現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【短距離の純EVとしては優秀】メルセデス・ベンツA 250e AMGラインへ試乗 後編

ここから本文です

【短距離の純EVとしては優秀】メルセデス・ベンツA 250e AMGラインへ試乗 後編

掲載 更新
【短距離の純EVとしては優秀】メルセデス・ベンツA 250e AMGラインへ試乗 後編

改善を求めたいブレーキペダルの感触

text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)

【画像】A250e ゴルフとミニのPHEVも 全146枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


メルセデス・ベンツA 250eでエネルギーの回生モードがオートの場合、ナビゲーション・システムの地図情報と、センサーで計測した先行車両との距離を利用。エネルギーの回生量を、自動的に制御してくれる。

エネルギーの回生量を高める手段として、このような複数の情報を利用するメーカーは、メルセデス・ベンツ以外にもある。だが、アダプティブ・クルーズコントロールと独立して機能させているメーカーは、ほとんどない。

おしなべて、PHEVをハイブリッド・モードで運転していると、ブレーキペダルの感触に違和感があることが多い。ジャンクションなどでアクセルペダルを放した際、エネルギーの回生による減速がどれだけ生じるのか、一貫性も得られにくい。

その前提のうえで、A 250eはブレーキペダルを踏み込んだ時の、クルマの反応と効きの強さが予想しにくいと感じた。どれだけエネルギーを回生できているのかも、わかりにくい。

A 250eはペダルの踏み込み時に、エネルギー回生を働かせると同時に、踏み込み量で摩擦ブレーキの強さも調整している様子。その結果、複雑になり、制動力の反応が掴みにくいのだろう。

おそらく、減速時のエネルギー回生は効率的に行えるのだとは思う。だが筆者はなにより、クルマはスムーズで運転しやすいものであってほしいと思う。

普通の速度域なら乗り心地や操縦性も良好

エンジンとモーターを組み合わせて運転する場合、ドライビング・モードはインディビジュアルとスポーツ、コンフォート、エコが選べる。どれを選んでも、初期のアクセルレスポンスには優れる。

環境に優しいモードになるほど、内燃エンジンと8速ATのアクセルへの反応は鈍くなる。郊外へ出たら、毎回スポーツ・モードへ変更するドライバーも多いだろう。

走行性能自体は充分に力強い。特にマニュアルモードで低いギアを選んでいれば、電気モーターのトルクが加算され、低回転域から鋭いピックアップが得られる。

ただし1.3Lエンジンは、あまり高回転域が好きではない。4000rpmを超えるとノイズが大きくなり、必死感が伝わってきてしまう。ドライバーが熱い走りに夢中になるのを、制限するようだ。

サスペンションは、通常の固定ダンパーを採用。ドライビング・モードを変えても、減衰力などは変わらない。

スプリングは柔らかめで、高速道路ではかなり快適。街中で、大きなつぎはぎを超えた時も同様だ。一方で、車内にはかなりの音量のロードノイズが響いてくる。外界との隔離感は、充分ではないといえるだろう。

垂直方向の姿勢制御はやや詰めが甘く、速度を上げると、重い車重の割に減衰力が弱く感じられる場面もある。コーナリング時の姿勢制御は良好で、一定の速度域までなら、操舵感も正確だ。

グリップ力は、横荷重に対してやや弱く、加速時のトラクションもそれなり。ペースを速めていくと、落ち着きに欠く場面はありそうだ。

航続距離の短いEVと考えれば優れている

高速道路の速度域を超えると、A 250eは複雑なメカニズムを搭載した、車重がかさむ前輪駆動のハッチバックだと実感する。反面、日常的な速度域では充分な動力性能を備え、走りもまとまっている。ドライバーの条件次第で、充分に許容することはできるだろう。

筆者は、洗練性やスムーズさといった、運転のしやすさの基本的な部分に目をつぶることはできない。メルセデス・ベンツ製のPHEVとして、品質の向上には大きく期待したいどころだ。

運転が好きなドライバーが、何年も通勤時間を過ごすクルマとしては、ベストの選択肢とはいいにくい。税制面で有利ではあっても、事前に一度試乗することをオススメしたい。

A 250eのダイナミクス性能は、人によっては筆者ほど気にしないこともあるだろうし、より苛立たしく感じる人もいるだろう。同様に、EVモードがもたらす自動車との暮らしの変化が、大きな感銘を与える可能性は十分にある。

メルセデス・ベンツA 250eは、航続距離が短いEVとして考えれば、極めて優れていることは間違いない。しかし3万ポンド(396万円)を超えるAクラスとして考えた場合、足を引っ張る部分があることも、間違いはないと思う。

メルセデス・ベンツA 250e AMGライン・プレミアム(英国仕様)のスペック

価格:3万5980ポンド(474万円)
全長:4419mm
全幅:1796mm
全高:1440mm
最高速度:234km/h
0-100km/h加速:6.6秒
燃費:90.9km/L
航続距離:69-70km(WLTP)
CO2排出量:26g/km
乾燥重量:1680kg
パワートレイン:直列4気筒1332ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:15.6kWhリチウムイオン
最高出力:218ps/5000rpm(システム総合)
最大トルク:45.8kg-m/1620-4000rpm(システム総合)
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック

こんな記事も読まれています

歩行者でも道交法違反になる! マラソンや駅伝の規制中に警察の指示に従わず「コースを横断」は罰則の可能性アリ!!
歩行者でも道交法違反になる! マラソンや駅伝の規制中に警察の指示に従わず「コースを横断」は罰則の可能性アリ!!
WEB CARTOP
電動車ブランドになったヒョンデが、あえて高性能モデル「N」を日本に投入する理由とは?
電動車ブランドになったヒョンデが、あえて高性能モデル「N」を日本に投入する理由とは?
レスポンス
プリウス顔のSUV!!  しかもEVってマジか!!  トヨタ本気のEV攻勢
プリウス顔のSUV!!  しかもEVってマジか!!  トヨタ本気のEV攻勢
ベストカーWeb
日産が新型「エヴォ・コンセプト」世界初公開! めちゃカッコいい「流麗セダン」中国で登場! どんなモデル?
日産が新型「エヴォ・コンセプト」世界初公開! めちゃカッコいい「流麗セダン」中国で登場! どんなモデル?
くるまのニュース
エイドリアン・ニューウェイがレッドブルF1離脱を決断との報道。ホーナー騒動が一因か。チームは2025年末までの契約を強調
エイドリアン・ニューウェイがレッドブルF1離脱を決断との報道。ホーナー騒動が一因か。チームは2025年末までの契約を強調
AUTOSPORT web
ホンダの赤い「新型プレリュード」初公開! “2ドアクーペ”実車展示で反響スゴい!? 25年登場!? 車名復活で米国でも注目
ホンダの赤い「新型プレリュード」初公開! “2ドアクーペ”実車展示で反響スゴい!? 25年登場!? 車名復活で米国でも注目
くるまのニュース
スズキ「GSX-8R」の仕立ては想像超え!! 親しみやすく扱いやすいマルチなポーツバイクだった
スズキ「GSX-8R」の仕立ては想像超え!! 親しみやすく扱いやすいマルチなポーツバイクだった
バイクのニュース
ランドローバー ディスカバリースポーツ、エントリーグレードを追加…2025年モデルの受注開始
ランドローバー ディスカバリースポーツ、エントリーグレードを追加…2025年モデルの受注開始
レスポンス
デカすぎ……レクサスLMは48インチのディスプレイ採用!! もう「高級車=セダン」は時代遅れ? 高額なミニバンやSUVが登場するワケ
デカすぎ……レクサスLMは48インチのディスプレイ採用!! もう「高級車=セダン」は時代遅れ? 高額なミニバンやSUVが登場するワケ
ベストカーWeb
トヨタ「GRヤリス」のマイナーチェンジはフルモデルチェンジに等しい! 初期型ユーザーは買い替えのご準備を
トヨタ「GRヤリス」のマイナーチェンジはフルモデルチェンジに等しい! 初期型ユーザーは買い替えのご準備を
Auto Messe Web
マットモーターサイクルズのニューモデルDRK-01(250/125)受注開始!同社初の水冷エンジン搭載車は6月下旬発売予定
マットモーターサイクルズのニューモデルDRK-01(250/125)受注開始!同社初の水冷エンジン搭載車は6月下旬発売予定
モーサイ
「コイツ、実はクルマです…」馬って公道OKなの!?高速道路は?
「コイツ、実はクルマです…」馬って公道OKなの!?高速道路は?
月刊自家用車WEB
テスラのすべてのモデルが新価格に! Model 3 RWDやModel Y RWDがこんなに安く!
テスラのすべてのモデルが新価格に! Model 3 RWDやModel Y RWDがこんなに安く!
月刊自家用車WEB
テスラ、モデル3に価格改定とスポーツ走行まで楽しめる”パフォーマンスモデル”を追加
テスラ、モデル3に価格改定とスポーツ走行まで楽しめる”パフォーマンスモデル”を追加
月刊自家用車WEB
渋滞対策の最終兵器! 『渋滞情報マップby NAVITIME』ならリアルタイムで渋滞回避をサポート
渋滞対策の最終兵器! 『渋滞情報マップby NAVITIME』ならリアルタイムで渋滞回避をサポート
月刊自家用車WEB
【ドライブグルメ 番外編】2024年、一番うまい「ハイウェイめし」は何? NEXCO東日本「ハイウェイめし甲子園」入賞グルメ表彰式レポート
【ドライブグルメ 番外編】2024年、一番うまい「ハイウェイめし」は何? NEXCO東日本「ハイウェイめし甲子園」入賞グルメ表彰式レポート
Webモーターマガジン
アウディ 150kW急速充電設備の「チャージングハブ」を東京千代田区紀尾井町にオープン
アウディ 150kW急速充電設備の「チャージングハブ」を東京千代田区紀尾井町にオープン
Auto Prove
日産「最後のGT-R」発売へ “R35型” 17年の歴史に幕… 再び消える「GT-R」はまだ「新車購入」できるのか
日産「最後のGT-R」発売へ “R35型” 17年の歴史に幕… 再び消える「GT-R」はまだ「新車購入」できるのか
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

498.0558.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.9570.0万円

中古車を検索
Aクラスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

498.0558.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.9570.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村