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昭和オヤジの「腕」を磨き「財布」を空に! 独断と偏見で選ぶ80&90年代の「国産激速ハッチ」トップ10

掲載 更新 25
昭和オヤジの「腕」を磨き「財布」を空に! 独断と偏見で選ぶ80&90年代の「国産激速ハッチ」トップ10

ハイパワー2ボックスカーがたどってきた熱狂クルマ時代

 1980年代から1990年代にかけ、2ボックスカー全盛の時代にヤング層を魅了した走りの「ホッチハッチ」。各メーカーがリリースする2ボックスカーには、例外なくハイパワーエンジンを搭載したホットハッチが用意されていた。これら印象に残るホットハッチのなかから、独断と偏見でベスト10を選んでみた。

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 ところで、独断と偏見と前置きしたのは、時代の流れとともに性能の絶対値が向上し、現役当時は目立った性能だったモデルが、何年か経て振り返ってみると、とくに大した性能でもない場合が起こり得ているからだ。基準はあくまで新車発表時、その時代のなかで熱い走りを感じさせたモデルという選択基準だ。

【第10位:三菱・ミラージュII 】

 第10位は、やはりホットハッチの先鞭をつけた三菱ミラージュIIターボを挙げるべきだろう。ミラージュ自体も1978年に登場した日本車2ボックスハッチバックの先駆けだったが、マイナーチェンジを受けた1982年、1.4リッターエンジンにターボを装着したモデルを発表。なんとキャブレターターボで、まだ過給制御も初歩的なものだったことはいたしかたないが、パワーは105psと1.4リッターモデルとしては破格。不用意にアクセルを踏み込もうものならジャジャ馬ぶりを発揮。ハイパワーFFとはこんなにも荒っぽいのか、と痛感させられた。

【第9位:ダイハツ・シャレード926ターボ】

 第9位は、ダイハツ・シャレード926ターボ。3気筒エンジンのリッターカーとして斬新な技術が評判となったシャレードのターボモデルだ。シャレードの標準エンジンは993ccのCB型だったが、926はこのエンジンの排気量を926ccに引き下げたCE型エンジンを開発して搭載。ターボ係数1.4を掛けて1300cc以下に収まるよう作られた競技ベース車だったのだ。パワーは76psと目立った数値ではなかったが、スポーツチューンで大幅な性能向上が見込めるサラブレッドで、排気量がそのまま車両名となった限定車だった。

【第8位:マツダ・ファミリアターボ】

 第8位は、マツダ・ファミリアターボ。FRからFFに変身を遂げた初代FFファミリア(BD型)のターボモデルだ。BD型自体の登場は1980年。その後この1.5リッターはEGI化されて95psに(1983年1月)、さらにターボを装着して115psとしたモデルが追加(1983年6月)された。EGI仕様のモデルでも十分パワフルだったが、ターボとなって動力性能は大幅に向上。しかし、シャシー性能(サスペンションバランス)に優れ、危なっかしさを感じさせない優れたモデルだった。

【第7位:シティ・ターボ&ターボII(ブルドッグ)】

 第7位は、初代シティ・ターボとターボII(ブルドッグ)。その名のとおり、もともとシティ派の足グルマとして企画された1.2リッター(67ps)のシティに、ターボを装着して100psとしたモデル(1982年)だった。

 しかし、NAエンジンでもギリギリだったシャシー性能は、ターボエンジンの搭載で完全にエンジンパワーが上回ることに。さらに1年を経た1983年にはインタークーラーを装着して110psにバワーアップしたターボIIを投入。ある意味、ジャジャ馬の極地のようなクルマで、そのハンドリングはスーパーホットだった。

【第6位:いすゞ・ジェミニ「ハンドリング・バイ・ロータス」「1.6イルムシャー」】

 第6位は、いすゞ・ジェミニ(JT190型)の4バルブDOHCエンジン(4XE1)搭載車。グレード名でいえば「ハンドリング・バイ・ロータス」と「1.6イルムシャー」だ。トヨタ4A-Gとは好対照の存在で、中高速域でパンチ力のあるエンジン(130ps)が走りに迫力を生む車両だった。 

 サスペンションチューンも行われ、バランスに優れたホットハッチを意図したが、どちらかといえばエンジンが優る感触だった。プレミアム性の高いグレードで他車との差別化を図っていた。次世代ジェミニ(JT191型)では180psの4WDイルムシャーRが登場しているが、あえてホットハッチ(形状的に)のカテゴリーには含めなかった。

【第5位:日産・マーチ(スーパーターボ)】

 第5位は、1988年に登場した日産マーチ・スーパーターボ。スーパーなターボだから付けられたネーミングではない。低中速域をスーパーチャージャー過給、中高速域をターボチャージャー過給としたツイン過給機システムを備えるモデルだった。もともとモータースポーツベースとして開発されたマーチR用の930cc、MA09ERT型エンジンを一般用途の車両に搭載したモデルで、リッターカーながら110psを発生。パワー特性は申し分なくそのスピード感も十分だったが、いかんせん重量バランス、サスペンション性能が追従できず、やはり荒馬的なハンドリングのホットハッチだった。

【第4位:トヨタ・スターレットターボ】

 第4位は、トヨタ・スターレットターボ。FF化された初のスターレット(EP71)のターボモデルで、登場は1986年と早かった。1.3リッターSOHC12バルブ(吸気2/排気1)の2E型エンジンにロー/ハイの過給圧2段切り替え機構を備えた105ps仕様として登場。

 NA仕様では素直なハンドリングとして高い評価を得ていたスターレットだったが、ターボの装着でエンジン先行型に変貌。少し怖さもあった。そして登場から1年、マイナーチェンジの際にサスペンションなどが見直され、エンジンも110psにパワーアップ。ハンドリングは改善され軽快で速いリトルギャングに。いかにもトヨタらしい品質の安定感が印象的だった。

【第3位:日産・パルサーGTi-R】

 いよいよトップ3だが、まず第3位には日産・パルサーGTi-R(1990年)を挙げることにする。N14型パルサーのターボ4WDモデルで、搭載する2リッターSR20DET型エンジンは230psを発生。U12型ブルーバードSSS-Rで開発された電子制御による4WDシステム、ATTESAを搭載。文句なく日本車最強のハッチバックで、動力性能は他の性能自慢のホットハッチと較べても一段抜け出る存在だった。

 しかし、重厚すぎる(?)走り味は、ある意味、ホットハッチの身上である軽快性とは少々異なるものだった。断トツの性能を加味して第3位に。

【第2位:マツダ・ファミリアGT-X(BG型)】

 第2位には、パルサーGTi-Rと同じターボ4WDながら、軽快性を残した素直なハンドリング、ターボ過給による優れたパワー性能を持つことで、1989年にデビューしたファミリアGT-X(BG型)をランクさせた。ターボ4WDの先駆けとなったBF型ファミリアターボ4WDからの正常進化版で、180psの1.8リッターBP型ターボエンジンを搭載し、ハンドリングのよさが光るモデルだった。この車両をベースに、グループA規定のWRC参戦も計画。その後のGT-R(210ps)に発展し、パワー、トラクション(4WD)、ハンドリングを備えたホットハッチとして高く評価できるモデルだった。

【第1位:ホンダ・シビックSi(AT型)】

 そして、栄えある1位にはホンダ・シビックSi(AT型)を選んだ。高性能ハッチバック戦線にシティで名乗りを挙げたホンダだったが、走りのバランス(総合性能)を考えると、もっとシャシーキャパシティの大きな車両が必要不可欠だった。ホンダは、1983年にフルチェンジした3代目シビックに、翌年、自然吸気の1.6リッター4バルブDOHCエンジン、ZC型(130ps)を開発して搭載。 これがシビックSiで、高回転高出力型を身上としてきた歴代ホンダ高性能エンジン群にあって、異様とも思えるロングストローク型を採用。しかし、ハイエンドまでトルクの落ち込みを感じさせず、むしろショートストロク型で高回転域を狙った他社のDOHCよりはるかによく回るエンジンだった。もちろん、パンチ力はクラス随一。ワイド&ローのシビックの車体と合わせ、ワインディングを矢のごとく走り抜けた。まさにホットハッチ、走りの楽しさを堪能させてくれるモデルだった。

文:Auto Messe Web 『Auto Messe Web編集部』
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みんなのコメント

25件
  • この中でブルドック、イルムシャーR、スターレットターボ、シビック兄弟車のCR-X Siに乗りました。イルムシャーRは4ドアセダンで使い勝手がいいので今も手元にあります。
    この当時は各社が競い合って種々の車が市場にあふれ、選択に迷うばかりで短期間で買い替えていました。
    それに比べ現在では燃費性能や安全性能は高くとも、食指の動くような車がなくて寂しくなりましたね。
  • ワンダーシビックは斬新で欲しかった車。SIがDOHCで当時、OHCかDOHCかで話が盛り上がるしDOHCモデルに乗っているとカッコよく見えた(笑)カットされたようなリアスタイルはとても新鮮でお洒落に映ったな~当時のホンダのパワステはめちゃめちゃ軽くて怖いくらいだったけどウィークポイントが無い車だったように覚えてる。シャレードのデトマソもカッコよかった!この頃は車にドキドキしたものです(笑)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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