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大波乱のWEC富士、ポルシェ6号車が完勝。トヨタは7号車リタイア&8号車10位、悪夢のレースに

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大波乱のWEC富士、ポルシェ6号車が完勝。トヨタは7号車リタイア&8号車10位、悪夢のレースに

 世界耐久選手権(WEC)第7戦富士6時間レースは、ポイントリーダーのポルシェ6号車(ケビン・エストレ/アンドレ・ロッテラー/ローレンス・ヴァントール組)が優勝を果たした。

 レース折り返しを前に、ピットストップでオーバーカットしたフェラーリ50号車がトップに立ったが、ポルシェ6号車に乗るアンドレ・ロッテラーはそのすぐ背後につけてチャンスを伺った。

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 そして50号車のニクラス・ニールセンが挙動を乱すシーンが多くなると、スタートから3時間5分のところでロッテラーがターン1のインに飛び込みオーバーテイク、ポルシェ6号車が首位を奪還した。

 50号車を交わした6号車は一気にそのリードを拡大していった。この時間帯はトヨタ7号車のニック・デ・フリーズがペース良く、BMW15号車を完全にロックオン。最終コーナーで一気にインに飛び込み、ストレートを待つことなくオーバーテイクを完了して3番手に浮上した。

 デブリ回収のためフルコースイエロー(FCY)が出されたが、すぐにグリーンフラッグ。この時点で、フェラーリ50号車の1.4秒後方にトヨタ7号車のデ・フリーズが迫った。

 デ・フリーズは迷うことなく、再び最終コーナーでインに飛び込み、50号車をオーバーテイク。ストレートで並ばれたものの守り切り、これで2番手とした。ちょうどこのタイミングで首位のポルシェ6号車がピットインし、トヨタ7号車が今回の富士で初めてレースリーダーとなった。

 ただトヨタ7号車もその翌周にピットイン。ポルシェ6号車が左側2輪を交換したのに対し、7号車はタイヤ無交換でピットを出た。7号車は給油時間も短く、ポルシェ6号車よりもピットでのロスタイムを30秒以上短くすることで、7号車は6号車よりも前でコースに復帰することに成功した。

 デブリ回収のための短いFCYの後、タイヤが苦しいフェラーリ50号車に今度はトヨタ8号車のブレンドン・ハートレーも接近すると、ターン1であっさりとオーバーテイク。50号車はポジションを落としてピットに入ることになった。

 ピットタイミングが違うキャデラック2号車がピットに入ると、トヨタ7号車がレースリーダーに復帰。2番手ポルシェ6号車との差は13秒ほどだった。

 レース残り2時間のところで、7号車は早めのピットイン。ここで小林可夢偉にドライバー交代するが、右リヤタイヤの交換に時間がかかり、10秒弱タイムロスをしてしまった。

 残り時間が1時間50分を切ったところで、ランボルギーニ63号車が最終コーナー外側にマシンストップ。これによりVSCが出され、各車続々とピットイン。トヨタ7号車も再びピットに入った。

 VSCで2周した後SC出動に切り替わり、隊列が整理された。首位はポルシェ6号車。2番手にBMW15号車、3番手にトヨタ8号車というオーダー。トヨタ7号車は短い間隔でピットに入らざるを得なかったことで、8番手でリスタートを迎えた。

 LMGT3クラスは、この時点でポイントリーダーのマンタイ・ピュアレーシング92号車ポルシェがトップに。レース序盤は下位に沈んでいたが展開を味方にジャンプアップした。2番手はユナイテッド・オートスポーツ59号車マクラーレン。3番手はチームWRTの46号車BMWが続いた。

 各車ピットタイミングのズレもリセットされ、残り1時間30分の”スプリントレース”がスタート。ポルシェ6号車がうまくスタートを切り、トヨタ7号車の小林可夢偉が一つポジションを上げて7番手とした。

 だがトヨタ勢はスティント序盤のペースがイマイチ上がらず、3番手のトヨタ8号車はアルピーヌ35号車に、トヨタ7号車はポルシェ6号車に後ろからプレッシャーをかけられる展開が続いた。

 そして苦しい展開が続いていたトヨタ勢に悪夢が訪れた。トヨタ8号車がアルピーヌ35号車にターン1からの立ち上がり、LMGT3の車両が絡む中で抜かれた直後、コカコーラ・コーナーでトヨタ7号車とポルシェ5号車が接触。両者大きなダメージを受けた。

 トヨタ7号車の小林可夢偉はターン1でなんとかポルシェ5号車の攻撃をしのいだものの、コカ・コーラコーナーに並んで入っていき、エイペックスで接触しポルシェ5号車がスピン。7号車はランオフエリアに逃れようとしたものの避けきれず、そこで再び接触してしまったようだ。

 両車ともスロー走行でピットに戻り、ダメージを修復すべくガレージにマシンが入れられたが、後に両車走行再開を諦め、リタイアとなった。

 フェラーリも51号車にトラブルがあったかスロー走行でピットに戻り、長時間停車して4周遅れに。その後コースインするも、走行を断念してピットに戻った。ただ50号車はトヨタ8号車の後ろにピッタリとつけた。

 残り57分のところでラストピットインをしたトヨタ8号車は、タイヤを4輪交換。ピットアウト後には、首位のポルシェ6号車とコース外に押し出されるように接触する場面もあった。

 首位のポルシェ6号車は、ターン1で止まりきれずランオフエリアに飛び出すシーンもあったが、大事には至らなかった。

 ラストピットでJOTAの2台がトヨタ8号車の前に出ることに成功。しかし8号車の平川は意地の追い上げで38号車、12号車をオーバーテイクした。

 残り31分、さらなる波乱が起きる。82号車コルベットがダンロップのランオフエリアでストップ。その直後、アルピーヌ36号車と8番手を争っていたキャデラック2号車が100Rで挙動を乱してクラッシュしてしまった。大きなダメージを受けた2号車をなんとかピットに戻すべく、アール・バンバーはめくれ上がったボンネットで前が見えない中でマシンを走らせ、なんとかピットに辿り着いた。

 さらに3番手を走っていたアルピーヌ35号車にドライブスルーペナルティが科され、10番手までポジションダウン。その上8号車にも、ポルシェ6号車と接触した際に青旗無視があったとしてドライブスルーペナルティが科された。これで8号車が10番手まで後退することになった。

 代わって3番手になったのはハーツ・チームJOTA12号車だが、アルピーヌ36号車のミック・シューマッハーが追い上げ、残り6分で12号車をオーバーテイク。表彰台最後の一席を手にした。

 終盤に波乱が連続した大荒れのレースとなったが、首位のポルシェ6号車は15号車BMWに15秒以上の差をつけてトップチェッカー。まさに完勝といった戦いぶりだった。

 2位のBMW15号車、3位のアルピーヌ36号車は共にメーカーにとって嬉しい初表彰台獲得となった。

 トヨタ8号車は10位フィニッシュ。7号車はリタイアに終わり、ホームの富士で悔しすぎる結果に終わった。

 LMGT3クラスは、残り1時間を切ったところで59号車マクラーレンが92号車ポルシェを交わしてトップに再浮上した。だがトップ3は1秒以下のギャップでひと塊り。どうなるか分からない状態のまま、ラストピットが行なわれていった。

 三つ巴の争いを制してトップに立ったのは、ビスタAFコルセ54号車フェラーリ。ポールシッターながらトラブルに泣いた僚機55号車に代わって、クラス優勝を果たした。

 2位はポイントリーダーのマンタイ・ピュア・レーシング92号車。3位は、レース中盤にバレンティーノ・ロッシが追い上げ、マキシム・マルタンにバトンをつなげたチームWRTの46号車BMWが入った。

 日本人ドライバーのLMGT3チームは、木村武史の乗るアコーディスASPチーム87号車レクサスのクラス12位が最上位。佐藤万璃音のユナイテッド・オートスポーツ95号車はトラブルもあり17位。小林洋史のTFスポーツ82号車コルベットは悔しいリタイアとなっている。

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