初心者必見!車高調の種類やおすすめブランドを解説
「車高調」と書いて「シャコチョー」もしくは「シャコチョウ」と読みます。これは車高の調節ができるサスペンションキットのことです。アルミホイール、タイヤと足まわりのカスタムを始めた人にとって、次なるステップは車高調でしょう。気になる車高調のあれこれを、わかりやすく解説します。
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きちんとした製品の多くが適法。主なタイプは3種類
今から30年以上前はショックアブソーバーやスプリングを純正以外の部品に交換すると車検に通らなかったりすることがありました。しかし現在は、きちんとした製品(亀裂やガタがない、油漏れがないなど)ならばほとんどの場合は問題なく車検を通せます。今回は多くのクルマが採用するコイルスプリング+ショックアブソーバーのサスペンションについて書いていきます。
エアサスつまり空気バネのクルマをコイルスプリングに変更する場合は申請が必要となります。車高を下げたときも、最低地上高が9cm以上(ホイールベースが3000mm以上の場合は10cm以上)は確保されている必要があります。クルマの寸法はプラスマイナス4cmまでは変更の許容範囲なので、4cm以内の車高ダウンであればそのままで車検合格、4cm以上の車高ダウンを行った場合は構造変更という申請をすれば車検に通ります。ただし、車高を落とした際にヘッドライトの位置などが規則より低くなると、それが問題で車検に通らないことがあります。
車高調には車高を変更する方法によって3つのタイプがあります。ひとつは「ネジ式」で、これはショックアブソーバーにスプリングが装着される部分の長さを変更するものです。スプリングが装着される部分(スプリングシート)を圧縮したり伸張したりして車高を調整します。伸張させすぎるとジャッキアップしてサスペンションが伸びきった状態でスプリングに遊びがでてしまうことがあります。こうなると危険ですし、車検にも通らないことがあります。そうしたときは伸張させすぎない、ヘルパースプリングといって遊びの部分をカバーする弱いバネを取り付けることがあります。
「Cリング式」と呼ばれるものは、スプリングシートの調整をネジではなく、Cリングというクリップで調整するもので、ネジ式が無段階なのに対しCリング式はショックアブソーバーに、あらかじめ刻まれた数段階の溝にCリングを挟み込むことで行います。Cリング式のメリットは調整量を計測しなくても溝の位置で決められるので作業が確実で早く、競技途中のセッティング変更などがスムーズに行えることにあります。
現在、主流になりつつあるのが「全長調整式」です。全長調整式はスプリングを圧縮したり、伸張したりせずにショックアブソーバーの全長を調整することで車高ダウンを可能にするものです。車高の調整はスプリングの圧縮、伸張を伴いませんが、スプリングの圧縮、伸張(プリロード)を調整することで、乗り心地などの味付けも可能となります。
単筒式と複筒式、倒立式、減衰力調整機能について
多くのショックアブソーバーは単筒式と複筒式に大別されます。単筒式というのは注射器のよう筒とピストンで構成されるもの、複筒式はその外側にもうひとつ筒を被せたような構造です。単筒式のほうが構造はシンプルですが、強度・剛性や工作精度に高いレベルが求められコストは高いと言われています。単筒式はショックアブソーバー内のオイルと外気の間には筒の金属一層しかありませんが、複筒式は金属が2層でその金属の間にはガス、もしくはオイル、または空気が存在するためショックアブソーバー内のオイルが冷却されづらいというデメリットもあります。
また、単筒式は倒立式といってピストンとつながっているロッドを下、ショックアブソーバー本体を上にする配置で使うことが可能です。ストラット式のサスペンションはショックアブソーバーがサスペンションのアッパーアームの代わりになっているので、ショックアブソーバー本体を上側にすることでサスペンションシステムとしての剛性をアップすることができます。
車高調のショックアブソーバーは減衰力調整式機構をもっているものが数多く存在します。フロントの減衰力調整はストラットアッパー(エンジンルーム内)で行えるものが多いのですが、リヤサスペンションはラゲッジルーム内のサスペンション頭頂部や、サスペンションの下側取り付け部で行うことになります。当然、サスペンション取り付け部下側で調整するタイプは、クルマに潜り込んで行うような形になります。また倒立式ストラットの減衰力調整もクルマに潜って行うような形になります。一部の減衰力調整式ショックアブソーバーは車内から調整可能な機構を取り付けることが可能です。
おすすめ車高調ブランド5選
車高調はさまざまなメーカーから発売されていますが、ここではメジャーな車高調メーカーの特徴を紹介します。
テイン
https://www.tein.co.jp/
1985年創業のサスペンション専門メーカー。モータースポーツにも積極的に取り組んでいます。ストリート用の車高調は9タイプをラインアップ。注文時に減衰力やスプリングレートのオーダーが可能なほか、オーバーホールにも対応しています。テインの最大の特徴とも言えるのがEDFCというシステム。EDFCは車内から減衰力を調整可能な装置で、多くの減衰力調整式ショックアブソーバーと組み合わせることができます(一部使用不可なものもあり)。
HKS
https://www.hks-power.co.jp/
言わずと知れた日本を代表するチューニングパーツメーカー。エンジン関係パーツからシャシー関連、電子パーツ、エアロパーツとそのラインアップは多岐にわたります。車高調は現在「ハイパーマックスS」というシリーズに集約中で、従来は分散させていた性能を1本に集約できるほどの高性能を実現できたのがその理由だといいます。全長調整式で減衰力調整は30段。ショックアブソーバーとしてはかなり長期な3年、6万kmの保障付き。
クスコ
https://www.cusco.co.jp/
1977年、群馬県にラリーショップとしてオープンしたキャロッセが展開するブランドが「クスコ」。公道を使って行うラリーで得られたノウハウを元に作られた各種パーツは多くのユーザーに高く支持されています。クスコのストリート用車高調はミニバン&ワゴン、コンパクト&軽自動車をターゲットとした青のストリートシリーズと、スポーツ、セダン、ツーリングワゴンをターゲットとした赤のストリートシリーズを展開。ストリートZEROとストリートZERO Aは全長調整式、ストリート(青シリーズのみ)とストリートAはネジ式となっています。
RS R
https://www.rs-r.co.jp/
足まわりやマフラーなどのスポーツパーツでおなじみのRS Rからは数多くの車高調が販売されています。そのなかでもスタンダードシリーズと言われるモデルは、ベストiインテリジェンス、ベーシックiインテリジェンス、C&Kベストiインテリジェンスという3モデル。ベーシックiインテリジェンスは減衰力固定式、その他2モデルは36段調整となります。いずれのモデルも全長調整式です。そのほかにもスペシャライズドシリーズとしてトヨタAVSに対応するものやレース対応モデル、さらには車高アップが可能なモデルなども用意されます。
タナベ
https://www.rd-tanabe.com/tanabe/
1982年の創業以来、モータースポーツに深く関わってきたタナベからも数多くの車高調が販売されています。そのなかでもストリートユースとしては3種を用意。サステックプロZT40は超微低速域にまでこだわったシリーズ最高モデルの全長調整&40段減衰力調整タイプ、サステックプロCR40はネジ式車高調整タイプで40段の減衰力調整が可能、サステックプロCRはネジ式で減衰力固定式タイプとなっています。さらに走りを追求するユーザーにはGTファントゥライド・ダンパーという全長調整&40段減衰力調整式タイプが用意されています。
著者:諸星陽一
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