2021年より適用される新しいレギュレーションについて、FIA会長であるジャン・トッドは、6月末にその策定期限を移動することを説明した。
金曜日、リバティメディアとFIAはF1チームと面会し、2021年以降のレギュレーションに関する2回目の話し合いを行った。ピレリはこの話し合いに出席していなかったようだが、バーレーンで行われたF1上層部によるプレゼンテーションを欠席したトッドも、この話し合いに参加した。
F1の2021年新ルールは、チーム間格差を埋めることになるのか?
今回は経済面に関する話題が中心だったが、将来のエンジンレギュレーションについても議論され、そこでトッドは本来は5月であった期限を6月末に後ろ倒しすることを説明した。
マクラーレンF1チームのCEOであるザク・ブラウンは、最終的なスケジュールの確定を求めていたため、トッドの説明に納得し、「全てのチームがエンジンレギュレーションのことだけでなく、財政、経済、スポーティングのバランスを心配していたと思う。なぜなら、我々は2021年の新しいF1に早く適応する必要があるからだ」と話した。
新しいエンジンレギュレーションは、最も時間的制約のある議題であり、これが進めば、F1の財政やバジェットキャプといった他の要素も決めることができる。
ルノーF1のマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールはSky Sports F1に対し、チームがレギュレーションを完全に確定させるには「数ヵ月とは言わないまでも数週間」必要だと示唆した。
その他、新しいレギュレーションについて重要な点はバジェットキャップであり、その額は年間1億5000万ドル(約165億円)に定められるとも言われている。
空力ルールをよりシンプルにしたり、いくつかのマシンコンポーネントを標準化することは、人員を削減し、より少ない出費でチームを経営することに繋がる。ただその一方で、現在のチームスタッフの多くが職を失うことになるのではないかとの懸念もある。
F1のモータースポーツ・マネージングディレクターであるロス・ブラウンは、スタッフらは現行のリソースの少ないチームに加入することも可能であり、これらの変更によって必ずしも数百人の人々が失業するわけではないことを明確にした。
大規模チームでは余剰の人員が出てしまう反面、ザウバーやトロロッソ、フォースインディアといったチームにはまだスタッフの数を増やす余地があるようだ。
金曜日の議論では、大規模チームが漸進的に2021年以降数年にわたってスタッフを削減する可能性があると示唆された。
メルセデスF1チームのトト・ウルフ代表は、リバティはコストキャップについて「プロセスであり、イベントではない」ということを認識することが重要だと話した。
「今後数年間は必要になるし、様々な構造を考慮すべきだ。彼らは我々のフィードバックを受け入れている」
またブラウンは、マクラーレンはスタッフを他のプログラムに異動させることもあるという。現在マクラーレンはWEC(世界耐久選手権)やインディカーに参戦する可能性を模索している。
「我々は行動の早いチームであり、大きな組織だ。レギュレーションがどう実行されようと、それに反応することができるだろう」
「そういうわけで我々は早く(レギュレーションを)知りたいのだ。(それが分かれば)適切な計画を立て始めることができる」
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