オリバー・ベアマンら多くの注目ドライバーが参加したことで話題を集めた2024年のスーパーフォーミュラ公式/ルーキーテスト。その中での“隠れたサプライズ”とも言うべき出来事が、三宅淳詞が乗るThreeBond Racingの好調さだった。
2020年からスーパーフォーミュラに参戦しているスリーボンドだが(当初はドラゴコルセとのジョイント)、1台体制ということもあり入賞争いにもなかなか絡めないシーズンが続いてきた。2023年は福住仁嶺が過去最高位の7位を含む4度の入賞を記録して一定の存在感を見せたが、新たに三宅を迎えた2024年は以前の苦境に戻った感があり、無得点でシーズンを終えた。
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しかしながらオフの鈴鹿テストでは、三宅が概ね好調なタイムを出した。初日午前のセッションを7番手で終えると、午後も10番手。2日目に入っても午前7番手、午後9番手と調子を維持したままテストを終えた。参加した全てのセッションでトップ10に入ったことを考えると、ダウンフォースの出やすい冬のオフシーズンテストとはいえ、何か浮上のきっかけを掴んだのではないかと思わされる。
同じく鈴鹿でテストの1ヵ月前に行なわれた最終ラウンドの際には、「クルマのポテンシャルが高くなかった印象」と漏らしていた三宅だが、テスト初日を終えての手応えを問うと「良かったですね」とひとこと。普段から、苦戦している時も暗い表情はあまり見せない三宅ではあるのだが、今回は一段と明るい表情をしているように感じられた。
「2セッション目のアタックは少しミスがあってタイムを更新できませんでしたが、ちゃんとアタックできていればトップは無理でもさらに上位にいけていたと思うし、結構良かったのかなと思いますね」
やはり、今までにないことを試した結果の好タイムなのか? そう尋ねると、三宅は「結論そうですね。今までは正直勝負になってなかったですから。今までやらなかったことやろうか、くらいのノリで来たら、『あれ、意外といけんじゃね』みたいな感じです(笑)」と笑顔で答えた。
感じられるグリップ感も、これまでとは段違いな様子。「本当に、『スーパーフォーミュラだな』と。国内トップカテゴリーのフォーミュラだなという印象です」という三宅のインプレッションからも、マシンのフィーリングが格段に変わったことが感じ取れる。
「まあ(ダウンフォース量の多い)冬ですから。夏になったらダメとか、SFはそういう要素もあるので油断はできないですけど、遅いよりは絶対良いですから。そこらへんは明るい材料だと思いますね」
ただ、先日ホンダ・レーシングから発表された2025年のホンダエンジン搭載チームの参戦体制では、ThreeBond Racingのドライバーは未発表となっていた。これについてのコメントを求めると、三宅は「もちろんレーサーである限りスーパーフォーミュラは乗っていたいし、そのために僕も準備しています。良い報告ができるようにしたいです」と述べた。
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