現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 歴代「インプレッサWRX STI」最速王座決定戦!「筑波サーキット」タイムアタック・ベスト10

ここから本文です

歴代「インプレッサWRX STI」最速王座決定戦!「筑波サーキット」タイムアタック・ベスト10

掲載 更新 29
歴代「インプレッサWRX STI」最速王座決定戦!「筑波サーキット」タイムアタック・ベスト10

筑波を舞台にしたインプレッサWRX STIの最速王はどれだ?

 新型の発売が待たれる、いまや世界中のスバルファンから一目置かれる存在がスバル「WRX STI」だ。現在ではスバルの走りを担う顔となるモデルだが、その誕生はスバルが「WRC(世界ラリー選手権)」で勝つために生まれたインプレッサからの派生モデル。

独特の「ドコドコ」音がこっそり復活? スバル車に「ボクサーサウンド」が出ていた理由とは

 そこで月刊自動車雑誌「CARトップ」が、1980年代から現在まで続けている、新型車の限界性能を筑波サーキットで定点観測する人気企画「筑波アタック」(サーキットテスト)で、インプレッサWRX STIの激闘を振り返る。

負けられないライバル関係がインプ&エボの性能を急激に進化させた

 インプレッサWRX STIの歴史は、1992年秋に始まった。奇しくも長くライバル関係が続いた三菱ランサー・エボリューションと同じ年なのだが、これは偶然ではないだろう。 それはスバルと三菱が談合したという意味ではなくて、あくまでもWRCで勝つためにひと回り小さな軽量ボディが必要となり、スバルがレガシィからインプレッサへ、三菱がギャランからランサーへとベース車両をチェンジしたからだ。そして1992年、WRCでも市販車においてもインプレッサWRX STIとランサー・エボリューションの仁義なき戦いが始まった。

インプレッサWRX STI史上最速モデルから発表!

 インプレッサWRX STIの筑波サーキット最速タイムを記録したのは、GDB型「インプレッサWRX STiスペックC」となった。車両重量1370kgのWRX STiスペックCだ。タイムは【1分04秒17/2005年年3月】で、これが最速タイムだ。 いわゆる第二世代の中間である涙目の軽量モデルで、エンジンやタイヤ、テスト時の気候(3月)といったコンディションがばっちりハマったこともタイム樹立に起因しているのは確か。ラップタイムはエンジン性能、車両性能に対しての力強さ(パワーウエイトレシオ)、タイヤ性能とテスト時の気温、路面のコンディションなどといろいろな要素が絡み合うが、それがテスト日の筑波サーキットにあったという要因も加わる。

 ランキングでいえば、1000台以上という長い歴史を誇る筑波アタックの全体ランキングで30位。海外勢や他社製のスーパースポーツが混在するなかでの27位は、見事としか言いようがない。 ちなみに同日にテストした同モデルの量販仕様である「インプレッサWRX STi」(GDB型/涙目)は【1分05秒01/2005年3月】をマーク。軽量モデルのスペックCがランキングにズラリと並ぶなかで、インプレッサWRX STiシリーズのなかでも8位の好タイムとなる。しかも販売台数の多い充実装備のインプレッサWRX STiながら全体で43位(※2016年時点)と健闘している。スペックCとのタイムの差は充実装備による車両重量増によるものと考えると、その意味ではインプレッサWRX STiシリーズの高性能さを物語る。

コンマ1秒のなかに4台のスペックCがランクイン!

 ランキング2位は、【1分04秒63/2004年1月】を記録した「インプレッサWRX STiスペックC」(GDB型/涙目)となった。 続いて3位は、【1分04秒69/2003年2月】を叩き出した「インプレッサWRX STiスペックCタイプRA」(GDB型/涙目)。

 4位が「インプレッサWRX STiスペックC」(GDB型/涙目)が【1分04秒71/2002年11月】を記録した。

 そして5位にランクインしたのが【1分4秒72/2006年12月】をマークしたGDB型最終仕様(鷹目)の「インプレッサWRX STIスペックC タイプRA-R」だ。 6位以降もGDB型なのが面白い。

 6位は標準車の「インプレッサWRX STi」(GDB型/涙目)でありながら【1分04秒84/2002年12月】を叩き出し、続いて7位がインプレッサWRX STiスペックCタイプRA(GDB型/丸目)が【1分04秒89/2002年1月】をマーク。軽量な丸目型スペックCが優位に思えるが、世代交代で涙目に進化した標準車のポテンシャルアップ分が軽量ボディを上まわった結果ともとれる。 8位は先に紹介したので割愛するが、9位は【1分05秒20/2004年1月】をマークしたインプレッサWRX STiスペックC(GDB型/涙目)。 10位は【1分05秒45/2003年6月】を記録したインプレッサWRX STiスペックCリミテッド(GDB型/涙目)となった。

トップ10をなんと2代目モデルの「GDB型」が独占!

 まさかトップ10のすべてが第二世代のGDB型に集中したことは驚きだ。インプレッサWRX STIシリーズの長い歴史のなかで、ここまで第二世代(GDB型)ばかりに集中した理由は、軽量モデルのスペックCが1390kg(17インチ仕様)であったのに対して、その後、モデルチェンジして登場したGRB型スペックCは1450kg(18インチ仕様)もあり、やはり重量が足かせになったことは否定できない。 筑波アタックでは、グレード違いの車両を持ち込み比較テストを行うこともあったが、インプレッサWRX STIは標準仕様に対して、軽量なスペックCの方がつねに速いラップタイムを記録している。昔から言われていたことだが、スポーツカーの運動性能にとって「軽さこそが正義」。走りの楽しさこそ重量(軽さ)では測れないが、ことサーキットでの限界テストとなると、軽さがタイムに対して有利に働くことが明らかになった結果ともいえる。

初代GC8型も4年間の進化でラップタイムを2秒も短縮

 ちなみにトップ10ランク外になるが、第一世代の最速は初代GC8型「インプレッサWRX STiバージョンIII」が【1分05秒92/1996年12月】で13位にランクイン。当時は2Lターボとは思えないほどの好タイムを記録。それは第一世代のインプレッサWRX STiだけでなく、ライバルの三菱ランサー・エボリューションの第一世代と比べても、目を見張る速さを誇っていた。 余談ながら1992年11月のテストで初登場したGC8型の軽量モデル「インプレッサWRXタイプRA STiバージョン」のタイムは【1分07秒99】で、GC8型の最速タイム比較すれば4年間で2秒も縮めたことになる。この短期間で大幅な性能の向上。これが現在にも続くWRXの歴史を紡がせる人気の原点と言える。 そして14位に入ったのは、【1分05秒95】を記録したインプレッサWRX STI(GRB型)で、GRB型としてはそれまで5回のタイムアタックを行っているが、これが第三世代の最速。第三世代は、WRC(世界ラリー選手権)のレギュレーションが不利な状況に変わってしまったことから翻弄されたモデルであり、5ドアでデビューしたと思ったら、途中で4ドアが追加されるなど、開発陣は苦労されたに違いない。 そのなかでこのタイムは十二分に素晴らしい。また先代のインプレッサWRX STIスペックCタイプRA-Rのような走りに特化したモデルがあればまた結果は違ったはずだ。

プレミアム路線への傾倒で最速王争いは終焉

 そしてもうひとつの理由に挙げられるのが、走りの質を求めたこと。時折限定発売されるSTIのSシリーズはプレミアムとして定着しており、数少ない国産プレミアム・スポーツながら発売と同時に完売が続いていた。そうなると、ベースとなるWRXがそちらに近づくのは当然。単純な速さだけではなくて快適性と扱いやすさまで求められるようになり、タイム一辺倒ではなくなったことが伺える。WRXは世界から愛される日本のプレミアム・スポーツとなったのだ。 現在のWRX STIはその性能向上の理由となったWRCには参戦しておらず、インプレッサの名前が完全に外れた第四世代のVAB型は、素晴らしい性能を備えたプレミアム・スポーツとして人気を誇った。それゆえに新型WRX STIにも多いに期待したいところ。次期型モデルの購入を検討している人も新型へとしっかり受け継がれるDNAを、ラップタイムとして可視化した進化の過程を考察してみてはいかがだろうか。

■インプレッサWRX STI 筑波サーキットテストラップタイムBEST10

こんな記事も読まれています

4車種用が同時に販売開始、ブリッツの車高調キット「DAMPER ZZ-R」シリーズ
4車種用が同時に販売開始、ブリッツの車高調キット「DAMPER ZZ-R」シリーズ
レスポンス
日産に続きジャガーも! 2030年までのフォーミュラE参戦を決定「これは、電気自動車メーカーにとってのF1だ」
日産に続きジャガーも! 2030年までのフォーミュラE参戦を決定「これは、電気自動車メーカーにとってのF1だ」
motorsport.com 日本版
Honda R&D Challenge、スーパー耐久第2戦富士24時間で野尻智紀をゲストドライバーに起用
Honda R&D Challenge、スーパー耐久第2戦富士24時間で野尻智紀をゲストドライバーに起用
AUTOSPORT web
HELM MOTORSPORTS、車両変更となる2024年のFIA-F4に4台体制で参戦。チャンピオンを目指す
HELM MOTORSPORTS、車両変更となる2024年のFIA-F4に4台体制で参戦。チャンピオンを目指す
AUTOSPORT web
レンジローバー、2025年モデルの受注開始…ディーゼルモデルがパワーアップ
レンジローバー、2025年モデルの受注開始…ディーゼルモデルがパワーアップ
レスポンス
スズキ「モーターサイクルコレクション2024」 広島、福岡、香川、宮城の4会場にて開催
スズキ「モーターサイクルコレクション2024」 広島、福岡、香川、宮城の4会場にて開催
バイクのニュース
高性能「巨大ベッド」搭載!? 日産「新型“車中泊”カー」寝心地はどう? 実際に「泊ってみた」印象とは
高性能「巨大ベッド」搭載!? 日産「新型“車中泊”カー」寝心地はどう? 実際に「泊ってみた」印象とは
くるまのニュース
クラウンクロスオーバーの新種「RSランドスケープ」に初遭遇。なぜ市販化されることになったのか? 開発陣がイベントで激白!【週刊スタッフブログ 号外】
クラウンクロスオーバーの新種「RSランドスケープ」に初遭遇。なぜ市販化されることになったのか? 開発陣がイベントで激白!【週刊スタッフブログ 号外】
Webモーターマガジン
レース後の失格どうにかしてよ! ダ・コスタ、ミサノ失格未だ納得できず「スポーツのためにも、別の方法が必要」
レース後の失格どうにかしてよ! ダ・コスタ、ミサノ失格未だ納得できず「スポーツのためにも、別の方法が必要」
motorsport.com 日本版
ヤマダホームズがヒョンデの新型EV『コナ』とセット販売開始
ヤマダホームズがヒョンデの新型EV『コナ』とセット販売開始
レスポンス
基本「想像は夢と知れ」! オープンカー乗りが突きつけられる現実6つとそれでも乗りたくなる魔力
基本「想像は夢と知れ」! オープンカー乗りが突きつけられる現実6つとそれでも乗りたくなる魔力
WEB CARTOP
ホンダと別れるレッドブル、自社製PU開発の進捗は? デビューまであと2年弱……車体開発で培った「“大胆さ”が活きる」とホーナー代表期待
ホンダと別れるレッドブル、自社製PU開発の進捗は? デビューまであと2年弱……車体開発で培った「“大胆さ”が活きる」とホーナー代表期待
motorsport.com 日本版
マルク・マルケス、母国スペインGPで移籍後初ポールポジションを獲得! ドゥカティ陣営フロントロウ独占
マルク・マルケス、母国スペインGPで移籍後初ポールポジションを獲得! ドゥカティ陣営フロントロウ独占
motorsport.com 日本版
ホンダ新型「シティ」発表! スポーティな「RS」もある「コンパクト5ドアハッチバック」! 精悍顔がカッコイイ「新モデル」馬で予約受付開始
ホンダ新型「シティ」発表! スポーティな「RS」もある「コンパクト5ドアハッチバック」! 精悍顔がカッコイイ「新モデル」馬で予約受付開始
くるまのニュース
ちょっと贅沢気分を味わえる、首都高「大黒PA」の「豚鍋定食」を堪能
ちょっと贅沢気分を味わえる、首都高「大黒PA」の「豚鍋定食」を堪能
バイクのニュース
ジープ コマンダー、限定車「オーバーランド」発売決定…プレミアムな室内空間
ジープ コマンダー、限定車「オーバーランド」発売決定…プレミアムな室内空間
レスポンス
うっかり違反しないために高速道路の「走り方」を復習しよう!「追い越し車線を走り続ける」のは「車両通行帯違反」です
うっかり違反しないために高速道路の「走り方」を復習しよう!「追い越し車線を走り続ける」のは「車両通行帯違反」です
Auto Messe Web
日産ダットサン・サニークーペ1200GX(昭和45/1970年4月発売・B110型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト056】
日産ダットサン・サニークーペ1200GX(昭和45/1970年4月発売・B110型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト056】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

29件
  • 武闘派WRXはもう出なそうだが、はたしてそれで大丈夫かな

    戦うオーラがなくなって魅力もなくなる車は過去多数あったが・・・
  • 昔は色んな雑誌が、筑波サーキットのラップタイムとか、谷田部で最高速(やゼロヨン等の)テストをやってたなー。今はエコカーを街中で走らせ燃費燃費…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

324.0379.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

70.0869.0万円

中古車を検索
インプレッサハッチバックSTIの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

324.0379.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

70.0869.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村