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ポルシェ963“不振”の根本原因をロジャー・ペンスキーが指摘「将来を見据え、残り3戦を戦う」

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ポルシェ963“不振”の根本原因をロジャー・ペンスキーが指摘「将来を見据え、残り3戦を戦う」

 WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに今季デビューを飾り、ここまで苦しい戦いが続いているポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのポルシェ963。チームを率いるロジャー・ペンスキーは、その不振の根本的な要因について指摘しつつ、今後は「もっと良くなる」ことを信じているという。

■サプライチェーン問題のなかで生じた“緊急性”

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 第4戦ル・マン24時間では、エントリーした3台すべてが大きなトラブルに見舞われるという惨敗を喫したポルシェのファクトリーチームは、今週末、イタリア・モンツァでの第5戦に挑んでいる。

 ポルシェは現在、ハイパーカーのマニュファクチャラーズ世界選手権ランキングで4位、ドライバーズランキングでは5号車のデイン・キャメロン/フレデリック・マコウィッキ/ミカエル・クリステンセン組が6位につけている。また、ここまでのWECでの最高順位は、第2戦ポルティマオでケビン・エストーレ/アンドレ・ロッテラー/ローレンス・ファントールが獲得した3位となっている。

 ペンスキーは金曜日、記者団に対し、この先には改善されるものと感じているが、そのゲインは徐々にもたらされる可能性がある、語っている。

「我々は将来を見据え、残りの3レースを戦うことになると、私は思っている」とペンスキー。

「これから、我々はより良くなっていくだろう。アメリカでのレース(IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権)を続けることで、クルマが現在どこにあるのか、そしてさらなるパフォーマンスを得るにはどうすればよいのか、より深く理解できるチャンスにつながる」

「それが我々を成功へと引き寄せる。コミュニケーションの面では、我々はより良くなっていると思う。我々はWECエントリーのために、(ドイツの)マンハイムにファクトリーを作らなければならなかった。これは長旅であって、スプリントではないんだ」

 ポルシェはすでにIMSAウェザーテック選手権ではロングビーチ戦で優勝を遂げているが、WECでの成績はル・マン・ハイパーカー規定のマシンであるトヨタやフェラーリに及んでいない。

 ペンスキーは、世界的なサプライチェーンの問題がポルシェ963のサーキットテスト・プログラムに影響を及ぼし、さらにはウェザーテック選手権のプログラムを1月に開始しなければならないという緊急性が、3月にキックオフするWECのシーズンへの準備に影響を及ぼしたと説明した。

「サプライチェーンは、我々にとって、おそらく全体で対処しなければならなかった最大の問題だった」とペンスキーは述べている。

「我々はテストに次ぐテストを繰り返した。我々はサーキットで2~3日間座っていたが、走れたのは2時間ほどだったこともあった」

 しかしペンスキーは、ル・マン期間中にポルシェのヴォルフガング・ポルシェ会長とオリバー・ブルーメCEOがチームに約束したという、ポルシェの経営トップ層からのサポートについても明かしている。

「我々はWECのための部品やパーツを持っていなかった」とペンスキー。

「我々は(IMSA開幕戦の)デイトナからスタートするため、60~90日間はそこに集中していたんだ。今日、技術的な情報は(IMSAとWECを)行き来している。あとはそれを実行するまでだ」

「ル・マンは残念なものだった。だが、パートナーシップの強さは……ヴォルフガング・ポルシェとオリバー・ブルーメは『チームと話がしたい』と言ってくれた」

「レースの最後の30分を見て、ハッピーな1日にならないことは分かっていた。彼らは会社に帰って『今日はあまりいい日ではなかった』と言うこともできただろう。でも、彼らは我々のところへやってきて、『このパートナーシップをより強固なものにしよう』と、できる限りのことをしてくれたのだ」

■高電圧関連トラブルの多さには「満足していない」

 ポルシェ・モータースポーツ副社長のトーマス・ローデンバッハは、ペンスキー同様に、パフォーマンス重視のテスト開始が遅れたことが、ファクトリー963の競争力に影響を与えたかもしれないと付け加えた。

「主に今年に入ってから、マシンをより速くするための適切な開発テストが初めて行われるようになった」とローデンバッハは説明する。

「それ以前は、信頼性の向上、問題や機能性の整理が主だった。これは決して意図したものではなかったが、それが現実だった」

「ル・マン前のテストでは、パフォーマンスに関して良いステップを踏むことができた。それは小さなことではあったが、0.5秒を生み出した。0.5秒はこの世界では大きい」

「もっと早くに(パフォーマンス向上のためのテストを)やりたかったとは思うが、いまあるものでやっていくしかない。ここには多くの人々がいるから、自分の思うようにはコントロールができないものだ」

「過去を振り返るつもりはない。ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、グリッドを埋めるためだけにシリーズに参加しているわけではない。最終的な目標は常に、レースに勝つことだ」

 ローデンバッハは、チームにはもっとパフォーマンスがあることを認める一方で、高電圧に関連する不具合の多さに不満も示している。

 ボッシュ製のモーター、ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングのバッテリー、Xトラックのギヤボックスで構成されるLMDhのハイブリッドシステムは、全マニュファクチャラーにおいて共通のものが採用されているが、ポルシェは他のライバル勢よりも頻繁にトラブルに見舞われている。

 モンツァの金曜日のフリープラクティス1では、6号車がハイブリッド・コンポーネンツの交換を余儀なくされている。

「高電圧システムの信頼性の問題には満足していない」とローデンバッハ。

「それは隠すことでもない。 ざっと見てみても、システムにはあまりにも多くの障害があり、『充分なものではない』としか言いようがない」

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みんなのコメント

2件
  • マシンのパフォーマンスに不満はあるが
    カスタマー戦略を展開するポルシェには期待している
    その為にもワークスは結果出さないと
  • どうりでルマンでののBOPが軽減されてた訳だ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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