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まさかまさかの大逆転。ピットストップを待ったオサリバンが、超幸運VSC活かし初優勝。2位ハジャー「冗談だろ?」と不満|F1モナコ・レース2

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まさかまさかの大逆転。ピットストップを待ったオサリバンが、超幸運VSC活かし初優勝。2位ハジャー「冗談だろ?」と不満|F1モナコ・レース2

 FIA F2のモナコラウンド、フィーチャーレース(レース2)が行なわれ、ザック・オサリバン(ARTグランプリ)が優勝した。オサリバンは義務付けられているピットストップを遅らせていたことが功を奏し、VSC(バーチャル・セーフティカー)中にタイヤ交換を完了。望外の優勝を手にした。

 全42周のフィーチャーレースがスタートすると、ポールシッターのリチャード・フェルシュホー(トライデント)が抜群の蹴り出しを見せ、ターン1(サンテ・デボーテ)に先頭で飛び込んだ。一方で2番グリッドだったヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)は大きく加速が鈍り、14番手までポジションを落としてしまう。2番手にはアイザック・ハジャー(カンポス)、3番手にはポール・アーロン(ハイテック)という順位になった。

【リザルト】オサリバンが大逆転! FIA F2フィーチャーレース結果

 なお1周目のヘアピンでは、ジャック・クロフォード(DAMS)とクシュ・マイニ(インヴィクタ)が接触。クロフォードは早々にレースを終えることとなった。

 10周を終えたところで、スーパーソフトタイヤを履いてスタートしていたホセ・マリア・マルティ(カンポス)がピットイン。全ドライバー中、いち早く動く戦略を採った。ただこれに反応するマシンはなく、各車は周回を続けた。この時点でまだ30周以上が残っていたのだ。

 15周目を終えたところで、ポイントリーダーのゼイン・マローニ(ローディン)がピットイン。これを機に、他のドライバーも次第にピットに入り始めた。

 上位勢で最初に動いたのは、7番手のベアマン。16周を走り切ったところでピットに入り、スーパーソフトからソフトタイヤへと交換した。その後方を走っていたガブリエル・ボルトレト(インヴィクタ)が反応したのは18周終了時点。コース復帰時点でベアマンと横並びになったが、結局はベアマンが前。順位の変動はなかった。

 一方この頃、首位を行くフェルシュホーをトラブルが襲う。ギヤチェンジがスムーズにいかないと、無線で訴えたのだ。ただフェルシュホーはペースを維持し、走行を続けた。

 するとソフトタイヤでスタートしていたマシンもピットストップに動く。まだ半分近い周回数を残して、柔らかい方のスーパーソフトタイヤに履き替えたのだ。22種目終了時点では2番手ハジャーがピットイン。首位を行っていたフェルシュホーは、その1周後にピットに入った。

 フェルシュホーはなんとかハジャーの前でコースに戻ったが、タイヤが温まり切っていないこと、そして抱えているトラブルの影響か加速が悪く、続く25周目のターン1でハジャーに先行されてしまう。その後もアーロンやベアマンに立て続けに抜かれてしまうこととなった。

 フェルシュホーはディフェンスの際にコース外走行でアドバンテージを得たとして、5秒のタイム加算ペナルティを受けた。そしてそのペナルティを消化するためにピットストップをした後、1周だけ走ってリタイアすることになった。

 先頭に立っていたのは、まだピットストップを終えていないデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)だった。チームからは「セーフティカー待ち」との指示が飛んでいたが、32周を終えたところでピットイン。8番手、実質的な5番手でコースに復帰した。

 37周目の最終コーナーで、9番手を走っていたフランコ・コラピント(MP)に、アンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ)が襲い掛かり、オーバーテイク。この隙に乗じて、ボルトレト、マローニらもコラピントの前に出た。

 40周目、タイヤ交換を終えたばかりのジョシュア・デュリュクセン(AIX)がマローニと接触。デュルクセンはカジノ前のランオフエリアにマシンを止めることになった。

 この時、15番手スタートのザク・オサリバン(ARTグランプリ)だけがまだタイヤ交換を終えておらず、ステイアウトして先頭を走っていた。そしてチームは、このタイミングでピットインを指示した。

 するとコース上ではバーチャル・セーフティカー(VSC)が宣言され、隊列のスピードが落ちる。F2では、VSC中にタイヤ交換を行なっても、義務を消化したとは認められない。しかしオサリバンのピットストップのタイミングはまさに絶妙。VSCが宣言される直前にピットレーンに飛び込んでいたため、絶好のチャンスを手にできたわけだ。

 しかもタイヤ交換を終えたオサリバンは、なんと先頭でコースに復帰。VSCが解除された後、ハジャーは「こんなのジョークだ!」と不満を訴えながらもオサリバンを懸命に追ったが、チェッカーはすぐそこ。結局オサリバンが、大逆転でトップチェッカーを受け、F2初優勝を手にした。

 2位はハジャー、3位にはアーロンが入った。ハジャーはレース後も不満を訴え続けた。自分が勝てるはずだったのに……と。

 宮田莉朋(ローディン)は終始後方を走ることになった。ただタイヤ交換を終えた後には一時ファステストラップを記録するシーンもあったが、15位フィニッシュとなった。

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