新進気鋭のピアストリVSエース格のノリス、才能の衝突は避けられない？ マクラーレンF1、不和を予想も「先手は打てる」

　2024年シーズン、マクラーレンF1は参戦2年目を迎える新進気鋭のオスカー・ピアストリとチームを牽引するエース格に成長したランド・ノリスのふたりを揃えている。

　コース上で速さを見せるふたりの間に緊張関係が生じる可能性はゼロではないが、マクラーレンのザク・ブラウンCEOとアンドレア・ステラ代表は、そうしたチーム内不和に対して「先手を打つことができる」という。

　コンビ結成1年目となった2023年は、ノリスにとってマクラーレンで5年目、ピアストリにとってはF1ルーキーというシーズン。イタリアGPでは1度だけふたりが接触したことはあったものの、1年を通して円満な関係を築いた。

　最終的に、獲得ポイントが両者の経験値の違いを反映し、ノリスはピアストリの2倍以上のポイントを獲得。表彰台もピアストリの2回に対してノリスは7回獲得した。

　ただ、ピアストリはカタールGPのF1スプリントで優勝。ノリスもまだ成し遂げていない結果を残し、将来F1スターになり得る才能を持つということをピアストリはまざまざと見せつけた。

　ノリスがピアストリに翻弄され続けたと認めたように、マクラーレンもピアストリが今後さらに強くなると予想している。ふたりは既に“純粋なスピード”で拮抗していることが多く、ブラウンCEOはふたりが「それぞれの目標」を追求する状況に対応する心構えはできているとしながらも、彼とステラ代表はいかなる緊張関係にも「先手を打つ」と語った。

「心配はしていない。ふたりのドライバーがいれば、週末にはどちらかがもう一方を倒さなければならないという意識があるものだ」

　ブラウンCEOはそう語った。

「彼らは今、非常に競争力が高くて、チームのために走る彼らの周りには本当にエネルギーが溢れているのを感じる。おそらく、遅かれ早かれ、彼らが自分たちの目的を追求する日が来ることは分かっている」

「アンドレアと私の強みは、ドライバーマネジメントにあると感じている。そこに先手を打って、健全な競争力を維持できるようにマネジメントできると思う」

　またブラウンCEOは、ノリスとピアストリがモンツァの第1シケインで接触した際、潜在的な問題を長引かせるのではなく「健全な話し合い」を行なったと語った。

「F1での経験から、続けざまに接触が起こるのは目に見えている」とブラウンCEOは言う。

「チーム代表がどうするのか正確には分からないが、腰を据えてそれに対処するといった感じになるだろう。状況がエスカレートしていくのを見たことがあるし、チームも過剰反応しているようにも見えない」

「だから彼らが接触した最初で唯一のモンツァの後、我々はとても健全な会話を行なった。汗をかくようなことはなかったし、2度目、3度目が起こるまで待つべきじゃない」

「このふたりほど速くはないけど、私は過去にドライブした経験があるし、ドライバーの心理や、いつどこで、どのようにアプローチするのかを理解するのに役立つと思う。ドライバーに近づくタイミングを間違えて、かえって状況を悪化させてしまうこともあるからね」