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バイクとクルマを融合? 3輪のモーガン・スーパースポーツ モアパワーへ応えたプラス4 2気筒から8気筒まで(1)

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バイクとクルマを融合? 3輪のモーガン・スーパースポーツ モアパワーへ応えたプラス4 2気筒から8気筒まで(1)

熱烈なファンを醸成したスーパースポーツ

直近の5年で、モーガン・モーター社のラインナップは、過去最大といえる技術的な進歩を遂げた。スタイリングは、ノスタルジー感満点だとしても。

【画像】2気筒から8気筒へ 4台のモーガン 最新のプラスフォーとプラスシックス、スーパー3も 全128枚

最新のプラスフォーとプラスシックスは、1936年以降の殆どのモーガンで基礎骨格になってきた、スチール製プラットフォームとお別れ。新設計のアルミニウム製へ変更されている。サスペンションは、前後ともダブルウィッシュボーン式を得た。

V型2気筒エンジンを前端へむき出しに積む、3輪のスリーホイラーは、排気ガス規制の強化に合わせて終了。直列3気筒をボンネット内に搭載した、スーパー3へ代替わりしている。

一見、クラシカルなモデルへ固執してきたように見える同社だが、以前から新しい技術や精神は取り入れられてきた。控えめだとしても。今回揃えた4台は、20世紀のモーガンを代表するモデルといえるが、その事実を物語っている。

1番古く小さいモデルが、スーパー3の祖先といえる、1935年に発売されたモーガン・スーパースポーツ。創業者のヘンリー・フレデリック・スタンレー・モーガン氏が1910年に生み出した、最初のスポーツカーの設計思想が受け継がれている。

かつての英国では、3本のタイヤで走るクルマに課せられた道路税は、4本のクルマの約半額だった。1937年までに、スポーツ、スーパースポーツ、Fタイプへと進化を重ね、熱烈なモーガン・ファンを醸成していった。

最高速度は117km/h 戦前としては驚くほどの性能

ご登場願ったスーパースポーツのオーナーは、トニー・テビー氏。1970年に自身のコレクションの一部として購入し、20年越しの丁寧なレストアで、素晴らしい状態へ仕上げたそうだ。

特徴となるのが、アイボリーとブラックのツートーンで塗装された、ダブルDと呼ばれる2シーターボディ。ドライバーが右腕を火傷しないよう、側面に固定されたエグゾーストパイプは、僅かに位置が落とされている。

メカニズムは、スーパースポーツの発売までに充分な実証を経ていた。シャシーはパイプを組んだチューブラーフレームで、スライディングピラー式のフロント・サスペンションはヘリカルスプリングが、リアは2枚のリーフスプリングが支える。

後輪の直前にマウントされた、トランスミッションは3速。ローラーチェーンを介し、リアハブを駆動する。

1933年にJAP社製からマッチレス社製へ変更されたが、エンジンは専用生産のV型2気筒。空冷の他に、トニーの例のように水冷式も存在し、MX2かMX4と呼ばれた。バンク角50度で、排気量は990cc。最高出力は42ps/4800rpmがうたわれた。

マウント位置はフロントアクスルより前方だが、コンパクトなおかげで、フロントタイヤの前端の方が飛び出ている。筆者がイメージする、この時代らしい3輪モーガンそのままの姿にある。

1939年の他誌のテストでは、117km/hの最高速度を記録している。シンプルなパッケージングで、136ポンドという安価な設定を考えると、戦前としては驚くような性能だった。

バイクとクルマを融合させたような見た目

木製フレームをスチール製パネルで覆うボディは、リアのスペアタイヤと一致するようにカーブを描く。トノカバーは、2座並んだシートの後方に畳まれている。

当時としても小さかったから、旅行で運べる荷物は最小限。収納スペースと呼べる場所は、シートの下くらいしかない。

ドライビングポジションは、小柄な人なら良好。4スポークの大きなステアリングホイールが、胸の前へ迫る。複数のレバーとケーブル類がキャビンへ不規則に並び、筆者のように不慣れな人へ運転時の混乱を招く。

左側のイグニッション用と、反対側のエアコントロール用、2つのレバーを動かし、スターターのボタンを親指で押すと、エンジンが始動。レバーを上の位置へ戻す。バイクとクルマを融合させたような見た目そのままに、サウンドも特徴的だ。

ペダルは2枚並び、左がクラッチで、右はリアブレーキ。フロアから2本のレバーが突き出ていて、左はフロントブレーキを、右は3速MTを操れる。スロットルは、ステアリング・ハブから突き出たレバーで調整する。ややこしい!

それでも、走り出せば案外すぐに覚えられた。車重434kgと軽いスーパースポーツは、唸るほど機敏。リアタイヤは細い1本にも関わらず、グリップ力が高く、カーブからの脱出加速は鋭い。感心するほど安定している。

トルクは太く、ギア比は高め。80km/h巡航も快適といっていい。シフトゲートは、1速が飛び出たドッグレッグ。ムダを削ぎ落とした、純粋な戦前のクラシックカーらしい体験に溢れている。

モダンなスタイリングの4輪モデル

スーパースポーツ以前から、3輪のモーガンは資金力が限られたドライバーの支持を集めていた。しかし、同時期に売られていた4輪のオースチン・セブンなどの方が、若干安価で車内空間は広かった。現代に通じる操縦系も備えていた。

そこでモーガンが1936年にリリースしたのが、同社初の4輪モデル、4-4だった。交代するように、スーパースポーツは1939年に生産終了。発展型のFタイプも、1952年にカタログから落ちている。

4-4という名前は、タイヤが4本で、エンジンが4気筒なことから来ている。シャシーはZフレームと呼ばれた構造のスチール製で、フロント・サスペンションはスライディングピラー式。リアは、リジットアクスルにコイルスプリングが組み合わされた。

ボディは一新され、2シーターの他に4シーターも設定。スーパースポーツと同じく、アッシュ材のフレームが土台になっている。ただし、初期の1267cc 4気筒ユニットは、充分な動力性能を発揮したわけではなかった。

モアパワーの要望へ応えたのが、ワイドなシャシーのモーガン・プラス4。ホイールベースは4インチ(約101mm)伸ばされ、油圧ブレーキを採用し、1950年のロンドン・モーターショーで発表されている。

エンジンは、スタンダード・ヴァンガード社製の4気筒2088cc。当初から、ほぼ倍の排気量へ引き上げられた。

この続きは、モーガン 2気筒から8気筒まで(2)にて。

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みんなのコメント

2件
  • Nobody
    読んでないけど、税制優遇で3輪が広まったイギリスの歴史を書いてるのか?

    モーガン買うなら絶対4輪ですよ(笑)
  • suz********
    車のハンドルを使って曲がるものは車で良いよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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