日本市場において規模こそ大きくないものの、自動車好きの心情に訴えかけるモデルラインナップで存在感を放つのが、いまのルノーだ。東京オートサロン2019の会場においても、スポーティなラインナップにフォーカスにした展示で来場者を惹きつけていた。とりわけ「ルノースポール(R.S.)」ブランドを強調していた。
展示されたのは販売中の「メガーヌ ルノー・スポール」(AT仕様)、「メガーヌ スポーツ・ツアラー GT」、「トゥインゴ GT」と限定モデルの「ルーテシア ルノー・スポール トロフィー アクラポヴィッチ」。また、今後導入が予定されるMT仕様のメガーヌ ルノー・スポールだ。いずれも“ホットハッチ”と呼ばれるスポーティなハッチバックである。
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ちなみに、ルーテシアの限定モデル名にある「アクラポヴィッチ」は、スロベニアに本社を持つエグゾーストパイプのメーカーで、こと2輪の世界では知られてきた。4輪でも、フェラーリやランボルギーニなどスポーツカーメーカー向けの製品を開発し、着実にファンを増やしている。なるほど、ルーテシアのスポーティなイメージをより高めるには、よい組み合わせかもしれない。
ルーテシアの限定モデル以上に注目を集めたのは、日本初公開となった6MTを搭載するメガーヌ ルノー・スポールだ。こちらは、279psの最高出力と390Nmの最大トルクを発揮するパワフルな1.8リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載する前輪駆動モデルである。日本では2018年秋より、6DCT(ダブル・クラッチ・トランスミッション)搭載モデルを販売するが、今回、あらたにマニュアルトランスミッション搭載モデルが追加されるのだ。
6DCTモデルとおなじく、ブレンボの大径ブレーキ、専用設計の凝ったサスペンションシステム、「レース」モードまで持つドライブモード、それにレースでのスタートを意識したシステム「ローンチコントロール」などが標準で備わる。
走り好きにはたまらない“シビれる”内容だ。
ルノースポールのモデルはすばらしくスムーズなエンジンフィールをはじめ、ドライバーとクルマが一体化するようなドライバビリティゆえ、マニュアル変速機がくわわるのは朗報だ。6MT仕様のメガーヌ ルノー・スポールは、2019年の2月ごろに正式発表される見込みという。今から楽しみである。
輸入車市場でのシェアは大きくないものの、個性的な商品構成でファンへのアピールをうまく続けてきたルノージャポンは、「販売成績は好調に推移している」と強調する。ルノー・スポールモデルだけでも2018年の成績は約1800台に達し、過去最高だった約1400台を軽く超えたという。
台数もさることながら、広報担当者と話していて興味ぶかかったのは、整備および修理のための“部品代”についてだ。これまで、一部ユーザーは「ルノー車の部品代は高い」といった不満があったという。
「ルノージャポンとしても充分意識しており、状況の改善に取り組んでいます。メガーヌやトゥインゴを例に挙げると、10年前より3~4割ほど価格が下がったパーツもあります。これからも努力を続けていきます」と、広報担当者は話す。しかも、「ここはファンのみなさんにぜひ訴えたいポイントです」と、強調する。
ルノー・スポールの販売が好調な背景には、クルマのよさのみならず、こうした要因もあったようだ。
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