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ブースト上昇で406ps アウディRS3 パフォーマンス・エディションへ試乗 走りの変化は限定的

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ブースト上昇で406ps アウディRS3 パフォーマンス・エディションへ試乗 走りの変化は限定的

直5ターボの最高出力は406psへ

RS3の動力性能に不足などあったのだろうか。0-100km/h加速を3.8秒でこなす俊足ぶりだ。それでも今回、アウディはホットハッチの能力を一層高めたパフォーマンス・エディションを投入した。

【画像】406ps アウディRS3 パフォーマンス・エディション 競合ホットハッチと比較 全136枚

英国での販売は予定されていないが、その理由は通常のRS3が既に2年間のバックオーダーを抱えているためだという。納車を楽しみに待っている間に、さらに高性能な仕様がリリースされたら、確かに気が気ではない。全世界で300台の限定となる。

通常のRS3の発売から1年しか経過していないこともあり、パフォーマンス・エディションのアップデートの幅は大きくない。1番の注目といえば、2.5L直列5気筒ターボエンジンの最高出力が6ps加算され、406psになったことだろう。

最大トルクの発生回転域は、100rpmだけ拡張されている。50.9kg-mのトルク値自体に変更はない。

その結果、最高速度は約10km/hプラスになったが、0-100km/h加速時間は3.8秒のまま。数字的な向上は大きくないものの、メルセデスAMG A 45のようなライバルと競い合う上では、小さくはない違いともいえる。

このパワーアップを叶えたのは、ターボチャージャーのブーストアップ。上昇した最高速度は、標準装備されるカーボンセラミック・ブレーキが受け止める。通常のRS3ではオプション扱いの逸品だ。

通常のRS3との走りの変化は限定的

ヘッドライトのLEDには、限定モデルとしてちょっとしたギミックが仕込まれている。ドアロックを解除すると、チェッカーフラッグ状のパターンと3、0、0が順に表示される。ドアロックをすると、R、S、3と点灯する。

走行中も、デイタイムライトはチェッカーフラッグ状に光る。シフトパドルでもRS3だと主張している。筆者には、ちょっと盛り込み過ぎにも思えるが。

パフォーマンス・エディションの場合、レザーとダイナミカ合皮で仕立てられたバケットシートは標準装備。ステアリングホイールの12時の位置へブルーのマーカーが入り、各所に差し色としてブルーのステッチが施される。

シートベルトもブルーで、ダッシュボードの助手席側にはカーボンファイバーの装飾トリム上に、シリアルナンバー・プレートがあしらわれる。限定モデルであることを、ドライブへ誘った友人にも知ってもらえる。

ホットハッチとして肝心なのは走りだが、その変化も大きいものではない。もちろん、RS3は路面コンディションを問わず充分すぎるほどの速さを披露する。間違いなくパワフルといえるが、僅かに鈍さを感じることは従来どおり。

ボンネットを開くと、その理由が見える。直列5気筒エンジンは、フロントアクスルより前側に載っている。RSトルク・スプリッターと呼ばれるトルクベクタリング・システムをリアアクスル側に装備していても、常にノーズヘビーな印象が伴う。

さらに磨かれた全天候型ホットハッチ

このRSトルク・スプリッターにより、エンジンの出力の最大50%をリアアクスル側へ送り、リアタイヤ左右へ自在な分配も可能としている。コーナリング時は外側のタイヤへ積極的に割り振ることで、ドリフトも可能となる。

アクセルペダルの加減やパワーでフロントノーズの向きを変えていけるから、先代のRS3より遥かにシャープな回頭性を獲得している。BMWのMモデルのような調整域の幅はないとはいえ、思う存分ドライバーが楽しめるホットハッチになっている。

サーキットなど許される環境であれば、トルクベクタリング機能をフルに発揮するドリフト・モードは楽しい。手に負えなくなる前に、フロントタイヤの駆動力が挙動を安定させてくれる。

安全マージンは広く、ドライバーは自信を持ってテールを振り回せる。高速域でのドリフトも、驚くほど難しくないと感じた。もっとも、試乗コースには100mくらいあるエスケープゾーンが広がっていたからチャレンジできたのだが。

RS3 パフォーマンス・エディションは英国へ上陸しないが、悲観することはないかもしれない。唸るほど能力の高いホットハッチではあるものの、上昇した価格を正当化できる内容かと聞かれると、回答には少し悩む。RS3の特性に、大きな違いはないといえる。

それでも、アウディのファインチューニングを評価しないわけにはいかない。全天候型のホットハッチが、さらに磨かれたのだから。

アウディRS3 パフォーマンス・エディション(欧州仕様)のスペック

欧州価格:7万5000ユーロ(約1245万円)
全長:4389mm
全幅:1851mm
全高:1412mm
最高速度:299km/h
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:10.5-11.1km/L
CO2排出量:205-216g/km
車両重量:1450kg
パワートレイン:直列5気筒2480ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:406ps/5700-7000rpm
最大トルク:50.9kg-m/2250-5700rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

7件
  • アウディは一部のSやRSの新しいモデルを一旦市場に出して、しばらくライバルクラスの動向や市場での不具合率を伺いつつ、ターボのブーストアップして問題なさそうと判断してから「プラス」とか、「なんとかエデション」とか名をつけてブーストアップだけして馬力を向上させたモデルを出すイメージ
  • GRカローラが良心的に見える。

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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