国内ジャストサイズの復権
国内ではジャストサイズとなる400ccクラス。近年では外国車メーカーが参入。BMW・GSの対抗馬となるKTM390アドベンチャーが投入されるなど、活況を呈している。〈ラインナップ〉■KTM 390 アドベンチャー|390 デューク|RC390 ■BMW G310GS|G310R ■ハスクバーナ ヴィットピレン 401|スヴァルトピレン 401 ■ドゥカティ スクランブラー シックスティツー
●文:沼尾宏明、中村友彦、田宮徹
〈特集〉’20新車バイク総覧
KTM 390アドベンチャー:日本人に最適!? ベストサイズの冒険車
KTMが’20年から発売を開始する「390アドベンチャー」は、既存の1290/790/690アドベンチャーで培った技術を転用して開発された。鋼管トリレスフレーム+水冷単気筒の基本設計は390デュークと共通で、19/17インチのキャストホイールや豊富なストロークの前後サスペンション、オフロードモード付きABSなどは新規開発。ガソリンタンクは390デューク+1.1Lとなる14.5Lの容量を確保している。
―― 【KTM 390 ADVENTURE】■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ 373cc 44ps/9000rpm 3.77kg-m/7000rpm ■車重158kg(乾) 14.5L ■タイヤF=100/9019 R=130/80-17 ●価格:75万9000円
―― カラーバリエーションは2色展開。
KTM 390デューク:KTMのボトムクラスを担うミドルクラスネイキッド
’11年から展開が始まったスモールデュークシリーズは、’17年型で大幅刷新を実施。マスクは1290スーパーデュークに通じる構成となり、フレームはシートレールの固定を溶接→ボルト留めに変更。ライディングポジションや吸排気系、TFTメーターなども見直しが行われた。
―― 【KTM 390 DUKE】■水冷4スト単気筒 373cc 44ps 3.77kg-m ■149kg(乾) シート高830mm 13.4L ●価格:64万1000円
KTM RC390:超軽量+強烈パンチのビッグシングルSS
ノーズが尖ったフルカウルにプロジェクター2眼が個性的な本格スポーツ。ベースは先代デューク390で、エンジンは電スロなどで単気筒ながら怒濤の43.5psを発生する。車体はお得意の鋼管トレリスフレームで、250ツインと比べても圧倒的に軽量だ。足はWP倒立フォークにラジアルキャリパーを組み合わせ、サスペンション設定やキャスター角も専用となる。’20はグラフィックを変更し、ホイール色を橙→黒とした。
―― 【KTM RC390】■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ 373cc 43.5ps 3.6kg-m ■149kg シート高820mm 9.5L
―― 液晶メーターは、ギヤ段数、燃料計、メンテ情報を表示。RPMアラームも搭載する。
BMW G310GS:アニキじゃビビる荒れ地もイケる? 軽量コンパクトが光るGS
BMWの屋台骨を支えるGSシリーズの末弟は、G310Rの基本設計を転用して開発。アドベンチャーツアラーとしての資質を身につけるため、ライディングポジション関連部品と外装を専用設計し、前後サスはストロークを延長。タイヤサイズはこの分野の定番となる19/17インチ。
―― 【BMW G310GS】■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ 313cc 34ps 2.8kg-m ■170kg シート高835mm 11L ●価格:69万5000円~
BMW G310R:特徴的な後傾シングル搭載最も身近なビーエムだ
インド生産の世界戦略車として、BMWの支持層拡大に貢献しているG310R。チューブラータイプのスチールフレームに搭載される水冷単気筒エンジンは、マスの集中化と吸排気効率の向上を実現するため、2輪では珍しい前方吸気/後方排気を採用している。
―― 【BMW G310R】■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ 313cc 34ps 2.8kg-m ■159kg シート高785mm 11L ●価格:62万3000円~
ハスクバーナ スヴァルトピレン401:アップハンドル&ブロックタイヤ。ピレンBROSのスクランブラー
’13年からKTMファミリーの一員となったハスクバーナは、以降は単気筒デュークシリーズのシャシー+エンジンを転用したピレンシリーズを続々と開発。外観に面影は感じられないが、スヴァルトピレン/ヴィットピレン401の開発ベースは390デュークだ。
―― 【HUSQVARNA SVARTPILEN 401】■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ 373cc 44ps 3.77kg-m ■152kg(燃料除く) シート高835mm 9.5L ●価格:69万5000円
ハスクバーナ ヴィットピレン401:今、もっともモダンで未来的デザイン買いなカフェレーサー
スクランブラー仕様のスヴァルトピレンが、ピレリ製ブロックパターンタイヤ+ブリッジ付きアップハンドルを採用するのに対して、ヴィットピレンはロードスポーツとしての魅力を徹底追及。タイヤはメッツラーのオンロード用で、低めのハンドルはセパレート式。
―― 【HUSQVARNA VITPILEN 401】■水冷4スト単気筒DOHC4 バルブ 373cc 44ps 3.77kg-m ■151kg(燃料除く) シート高835mm 9.5L ●価格:68万円
ドゥカティ スクランブラー シックスティツー:中免でもオッケー! 軽快さ極まるヨンヒャクのドカ
’17年から発売が始まったシックスティツーは、現行ドゥカティで唯一となるアンダー400ccモデル。兄貴分と共通のトリレスフレームに搭載されるのは、排気量を803→399ccに縮小した空冷のデスモデュエ。2-1式の排気系はエンジン特性に合わせた専用品。
―― 【DUCATI SCRAMBLER SIXTY2】■空冷4ストL型2気筒2バルブ 399cc 40ps 3.5kg-m ■183kg シート高790mm 14L ●価格:92万円
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