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マクラーレン「750S」の登場で影が薄くなった「720S」は「今が買い時!」新車同然のガルフカラーがお買い得な5425万円で落札されました

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マクラーレン「750S」の登場で影が薄くなった「720S」は「今が買い時!」新車同然のガルフカラーがお買い得な5425万円で落札されました

予想落札価格を下回ったハンマーが叩かれた

2024年5月31日~6月1日にRMサザビーズがカナダ・トロントで開催したオークションにおいてマクラーレン「720S」が出品されました。現オーナーが新車で注文したカナダ仕様で、ガルフカラーがエクステアリアデザインにマッチしています。走行距離は1999kmと少なく、注目の1台となりました。

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マクラーレンにとって初めてのフルモデルチェンジカーだった

マクラーレン・オートモーティブから、「720S」と呼ばれるニューモデルが発表されたのは2017年のジュネーブ・ショーでのことだった。とくに大きな話題となったのは、720Sがマクラーレンにとって初めてのフルモデルチェンジを施して誕生したモデルであったこと。その前身は「650S」で、720Sは当然のことながら販売面での主力となるスーパー・シリーズの最新型として誕生した。

マクラーレンによれば、650Sと720Sとでは、使用されるパーツの91%は新たに設計されたものであるというが、その最も象徴的なパートはやはり、より軽量性と剛性を高めてきた基本構造体たるモノコックにある。モノケージIIと呼ばれるそれは、設計上の理論ではアルティメット・シリーズの「P1」に共通するものだが、重量はさらに両車の比較では18kg軽量化されている。

ルーフ部分の切り欠きはキャビンに乗降するためのディヘドラルドアの開口面積を大きく取るための策で、同時にヘルメットを装着しても容易に車内に乗り込める使い勝手の良さを持ち合わせる。車内からの視界が十分に得られているのも、この720Sをはじめ、最近誕生したマクラーレン車の特長である。

720Sの最高速は314キロ

インテリアは、モダンとレースからインスパイアされた仕上がりであるとマクラーレンは説明する。アルカンターラとウィアーレザーが多用されたインテリアは、カーボンファイバーのトリムとともに、これもまた軽量化のための選択。キャビンの主役となるのはもちろんドライバーで、ステアリング後方にレイアウトされた新しいデジタル・ディスプレイやセンターコンソールのタッチスクリーンなどは、いずれもドライバーに扱いやすいよう設計されている。パワーユニットとシャシー(プロアクティブ・サスペンション)を別々に、トラック、スポーツ、コンフォートのモードを備えているのも見逃せないところだ。

マクラーレンによると、720Sの最高速は314km/h。発進から100km/hまでの加速は2.9秒で終了し、また同時に0-200km/h加速も7.8秒を誇る。一方でCO2排出量は249g/km、複合燃費は249g/kmと、このクラスではトップレベルの性能を確保しているのだから、これは堂々とこれからの時代を生きるスーパーカーを称しても、けっして間違いとはいえないだろう。その性能を可能にしたミッドのエンジンは、4LのV型8気筒ツインターボ。最高出力と最大トルクは、それぞれ720ps、770Nmという値だ。

エクステリアはマクラーレンF1のデザインを踏襲

720Sの概要を知った後で、改めてそのデザインを見る。マクラーレン720Sは、ツインヒンジのバタフライドアを採用し、「マクラーレンF1」のデザインを踏襲している。ヘッドライトにはエアベントが隠されており、流入した空気をホイール前方の2つの小型ラジエーターに導く。

ドアには、エンジンに空気を送るエアチャンネルが設けられ、リアには、マクラーレンP1に似た細いLEDテールライトと、2本の丸いエキゾーストパイプが備わっている。デザインはホオジロザメにインスパイアされたもので、ティアドロップ型のコクピットが特徴である。エクステリアのすべての造形は、650Sよりもダウンフォースを50%向上させることにつながっている。その効果は、たしかに走りの中で驚くべき安定性となって感じられるのだ。

2018年にはRHT(リトラクタブル・ハード・トップ)を採用した「スパイダー」を追加したほか、2020年には究極の限定車ともいえる、さらにサーキット走行にフォーカスした「765LT」を追加するなど、限定車、特別仕様車でも華々しいラインアップを作りあげた720S。その市場は現在では、これもまた画期的な進化を遂げた「750S」に譲られていることは周知のとおりである。

今回RMサザビーズがカナダのオンタリオで開催したオークション、「デア・トゥー・ドリーム・コレクション」に出品された720Sは、走行距離がわずかに1999kmというミントコンディションの1台。同社はエスティメート(落札予想価格)に、35万~40万ドル(邦貨換算約6000万円~6272万)を提示したが、落札価格はその下限に近い34万6000ドル(邦貨換算約5425万円)という結果だった。750Sのデビューが裏目に出たのか、あるいはこのあたりが720Sの底値なのか。さまざまな疑問を残したオークションだった。

文:Auto Messe Web 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)
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