DTMの代表であるゲルハルト・ベルガーは、ノリスリンクで行なわれたDTM今季最終戦でマキシミリアン・ゴッツがチャンピオンを決めたその”戦法”について、シリーズの評判を傷つけたと考えており、今後対処していくことを明らかにした。
今季のDTMは、AFコルサのリアム・ローソンがランキング首位で最終ラウンドを迎えた。しかしその最終レースのスタート直後、タイトル争いを繰り広げていたライバルであるケルヴィン・ファン・デル・リンデに接触されてしまい、ポジションを大きく落としただけでなく、マシンにダメージを負うことになった。
【動画】物議を醸す、2021年DTM最終戦ノリスリンク・レース2 ハイライト
ローソンは走行を続けたものの、ダメージによりそのペースは圧倒的に遅かった。しかし、タイトルを争うゴッツは3番手を走行しており、そのままフィニッシュすればローソンがタイトルを獲得するはずだった。
しかしレース終盤、首位を走っていたルーカス・アウアーとマキシミリアン・ブークにチームオーダーが伝えられ、ゴッツが首位に。そのままトップでフィニッシュし、2021年のDTMチャンピオンに輝いた。
アウアーとブークは、チームこそ違うものの、ゴッツと同じメルセデス陣営。つまりふたりが順位を譲ったことで、ゴッツがチャンピオンを手にしたのだ。僅か3ポイントの差でタイトルを逃すことになったローソンは、「もうDTMには戻りたくない」と公言している。
このタイトル決定劇についてベルガー代表は、ノリスリンクでのレースに感銘を受けることができなかったこと、そしてDTMのファンに説得力のある形でチャンピオンを”届ける”ことができなかったことを認めた。
「正直に言って、ここ数日はよく眠れなかった」
そうベルガーは語った。
「私はもう40年もモータースポーツを見てきた。そして私のスポーツマンとしての心は、今回のような人為的な形でのポジション入れ替えに対処することはできない」
「メルセデスのチームオーダーと、ファン・デル・リンデのドライビングについては、議論を巻き起こしただけでなく、DTMにダメージを与えたと思う」
「今シーズンのDTMの魅力を高めるために貢献し、DTMが最後のレースまでハードでフェアなレースをするためにあらゆる努力をしてくださった全ての関係者に、心からお詫び申し上げたいと思う」
「残念なことに、最後のレースでそれが実現できなかった。我々にとっても、そしてファンの目にとっても、ショックなことだったと思う」
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みんなのコメント
チームオーダーは、メイクスタイトルへの戦略。
ゴッツが可愛そうだ。