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新型スバルBRZ S(6MT)公道で試乗 普段使い、GR86よりBRZに軍配

掲載 更新 5
新型スバルBRZ S(6MT)公道で試乗 普段使い、GR86よりBRZに軍配

GR86一本勝ちは本当? サーキットの功罪

新型スバルBRZのステアリングを握るのは今回で2回目。

【画像】公道×サーキット BRZ×GR86【じつはけっこう違う内外装】 全129枚

最初は今年7月に袖ケ浦FRWで開催されたトヨタGR86との共同試乗会でドライブしている。

試乗会ではBRZの後にGR86をドライブした。BRZの第一印象は上々。排気量アップによるパワーをはっきりと感じられたし、ボディのしっかり感とアシのしなやかさのメリハリも先代を確実に凌駕していたからだ。

ところがBRZのあとにGR86に乗ったら、BRZの好印象はあっさりと上書きされてしまった。

GR86はタイヤのインフォメーションをドライバーに伝える能力、そしてリアの滑り出しのスピードを自在に操れる驚きのドライバビリティを備えていたのだ。

まるで、おいしい素麺の後に濃厚なとんこつラーメンを食べてしまった感じ?

7月に書いたGR86/BRZの原稿はだから「もしどちらか迷ったらGR86の方がお薦めだ。気さくに対話ができる分だけ長く楽しめると思う」という一文で締められているのだ。

だが本当にGR86の一本勝ちなのだろうか? サーキットじゃないと絶対わからないことも多々ある。

だがそれと引き換えに、繊細な印象や快適性といったものが掻き消されてしまうことは筆者も認識している。

もう一度、素麺だけをニュートラルな舌で味わってみる、じゃなくて、新型BRZを公道でじっくり試乗してみるとどうなのか?

というのが今回のテーマなのである。

オトナのスポーツカーは意外なほど静か?

スバルの広報車は東京の恵比寿で借りる。ビルの前は道幅が狭く、路駐車両も少なくない。そんな雑踏に繰り出した瞬間にボディが小さいことのありがたみを感じた。

水平対向エンジンの振動の少なさ、アイドリング音の静かさも気に入った。

交差点からのスタートダッシュ、1速から2速へ素早くシフトアップするような場合でもなお、車内は驚くほどの静かさが保たれている。

輸入車のスポーツモデルは、高回転まで回さなくてもエンジンスタートの第一声がうるさかったり、音のアピール過多が当たり前になっている気がする。

その点、新型BRZはエンジンをちゃんと回した時だけ、スポーツカーらしい排気音が響いてくる。

といってもこれはアクティブサウンドクリエイターという機能でスピーカーからそれらしい音をプラスしているのだけれど、いやならオフにできるという選択肢がありがたい。

乗り心地も素晴らしいと感じた。セダンのようにフカフカした柔らかさではなく、伝えなくてもいい入力をアシの動きはじめの部分で吸収するスポーツカーらしい乗り心地の良さなのだ。

BRZよりもリアのスプリングを硬く設定しているGR86は、普段使いのスピード域で若干だが快適性が削がれるはずだ。

また今回の試乗ではウェットの高速道路を走るシチュエーションもあった。

BRZがGR86よりアンダー方向(安定感高め)であることを理解していたこともあり、リラックスしてペースを保つことができたのだった。

旅に出るなら、敢えて優しいBRZでキマリ

ゆったりとしたペースで街中と高速道路を走らせた今回、新型BRZの印象はすこぶる良かった。

先代はヤンチャ風の雰囲気を漂わせながら、実際に山道で走らせてみるとエンジンパワーの少なさもあってFRらしいメリハリのあるドライビングを楽しめなかった。

ところが新型はまず「2021年的な眼で見た場合の」乗用車として音振、インテリアの質感等が優れている。

しかも走り込めばそれにしっかりと応えることができる体幹の強さとエンジンパワーを備えている。

GR86との差異は視力矯正に似ているところがあると感じた。レーサーはサーキットを走るために視力を2.0くらいまで矯正することがあるが、GR86のドライバビリティもこれに似ている。

驚くほど遠くのものが正確に見える(路面や車両の状態を感知できる)反面、普段使いでは疲れやすくなる。

その点、新型BRZは敢えて視力を1.2くらいに抑えてストレスを軽減している感じ。

クーペのラグジュアリーな文化が根付かない日本において、BRZはロングドライブが可能な貴重なスポーツクーペという見方もできるのだ。

しかも性能が大きくアップしているのに、価格はほぼ据え置き。この価格帯で後輪駆動ということを考えれば、ライバルは見当たらない。

GR86とBRZを試乗して大いに迷うようなら「GR86を選んだ方が幸せ」という見解は変わらない。

でも個人的には普段使いを考えてBRZ指名買いという結論に落ち着いた。

スバルBRZ Sのスペック

価格:326万7000円
全長:4265mm
全幅:1775mm
全高:1310mm
ホイールベース:2575mm
車両重量:1270kg
パワートレイン:水平対向4気筒2387cc
最高出力:235ps/7000rpm
最大トルク:25.5kg-m/3700rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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みんなのコメント

5件
  • 同じ車を議論しても、どうせ好きなメーカーで選べば良いだろ。
  • >新型BRZはエンジンをちゃんと回した時だけ、スポーツカーらしい排気音が響いてくる。
    といってもこれはアクティブサウンドクリエイターという機能でスピーカーからそれらしい音をプラスしているのだけれど

    そりゃすごいなww
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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