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俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記第2部「少年探偵団編」のVol.7──ローバー・ミニ

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俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記第2部「少年探偵団編」のVol.7──ローバー・ミニ

「ボ、ボ、ボクらは少年探偵団・ヤングタイマー探訪記第2部」のはじまりです。1980年代、1990年代に販売された“ちょっと、古い、クルマ”に焦点を合わせ、クルマをこよなく愛する俳優・永山絢斗が当時の車両の正体を暴く“探偵”に扮します。永山探偵をサポートする“物知り少年”は自動車評論家の小川フミオ(少年O)とGQ JAPAN編集部のイナガキ(少年I)のふたり。取り上げるのは、ローバー・ミニだ。

懐かしい『ミニミニ大作戦』

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少年I 私のテイラーのところへ連れてってくれ。

少年O 今日はすてきなベージュのスーツを着て登場ですか……。

少年I 私の名はチャールズ・クローカー。

少年O 1969年公開の英米合作映画『The Italian Job』の主人公、サー・マイケル・ケインが演じた泥棒の名前ですな。そのセリフは、映画で刑務所から出所した主人公が、最初にテイラーに行きたいって言うところですね。

少年I あの映画でサー・マイケルが着ていたスーツ、よかったですね。

少年O 手がけていたのは、ダグ・ヘイワード。フリーランスのテーラーとして、当時、俳優のためにスーツを作っていたひとです。

【前話】メルセデス・ベンツSクラス(W126)

探偵 それが今回のミニとどう関係があるのでしょうか?

少年I 自動車好きにはたいへん人気の高いこの映画の邦題は、かわいらしい『ミニミニ大作戦』。英国の泥棒たちが、イタリア・トリノで金塊を盗みだそうと画策する、カーチェイスたっぷりのコメディアクションです。これ、邦題のとおり、ミニが主人公っていってもいい作品です。3台のミニのリーダー役がサー・マイケル・ケイン。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
メルセデス・ベンツ500E
ランチア・デルタHFインテグラーレ
マセラティ・ギブリ(2代目)

少年O 登場するのは、オースチンのミニ・クーパーSマークI。この企画が持ちこまれたとき、当時ミニを作っていたBMC(ブリティッシュモーターコーポレーション)は乗り気じゃなかったそうです。いっぽう、フィアットはその正反対。全社をあげて協力してくれて、さらにミニの代わりにフィアットを使ってくれたら多額の資金援助をすると申し出たとか。

少年I  2003年には、マーク・ウォールバーグが主演したリメイク版も公開されましたよね。なにはともあれ、西欧の映画って、クルマをうまく使いますよねえ。

3大発明のひとつ

少年O ミニは、戦後の英国工業界の3大発明のひとつって言われているんです。残りのひとつは、世界初のジェット旅客機の「コメット」、もうひとつがマクラーレンのベビーバギー。後者は、大戦時にRAFでスピットファイアに乗っていたオーウェン・マクラーレンが、周囲の母親たちが”ベビーバギー使いたいけど使いにくいわ”と、こぼすのを聴いたのがきっかけとか。飛行機の装備にヒントを得て簡単に組み立てと折りたたみが出来るパイプフレームのバギーとして、1965年に発明したものです。

探偵 マクラーレン(MacLaren)って、スーパーカーのマクラーレン(McLaren)とは無関係ですよね?

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
ユーノス・ロードスター(初代)
ホンダ・NSX(初代)
シトロエンCX

少年O ハイ。いっときは、青山にいくとマクラーレンのベビーバギーで溢れていました。いまはオランダのバガブーでしょうか。

少年I 今回取り上げるのは、1991年型のローバー・ミニ1.3i。ミニは1959年にデビューして2000年まで作られたかなりの長寿車ですね。ほとんど外観が変わっていないのは、1936年に登場したフォルクスワーゲン「ビートル」とおなじですね。

探偵 これだけ長いあいだ愛されてきたクルマって、珍しいですよね1989年うまれの私にとって、初代ミニやビートルは興味ひかれるクルマです。どちらもリバイバル・モデルが販売されましたが、やっぱり初代が1番興味深いです。

少年I 今回のミニは、フォトグラファーの小塚大樹さんが乗っている個体です。1995年生まれの小塚さんがミニに乗るきっかけは、京都で長年トライアンフ「TR3A」に乗る“エンスー”なお父さまの影響があったからだそうです。

少年O すばらしいお父さまですね。ちなみトライアンフのナンバー「京58」……歴史を感じます。

中古車市場で高騰中

少年O さっそく乗らせてもらいましょう。

探偵 あらためて実車に接するとコンパクトですねぇ。全長たったの3050mmなんですもんね……運転席にいながら後席のバックレストに手が届いてしまう。室内のタイトさはスポーツカーみたいです。小塚さんのクルマは4段マニュアル。ギア比がけっこう接近しているので走りやすいし、“カチッ”としたシフトフィールも期待いじょうです。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
アルファロメオ・スパイダー(初代)
日産PAO
スバル・レガシィ・ツーリングワゴン(初代)

少年O マニュアル車で高速道路を走っていると、わりとギア比が低いので、無意識的に5速にシフトアップしようとしちゃいます。そのたびに、”あ、5速はないんだ”と、思い知らされます。とはいえ、どんな道でもけっこう走れちゃう。

探偵 トルクもけっこうあって、力不足は感じません。いまも現役で通用しますね。路上で見かける理由がよくわかりました。

少年I 『GQ JAPAN』のスズキ編集長によると、現在ミニは個体数がうんと減って、値上がり傾向にあるそうですよ。海外に輸出されたものがとても多いのだそうです。いっときのポルシェ「911」や、古いメルセデス・ベンツのセダンみたいな現象ですね。

探偵 いまBMWがつくるミニは、さかんに「ゴーカート・フィーリング」を謳っていますよね。ステアリング・ホイールを切ったときにボディがあまりロールしないセッティングを、“まるでゴーカート用車両”のようである、と。オリジナルのミニを操縦してみて「なるほど!」と、理解できました。ステアリングはかなりクイックですね。

少年O スポーティな操縦感覚が、褪せない魅力になっていますね。かくいう私も、いまでも、いちどはミニのオーナーになってみたいと思っております。

少年I ミニってグレードが豊富ですよね。ミニ・クーパーがあって、ミニ・クーパーSがあって、さらにラゲッジルームを大きくしたカントリーマンとかクラブマンとか。

少年O そういえば1968年までのモデルは、サスペンションがハイドロラスティック式という、水とアルコールの混合液を使っての前後関連懸架方式をもっていたのが特徴です。乗り心地がいいんですよね。そのあとのラバーコーンのサスペンションしか知らないひとが乗ったら、ミニってこんなに乗り心地がいいんだ! と、びっくりすると思います。ただし、走行状況や路面の状態によっては、ややおさまりが悪くなる傾向があったと記憶しています。

探偵 メインテナンス性のことを考えると、1969年にマークIIIになったクーパーSとかよさそうですね。

少年I 中古車市場では600万円超えです。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
スバル・レガシィ・ツーリングワゴン(初代)
ユーノス・ロードスター(初代)
ホンダ・NSX(初代)
シトロエンCX

少年O あまり“趣味”に走らなくても、いいかもしれないですね。1990年代につくられた高年式のフツウのミニでも、今回のように、楽しいし、利便性が高いですから。ちょっとひねりが欲しかったら、カントリーマンのボディとか、あるいはフロントマスクがちがうクラブマン、また、イタリアのイノチェンティが1968年から1976年まで生産していた、通称“イノミニ”なんてどうでしょう。1972年型までハイドロラスティック方式ですし。一時期、日本でもけっこう走っていましたが、見かけなくなりましたね。

少年I ほかにも、独立したトランクをくっつけたライリー「エルフ」とかウーズリー「ホーネット」といった高級仕様や、ゴルフカートのような「ミニ・モーク」、さらにスポーツカーメーカーのマーコスがミニのパーツを多く使って作りあげたマーコス「ミニGT」などもありました。

探偵 派生車種が多いですね!

少年O マーコスは、デハビランド・エアクラフトカンパニー出身の空力技術者で、ロータスマークVIIIなどのボディも手がけたフランク・コスティンが共同創設者を務めた小さなメーカーです。と、まぁ、すぐ解説がマニアックになってすみません。

少年I そういえば、サー・マイケル・ケインのスーツを作っていたダグ・ヘイワードも、当時移動にはミニ・カントリーマンを使っていたそうです。荷室にスーツなどを搭載して。

探偵 ミニがあったから、英国のカルチャーが発展したようなエピソードですねえ。

【プロフィール】
俳優・永山絢斗(ながやまけんと)

1989年3月7日生まれ。東京都出身。2007年『おじいさん先生』(日本テレビ系列)で俳優デビュー。連続テレビ小説『おひさま』や『べっぴんさん』(NHK総合)、『ドクターX~外科医・大門未知子~ 第5シリーズ』(テレビ朝日系列)、そして2021年には『俺の家の話』(TBS系列)に出演。映画では2010年の『ソフトボーイ』で第34回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。

<出演情報>
・2021年10月9日スタートの土曜ナイトドラマ『言霊荘』(テレビ朝日)に中目零至役で出演。

【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
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【衣装】
スタイリスト私物

まとめ・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) スタイリスト・Babymix ヘア&メイク・竹下フミ 撮影協力・ザ・キャピトルホテル東急

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みんなのコメント

2件
  • 永遠の29歳のイナガキは少年ですか。
    てか、定期的に写真にしゃしゃり出るなんて。。。
    あ、ナルシストなのは皆知ってます。
    早くモデナのネタ見つかるといいね。オウナー。
  • 背が低すぎて、発見しずらく危険な車の様に思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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