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【2度目の大変革】BMW 生まれ変わった3シリーズEV、新時代を切り開く 「第2のノイエクラッセ」

掲載 更新 6
【2度目の大変革】BMW 生まれ変わった3シリーズEV、新時代を切り開く 「第2のノイエクラッセ」

電動化戦略は第三段階へ

執筆:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)

【画像】大変革のBMW【現行EVを写真で見る】 全92枚

翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)

BMWは、2025年に新開発のEV用プラットフォームを採用した、全く新しい高級セダンを発表する。電動化戦略の第三段階の幕開けだ。

このモデルは、第6世代の電動パワートレイン、長距離用バッテリー技術、急速充電機能、軽量構造、カスタマイズ可能なデジタル・オペレーティング・システム、持続可能な新素材を採用している。

BMWの社内では「NK1」というコードネームで呼ばれており、新開発のEV用プラットフォームをベースに新時代への道を切り開くことになる。

NK1は当初、3シリーズに代わるEVとして位置づけられる可能性が高い。これは、ポルシェの次期マカンEVと、ガソリン車の現行マカンの関係に近いものとなっている。

現在、ミュンヘンにあるBMWの研究・イノベーションセンター(FIZ)で開発が進められているモジュラー式の「ノイエクラッセ・プラットフォーム」は、2025年以降、すべてのBMWブランドのEVに採用される計画だ。前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動の各レイアウトに対応し、容量の異なるモジュラー式バッテリーパック、ホイールベース、トレッド幅、車高、18インチから22インチまでのホイールサイズの組み合わせが可能だ。

研究開発責任者のフランク・ウェーバーは、次のように語っている。

「ノイエクラッセは、BMWの新たな活動の始まりを意味します。2シリーズサイズのセダンからX7サイズのSUVまで、EVを製造できる規模になっています」

EV、PHEV、FCEVに対応

「ノイエクラッセ」という名称は、BMWが1960年代から1970年代に発売したセダンにちなんだものであり、市販するクルマを再発明・再定義するというBMWの野望を暗示している。

BMWの次世代EVのプラットフォームとなるだけでなく、アルミニウムと高強度鋼を用いたこの構造は、プラグイン・ハイブリッドにも対応するように設計されている。さらにウェーバーは、中国をはじめとするさまざまな市場で現在提案されている規制の枠組みに応じて、水素燃料電池のパワートレインにも対応できると述べた。

ノイエクラッセ・プラットフォームは、最終的に現在のFAARおよびCLAR構造に代わるものとして計画されており、スケールメリットと製造上の柔軟性を高めることを目的としている。これにより、CLARベースの新型4シリーズ・グランクーペや、間もなく導入されるEVのi4と同様に、BMWの世界的な生産ネットワークにおいて、ICEモデルとEVモデルの両方を同じラインで製造できるようになる。

ウェーバーは、「1つのプラットフォームですべてに対応する(one-platform-fits-all)」というアプローチにより、ラインナップ全体のシナジー効果を最大限に発揮し、製造効率を大幅に向上させることができるとしている。

ウェーバーは初期のi3のライフ・モジュールとCLARを引き合いに、「わたし達は個別に構造を作ることはありません。ノイエクラッセでは、販売台数のポテンシャルが大幅に向上します。過去2世代のプラットフォーム開発で、スケーリングについて多くのことを学んできたのです」と語った。

NK1は、BMWが2025年末までに発売を予定している4台の電動セダンのうちの1台で、ノイエクラッセ・アーキテクチャーを初めて導入する。CLARを採用したi4、i5、i7と同様に、後輪駆動と4輪駆動のいずれかを選択できるようになる。

しかし、i4、i5、i7がICEモデルを意識しているのに対し、NK1は「電気を中心としたデザイン」を採用し、次世代のBMWモデルに影響を与えるであろう新しいプロポーションと現代的なスタイリング要素を持つ。

新しいスタイリング美学を提案

新プラットフォームでは、CLARのセンタートンネルを廃止してフラットフロア構造を採用したほか、ホイールベースを大幅に延長してAピラーを前方に出すことで、インテリアのパッケージングを改善している。

「人々は異なる美学を求めています。だからこそ、わたし達は電動モデルのために新しいスタイリングの方向性を打ち出したのです」とウェーバーは説明する。

NK1は、アルミニウムと高強度鋼のプラットフォームベース、シルなどに炭素繊維強化プラスチックを使用した「ケージ」構造のボディ、アルミニウムやスチール、複合プラスチックを組み合わせたボディパネルなどを採用している。パワートレインは、同期電動モーターを使用した第6世代が搭載される見込みだ。

BMWは、パワートレインに関する専門知識と必要な生産量を部品メーカーに依存している多くのライバル社とは異なり、電気モーターの開発と生産能力をいち早く内製化した。ウェーバーによれば、これが迅速な対応を可能にしているという。

「わたし達は、現在使用しているものよりもさらに効率的でパワフルな電気モーターを開発しています」

彼はまた、NK1の標準モデルだけでなく、高性能のMモデルにも搭載可能であることを明らかにした。

電動化だけでなく持続可能性にも焦点

新しい電気モーターに加えて、ノイエクラッセでは、ポルシェ・タイカンやアウディeトロンGTで初めて採用された800Vバッテリー技術と350kWの充電機能が導入される。

ウェーバーは、新しいバッテリーの具体的な詳細については言及しなかったが、BMWが将来のノイエクラッセモデルに使用するために、さまざまな化学プロセスやセルタイプをテストしていることを認めた。

「固体電池が10年後まで実現しないことはわかっています。BMWは、エネルギー密度を高めて航続距離を伸ばします」

iXに採用されている最新世代のニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーは、105.2kWhの大容量を誇り、航続距離は最大497kmに達する。BMWは第6世代の電気モーターと新しいパワーエレクトロニクス・システムとの組み合わせにより、効率を20%向上させることを目指しており、NK1の航続距離は700km以上になると期待している。

車内では、先月のミュンヘン・モーターショーで登場した「iビジョン・サーキュラー」コンセプトで示された「循環型経済」戦略に沿って、多くの内装材が調達される予定だ。

詳細は不明だが、ウェーバーは、次世代EVでは持続可能性目標を達成する手段の1つとして、再生プラスチックを使用した内装を挙げている。

BMWによれば、同社の電動化戦略の第一段階は2013年のi3から始まり、第二段階は最近発表されたiXから始まっているという。NK1の登場は、その第三段階の始まりとなる。

BMWは、2030年までにノイエクラッセ・プラットフォームを採用したEVが全世界の販売台数の少なくとも50%を占めるようになると予想している。同時期には既存の15のモデルラインそれぞれに少なくとも1つのEVを導入する予定だ。

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みんなのコメント

6件
  • 25年までには、あの巨大グリルにさよならしてくれてるといいな。
  • グリルが大きくなりインテリアデザインは
    それほど変らずか。メルセデスやレクサスの
    デザインが変りつつある中で、4年後には古い
    デザインに見えそうな気がする。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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