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【自動車博物館へ行こう】ホンダ シビックは常識破りの画期的なモデルだった

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【自動車博物館へ行こう】ホンダ シビックは常識破りの画期的なモデルだった

初代シビックの登場は1972年。軽自動車ライフで採用した横置き水冷エンジン、合理的なFF2ボックスパッケージで日本市場にインパクトを与え、後に発表するCVCCエンジンで世界を驚かせることになった。今回は「ホンダコレクションホール」に展示されている1973年式シビックCVCCを紹介しよう。(Motor Magazine 2016年2月号より)

水冷エンジンへと転換したばかりのホンダが世界を驚かせた

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1972年に登場した初代シビックは、乗用車メーカーとしてのホンダの名を世界に知らしめる衝撃的なクルマだった。

英国の小型車ミニを範にとって、エンジンを横置きしてその横にトランスミッションを配するFF駆動とし、前後オーバーハングを切り詰めて長いホイールベースで居住性を高めるという効率的な2ボックススタイルは、当時の日本の乗用車としては画期的だった。

メカニズムはホンダ1300ほどユニークなものではなく、サスペンションは前後ともオーソドックスなストラット式とし、それまでホンダがこだわっていた空冷をやめ水冷エンジンを搭載したことも含め、構造的には1年前に登場していた軽自動車ホンダ ライフに近かった。

ただし、軽自動車以外では前例のない2ボックススタイルとしたこともあり、当初は軽自動車と間違えられることも多かったという。ちなみに、デビュー時は独立したトランクを持つ2ドアだったが、後にハッチバックの3ドアが登場している。

最初に市場に投入された1.2Lの水冷直4ユニットはわずか60psで、高回転高出力を期待していたファンを落胆させたが、そのエンジンはフラットなトルク特性で扱い易く、車両重量が軽いこともあってキビキビした走りでたちまち大ヒットとなった。

そのシビックの評価を決定的にしたのは、翌1973年に登場した独自の排出ガス低減システム「CVCC」を採用した1.5Lモデルだった。

世界に名だたる自動車メーカーが「クリアするのは不可能」と表明していた厳しい排出ガス規制「マスキー法」を、副燃焼室付の3バルブSOHCであっさりとクリアしてしまったのだ。後日談では、まだ完成には至っていなかったが、本田宗一郎社長が先走って発表。技術陣は大車輪で市販にこぎ着けたという。キャブでよくぞクリーン化を成し遂げたものだと感心させられる。

このCVCCエンジンはシビックとともに世界へと羽ばたき、世界的な大ヒットとなる。こと日本でも(昭和)51年、53年と厳しさを増す排出ガス規制に相次いで適合。各社がその対応に四苦八苦しているのを横目に、ホンダは快進撃を続け乗用車メーカーとしての地位を確立することになる。

ホンダ シビック CVCC 1500 4ドア(1973年)主要諸元

●全長×全幅×全高=3590mm×1505mm×1325mm
●ホイールベース=2280mm
●エンジン=水冷4サイクル直列4気筒OHC
●排気量=1488cc
●最高出力=63ps/8000rpm
●車両重量=740kg
●最高速=145km/h
●1973年当時の価格=61万7000円

ホンダ コレクション ホール

ホンダのチャレンジングスピリット、技術の歴史、ものづくりへの情熱が感じられるミュージアム。「ホンダのみんなが何を考えてつくってきたか。みんなのつくったものを皆さんにお見せすればいい。こんな正直なホンダはどこにもないぞ」という創業者本田宗一郎の言葉が発端になって開設された。現在のホンダ コレクション ホールは、ツインリンクもてぎ開業にあわせて、鈴鹿サーキット内にあったコレクションホールを移転する形で1998年3月にツインリンクもてぎの重要な施設のひとつとして設立された。2輪、4輪、レーシングマシン、国内外の良きライバル車など約300台を展示。さまざまな企画展が開催されていて、いつ訪れても新しい発見がある。なお、ツインリンクもてぎへの入場に料金が必要だが、ホンダ コレクション ホールへの入場は無料となっている。

●住所:栃木県芳賀郡茂木町桧山120-1(ツインリンクもてぎ内)
●入館料:無料(ツインリンクもてぎへの入場に別途料金が必要)
●問い合わせ先:☎0285-64-0341 http://www.twinring.jp/collection-hall/
●アクセス:常磐自動車道水戸北スマートICより約30分(東京方面からのETC専用出入り口のみ)、那珂ICより約40分、水戸ICより約40分/東北自動車道宇都宮ICより約90分/北関東自動車道真岡ICより約50分
●展示車両は入れ替えの場合あり。

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