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“速いのは偶然”なんて言わせない。第4戦もてぎ、優勝争いの裏側【坂東マサの『俺に書かせろ!』/第4回】

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“速いのは偶然”なんて言わせない。第4戦もてぎ、優勝争いの裏側【坂東マサの『俺に書かせろ!』/第4回】

 レーシングプロジェクトバンドウの代表として国内トップカテゴリーであるスーパーGT GT500クラスに参戦しつつ、青年実業家として様々なチャレンジを続ける坂東正敬監督。そんなマサ監督が日々のレースや、実業家としての活動のなかで、面白いと思ったこと、取り組んでいることについて、自ら筆をとります!

 第4回目はスーパーGT 第4戦ツインリンクもてぎ直後ということで、予選でのフロントロウ獲得から、1号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)との優勝争いの裏側。そして8月21~22日に開催される第3戦鈴鹿の本命予想などなど、今回もボリュームたっぷりでお届けします。

惜しくも敗れた2位のWedsSport坂東正敬監督、涙を見せる宮田莉朋に「また次、いいレースをしよう」

* * * * * * *

 押忍!

 前回のコラムで書いた19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)のポール・トゥ・ウインの予想が的中ならず……気持ちを切り替えている坂東マサです。

 みなさん、2カ月半ぶりのスーパーGTとなった第4戦もてぎは楽しんで頂けたでしょうか? 予選から痺れる戦いになりましたね……。

 Q2ではトヨタの若手ドライバー宮田莉朋選手とディフェンディングチャンピオン山本尚貴選手のポール争いとなりました。0.05秒の僅差で19号車の2戦連続のポール獲得とはならず……。

 ポールを獲れば1ポイントを獲得できることもあり、悔しい予選となりましたがタイムを見てびっくり! 真夏のタイムではありませんね。事前のテストでは1分38秒1でしたので1分37秒5は予想を超えたタイムでした。ノーミスなので前回の富士で若干運を使ったということにしておきましょう!

 マシンもエンジンもタイヤも、そしてQ1、Q2を担当したそれぞれのドライバーにも僕はとても満足です。もちろん、もてぎは事前に勝利宣言をしていましたので2位は悔しいですが、得られることもたくさんありました。

 スタートドライバーを務めた国本雄資選手は、どのコーナーで1号車STANLEY NSX-GTを抜くかを1日かけてイメージトレーニングをしてたらしいです。 「狙うは3コーナーか、5コーナーか。それもイン側アウト側?」というふうに。

 今季はまだ3戦しか終了していませんが、予選に関してはGRスープラ勢の中で2回、最高位を得ていますのでタイヤ開発の結果が実ってきていると感じています。僕たち19号車はレース以外にも、タイヤ開発という仕事を兼務しているチャレンジャーです。

 テストで開発したタイヤを実戦に投入しますが、レースが終わらないと開発結果は得られません。タイヤの温度、アベレージ、路面温度、すべてのデータが次の開発に繋がるわけです。

 もちろんテストとレースが同じ状況になることはほぼないのですが、その範囲を広げれるようにいろいろなデータをシュミレーションしていきます。昨年まで予選、決勝でトップ争いができなかったことを考えるとヨコハマタイヤは確実に前進しています。予選後に見られたヨコハマタイヤのみなさんの笑顔が印象的でした。

■“速いのは偶然”なんて言わせない。シーズンを通して安定した上位争いを狙う

 そして迎えた決勝、国本選手かっこよかったですね……。

 5コーナーのアウトから1号車を見事オーバーテイク。スーパーGTにベスト・オーバーテイク賞がありましたら確実に国本選手が大賞でしょう! ファンのみなさんやスポンサーさんも喜んでくれて良かったです。

 そしてピットアウト後は1号車が先行するかたちとなりましたが、宮田選手の追い上げで+0.2秒のところまで迫ります。

 しかし1号車は強かった。僕もあとでいろいろな記事を読んだのですが、後ろの19号車のダウンフォースやタイヤの摩耗以外にも、ブレーキ温度などさまざまなことを考えながらコントロールしてたと。

 おそらく燃費などもエンジンマップを変えながら走っていたと想定します。その中でFCY(フルコースイエロー)が出たことも1号車に有利に働いたのだと思います。でも、負けは負けですからね。

 今シーズン中に1号車とは再びポジション争いを展開することになりそうです。その際には再び観客のみなさんが喜ぶバトルをドライバーたちが見せてくれると思います。
 
 決勝レース後、GRスープラになってから初めての表彰台だったので表彰式を見に行きました。

 3位に入ったau TOM’S GR Supraの関口雄飛選手、坪井翔選手からも「19号車速かったです」と言われたときはなんだか嬉しかったですね。

 まだ19号車が速いと「タイヤが当たったんですね?」とか偶然扱いされる空気感もありますが。今後は安定して上位に入り、速く、強いイメージをつけに行きたいです。そのためにも今回の2位の悔しさは勉強になりました。

 一方、GT300クラスの予想は外れて2号車muta Racing Lotus MCとなりました。元19号車の加藤寛規選手が優勝です。

 元19号車ドライバーの活躍は毎戦見ています。今回は30号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT織戸学選手の8位入賞も凄かったですね。今季はこれまで苦労していたのでシーズン後半にも期待です。

■第3戦鈴鹿の本命予想。GT500は38号車ZENTが来るか?

 さぁ、次戦となる第3戦鈴鹿は、どこがくるでしょうか?

 うーん、GT500では8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)、23号車MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が速そうですが、本命は38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)か? いや、僕たちの19号車が調子を上げて流れに乗るか? まったくわからない戦いになりそうです。

 おそらく路面温度50度以上、見に来るみなさんもしっかりと熱中症対策してきてくださいね。

 GT300クラスの予想は今回も88号車JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)か4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)だと予想します。
 
 対抗は96号車K-tunes RC F GT3(新田守男/平良響)と35号車arto RC F GT3(ショーン・ウォーキンショー/ジュリアーノ・アレジ)と18号車UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平)かなぁ……。88号車はアクシデントがなければ上位に行けましたよね?

 さて、みなさんが気になってる莉朋選手のお父さんですが、今回はグリッドでWedsSportの大きなのぼりを持ってくださいました。

 ちなみに先日もてぎで開催された耐久レースにアウディで出場していたみたいです。結果は聞いてないのですが……。お父さん、TCRのレースに出るという噂があるらしいです。莉朋選手によると握力が100kgほどあるとか……ビックリですね。それを聞いてからお父さんとちょっと距離をおいて話すように致しました。

 今回は莉朋選手の嫌いなトマトの話を書けませんでしたので、次回は『リトモとトマト』、『国本選手の10年後』、『iRacing(レーシングシュミレーター)で日本一の宮田選手』の3本立てでお届けしたいなと思います。

 宮田選手のお父さんのニュースも入り次第、みなさんに新しい情報をお伝えいたします。

 19号車はチームシリーズランキングも6位になりました。2016年の4位が過去最高なので、まずは1勝してチャンピオン争いに加わりたいなぁと思ってます。

 最後になりましたが、みなさんに是非お伝えしたいのは“どんな目標や夢や仕事でもチャンスは来る”ということです。

 早いか遅いかはわからないですが、腐らない。諦めない気持ちを持って継続する。目標は諦めない。文句を言わない。人に優しく。真剣に。

 そうやって取り組んでみると、少しづつ夢に近づけますよ。もちろん、叶えられないこともありますけど。

 もちろん、いろいろな人に支えてもらって今の僕があります。だからこそ、僕も若い人にはチャンスをあげたいと思っています。

 というわけで、レーシングプロジェクトバンドウでは業務拡大につき、従業員、パート、アルバイトを募集します。

 ご応募はレーシングプロジェクトバンドウのオフィシャルホームページ内のリクルートページからお願いします。19号車とともに夢を追おう!

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