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真価は磨かれた操縦性 ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテへ試乗 666psのSUV

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真価は磨かれた操縦性 ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテへ試乗 666psのSUV

スチールコイルで車高を20mmダウン

高性能モデルを手掛ける自動車メーカーは、似た方向性で開発を進める傾向がある。本来は異なる位置づけのメーカーでも、トレンドを追い、結果として近似したモデルが導かれる場合は少なくない。アグレッシブなクロスオーバーも、その一例だろう。

【画像】真価は磨かれた操縦性 ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテ 競合する高性能SUV 全169枚

ランボルギーニは、ウラカンを44mmリフトアップした四輪駆動のステラートを発表した。スリークなボディにワイドなフェンダーが追加され、オフロード用タイヤを履く。V型10気筒エンジンを搭載した、現代版ランチア・ストラトスといえそうだ。

そして、ポルシェも911のオフロード仕様、ダカールを先日リリースしている。興味深い事実だと思う。

一方でランボルギーニは、ウルスの派生モデルも生み出した。これまでのエアサスペンションを従来的なスチールコイルへ置き換え、車高は20mmも落とされている。

左右のタイヤの間隔、トレッドが広げられ、カーボンファイバー製のボディパネルで軽量化も図られている。空力特性も大幅に改善されたという。それが、英国価格20万4213ポンド(約3267万円)のウルス・ペルフォマンテだ。

0-100km/h加速は3.3秒。SUVでありながら、スーパーカーでもある。

対するポルシェも、カイエン GTターボをラインナップして迎え撃つ。フェラーリも、プロサングエを投入した。このいずれもが、同じ目標を目指すといっていいだろう。

2150kgある車重を忘れるような加速力

既に英国編集部では、サーキットでウルス・ペルフォマンテを試乗済み。並外れた動力性能は確認している。今回は英国の一般道で、日常的な印象を確かめる番だ。ネタバレになるが、称賛すべき仕上がりにはある。

当然ながら、ウルス・ペルフォマンテはとてつもなく速い。ポルシェが基本設計を施した、4.0L V8ツインターボ・ガソリンエンジンは650psから666psへ最高出力が高められている。最大トルクは86.5kg-mで変わらないが、圧倒的なパワーが放たれる。

2150kgもある車重を忘れるような加速を、いとも容易く生み出す。47kgだが、通常のウルスより軽量化されていることも貢献しているだろう。

アクラポビッチ社製のチタン・エグゾーストシステムは、遠くから聞き分けられるような快音を放つ。ストラーダ・モードを選んでいなければ、かなりウルサイ。

スタイリングにもしっかり手が加えられている。そもそもウルスは控えめなデザインといえないものの、カーボン製ボンネットはツートーンに塗られ、フロントバンパーには盛大にエアインテークが開けられた。

ホイールアーチには、カーボン製のエクステンションが付き全幅も拡大。ペルフォマンテとして自己主張が一層強められている。

ペルフォマンテの真価は磨かれた操縦性

とはいえ、ペルフォマンテの真価は、引き上げられた操縦性にある。ステアリングラックのレシオはクイックになり、アクセルレスポンスはシャープになり、トルセン式センターデフにもチューニングが施された。見た目だけのアップグレードとは一線を画す。

アクティブ・アンチロールバーを装備し、緻密な姿勢制御も実現。感触豊かなアルカンターラ巻きのステアリングホイールを握り、カーブの連続する道を意欲的にこなせる。実際に運転してみると、良い意味で第一印象は裏切られる。

グリップが抜けやすい湿った路面では、トラクションを活かしマナー良く鋭く旋回することも、スライドさせながらワイルドに振る舞うことも可能。後者の方がより楽しいが、グリップとスリップへの推移を操りやすいシャシーを備え、懐も深い。

大柄なSUVではあるが、アクセルペダルの加減でフロントノーズの向きを変えていける。積極的に運転し始めると、ボディサイズは巧みに隠される。

シャシーとパワートレインのシリアスさが引き上げられつつ、存分に直感的に運転できる。もっとも、ドライビング体験での充足感を得るには、非日常的な速度域へ迫る必要があるのだけれど。他の高性能SUVと同様に。

落ち着かない心地 行き過ぎた成果か?

スチールコイルへ置換されたサスペンションは、いささか硬すぎる印象。常に路面の細かな凹凸を拾い、舗装したての区間を走るか、相応の負荷がかかった状態でない限り乗り心地は落ち着かない。恐らく、現実的には乗っている95%の時間で。

英国の道路環境には、ウルス・ペルフォマンテは向いていない。日常的に使うクルマとして選ぶのであれば、アストン マーティンDBX707の方がベターだろう。

ランボルギーニは、ペルフォマンテという称号を与える以上、ウラカン・ペルフォマンテに並ぶようなシリアスさが必要だと主張するはず。アスファルトを焦がす勢いを。

それは理解できるが、ペルフォマンテ化したウルスは、少々行き過ぎた成果といえるかもしれない。これが、特定のドライバーへの訴求力になるのだとは思うけれど。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテ(英国仕様)のスペック

英国価格:20万4213ポンド(約3267万円)
全長:5137mm
全幅:2026mm
全高:1618mm
最高速度:305km/h
0-100km/h加速:3.3秒
燃費:7.1km/L
CO2排出量:320g/km
車両重量:2150kg
パワートレイン:V型8気筒3996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:666ps/6000rpm
最大トルク:86.5kg-m/2300-4500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

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  • ウルスは持ってるだけでも既にプレミアが付いてます。
  • これ、即完売でしたね。私は素のウルスでも十分気に入ってるのでオーダーはしませんでしたが。
    ただペルフォは普段乗りより硬めなんですよね〜。ウルスは元々コンフォートモードが非常に乗りやすく作られてる為
    この辺は好みが分かれるところでしょうね。
    エアサス、サスペンション、遮音性どれを取ってもワーゲングループ最高のSUV商材ですよ。
    アウディやポルシェに無い設定と快適性を持ってくるあたりはグループの最上級としての扱いが伺えますね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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