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【試乗】日産アリアNISMOは加速も旋回Gもレーシングドライバーがクラクラするレベル! 想像を遙かに超えるバカッ速マシンに仕上がっていた

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【試乗】日産アリアNISMOは加速も旋回Gもレーシングドライバーがクラクラするレベル! 想像を遙かに超えるバカッ速マシンに仕上がっていた

 この記事をまとめると

■日産がEVのアリアに「NISMO」グレードを追加設定した

アリアNISMOの「NISMOモード」に興奮必至! フォーミュラEの技術をつぎ込んだガチの走り系が誕生【TAS2024】

■レーシングドライバーの木下隆之さんがアリアNISMO B9にテストコース内で試乗

■加速もコーナリングもクラクラするほど速い、でも乗り心地もいいアリアNISMO

 アリアとNISMOという異なると思っていた個性にあった共通項

 異色のコラボだといっていい。アリアは日産が誇るプレミアムクロスオーバーであり、最大の特徴は電気モーター駆動のEVである点だ。一方のNISMOは、モータースポーツの精鋭部隊であり、武闘派で名を鳴らす。水と油のように、それぞれの強烈な個性が馴染むとは思えなかった。

 だが、日産はEVに積極的であり、NISMOもフォーミュラeに参戦する。根の部分では共通項がある。

 今回デビューした「アリアNISMO」はまさにその具体例であり、アリアとNISMOがDNAで共通していることをうかがわせた。

 ベースモデルとなるアリアは66kWhと91kWhの2種類のバッテーリー仕様を備える。アリアNISMOもそれぞれから選択可能だが、駆動方式はe-4ORCEに限定する。というのも、アリアNISMOは、サスペンションやスタビライザーの剛性を高めると同時に、ダンパー減衰力をも引き上げている。それによってハンドリング性能を一気にスープアップさせているのだが、さらには4輪駆動制御もリヤ駆動気味にアジャストしている。e-4ORCEでなければ、理想の走り味が得られないというわけだ。

 動力性能も引き上げている。最大トルクは600Nmで変わりはないが、最高出力は290kWから320kWに強化している(アリアNISMO B9)。それだけではなく、アクセル開度に対する感度を上げている。スロットルオン初期からグイグイと加速するようにプログラミングされているのだ。

 その点でもパワーに耐えられるトラクション性能が欠かせない。e-4ORCE限定なのは、そこにも理由がありそうだ。

 重量級プレミアムEVとNISMOの融合

 さて、そんなアリアニスモの走り味は想像をはるかに超えるほど刺激的だった。過激な加速姿勢になるのは、ドライブモードで「NISMO」をチョイスした場合に限られるのだが、それはそれはもう、頭が クラクラするほど鋭くダッシュする。

 電気モーターの初期からマックストルクを見舞うという特性と、アクセル感度アップが相乗して、半端なスポーツカーなどはるか後方に置き去りにするほどの加速なのだ。

 ハンドリングも同様で、どれほどハードにマシンを追い込んでも、無駄なロールは一切発生しなかった。総車重は2.4トンにも達するのに、グラグラしないのだ。それほど足まわりを固めている。

 アンダーステアの兆候もない。e-4ORCEが後輪気味にトルクを伝えることもあり、コーナリング時の横Gは想像を絶するレベルに達している。加速でクラクラとし、コーナリングでもクラクラとする。

 ちなみに、筑波サーキットを1分8秒台で周回するという。スポーツセダンあたりなら、余裕でカモレそうである。

 不思議に感じたのは、それでも乗り心地がいいことである。スタンダードのアリアは上下動が激しく、乗り心地の悪化を招いていた。だが、アリアNISMOは、ダンパー剛性を上げることでむしろ不快なバウンジングを消し去ることに成功している。これほど走りを鋭くしておきながら、むしろ乗り心地を改善している。それがマジックでもなく現実なのだから恐れ入る。

 ちょっと興味深いのは、「EVサウンド」が備わっていることだ。いわばシンセサイザーでの合成音をアクセルに連動して響かせているのだが、その音階と音質は、日産が走らせているフォーミュラeに似ているというのだ。フォーミュラeをドライブしたことがないので判断できないのだが、おそらくフォーミュラeのコクピットにはこんなサウンドが響いているのだろう。

 EVの加速に不快な点があるとすれば、加速に伸び感がないことである。初期でグッと加速するまでは快感なのだが、そこから先が頭打ちになる。だが、EVサウンドはそのストレスを和らげるかのようにわずかに伸びる。気持ちいいのである。

 というように、アリアNISMOは、試乗前の予想をいい意味で裏切ってくれた。重量級プレミアムEVのフラッグシップとNISMOが見事に融合していた。

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