嬉しい2年連続での表彰台獲得となった。そんな佐々木はレース終了後に次のように振り返った。
「昨日までマシアがいちばん速かったので、マシアが引っ張るレース展開となるのはわかっていました。昨日よりフィーリング良く走れました。マシアの後ろで意外と楽に走れてはいました。ちょっとデニスに邪魔された時は、えって思いましたけど……」
「そこから自分の方がペース良く走れなかったのは自分のせいですし、もう少し頑張れましたが、リスクも負いすぎる部分もありました。どうしたらいいかわからず、優勝もしたかったですし……」
「もうコンマ2、3秒上げようと思うとリヤがすぐ抜けていたので、転倒もしたくなかったです。我慢……、でも攻めるみたいなレースでした。悔しい2位になってしまいましたが、昨日まで難しいレースウイークだった割には、ちゃんと2位というかたちで終わることができてよかったです」
また、ファイナルラップのオルガとのバトルについては、最終ラップはモニターで見てダニ(オルガド)が後ろにいるのもわかっていて、必ず90度コーナーで入ってくるとなんとなく思っていました。最終コーナーの立ち上がりのグリップは僕の方が良かったから、直線で抜けるかなと思いながら走ったら、ミスもしてくれて、良かったです」と語った。
苦しい展開があったなかでも、最後まで落ち着いてレースを運んだ佐々木は、表彰台獲得に繋げた。そしてポイントランキングは、マシアがポイントリーダーに変わり、佐々木は6ポイント差の2位につける結果となった。
「毎シーズン、マシアのLeopard Racingはいつもアジアシリーズに入るとめちゃくちゃ速いのが心配のひとつです。ヨーロッパのレースよりもイキイキしているので、それに負けないようにしたいですし、自分もバレンシアまでは得意なサーキットなので、ポイントをできるだけ稼いで最終戦に挑むかという感じです」
また、2024年はMoto2クラスにステップアップすることについては、「今のチームでMoto2に上がることもできましたが、今と同じチームクルーを連れていけないことはわかっていました。自分のチームはすごいいいチームですが、それは選択肢には入れませんでした。自分もチーム作りに入れる契約なので、来年は自分に合うチームを作っていきたいです」と佐々木。
今年は優勝を逃すも2位を獲得し2年連続表彰台となった佐々木。ゴール後には、レジェンドライダーの加藤大治郎が日本GPで優勝した時に使った日本国旗を持ちファンの声援に応えた。ランキング2位につける佐々木は、残り6戦でどのようなチャンピオン争いを見せてくれるだろうか。
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