■すべてが一新された新型ヴォクシー
2022年1月におよそ8年ぶりのフルモデルチェンジを果たし、4代目へと進化したトヨタ「ヴォクシー」。
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「ノア」との兄弟車関係は継続となりましたが、両車とも全トヨタディーラーで取り扱いとなったこともあって、ヴォクシーはより先鋭的なデザインを採用しているのが特徴です。
今回のフルモデルチェンジでは、プラットフォームがTNGAに基づいたものへと一新され、パワートレインもガソリンモデルはダイナミックフォースエンジンへ、ハイブリッドはエンジンこそ先代と同型となるものの、電動モジュールは新たなものへと進化し、高出力かつ高効率でありながら小型化も果たしています。
また、先進運転支援システム(ADAS)は最新の「トヨタセーフティセンス」を搭載。現時点(2022年4月)でトヨタ車のなかでもっとも優れたシステムを搭載したモデルという点も特筆すべきポイントといえるでしょう。
今回はそんな新型ヴォクシー ハイブリッド(2WD)の早速燃費テストを実施。テスト車両のグレードは上級グレードの「S-Z」で、オプションてんこ盛りの豪華仕様です。
車検証上の車両重量は1700kg(オプション非装着であれば1670kg)と、燃費テストにはやや不向きといえるかもしれませんが、新型ヴォクシー ハイブリッドの実燃費は良いのでしょうか。
カタログ上のWLTCモード燃費は23.0km/L、市街地モードが22.2km/L、郊外モードが25.0km/L、高速道路モードが22.1km/Lとなっており、先代のWLTCモード燃費19.0km/Lから一気に4km/Lも向上しているのも注目です。
今回は、神奈川県横浜市をスタート地点とし、横浜新道から保土ヶ谷バイパス、東名高速道路を経由して、小田原厚木道路の小田原西インターまで走行。
そこからターンパイク箱根を上り、大観山スカイラウンジを経由し、箱根新道を通って西湘バイパスまで下るワインディング区間、そして、国道134号から国道246号などを経由して横浜市内に戻るという約150kmの道のりを走破して、新型ヴォクシー ハイブリッドの実燃費を計測しました。
その結果、153.2kmの走行で燃費は19.99km/Lでした(車両の燃費計の数値から計算)。
カタログ上での燃費数値はWLTCモード燃費で23.0km/Lですから、カタログ値には届かない結果となりましたが、箱根の山道を走行した上でリッター20kmに迫る燃費性能というのは充分評価に値するものといえるのではないでしょうか。
なお、今回の走行はドライブモードが標準、エアコンは24度設定のフルオート、クルーズコントロールは未使用でテストを実施しています。
■ミニバンとは思えない!? 正確なハンドリング性能が好印象
ここからセクション別の燃費を振り返ってみます。
●高速道路
走行距離:62.8km
実燃費:23.1km/L
横浜市内を出発し、横浜新道から保土ヶ谷バイパス、東名高速道路を経由して、小田原厚木道路の終点まで走る高速区間。
高速走行では少しの勾配でもエンジンがかかったり止まったりを繰り返すことが多いシーンです。
しかし、新型ヴォクシー ハイブリッドはエンジンがかかったときや切れたときのトルク変動やショックが大きく抑えられており、ヘッドアップディスプレイに表示されたタコメーターを見ていないと気付かないほどスムーズだったのが好印象でした。
高速区間の実燃費は、62.8kmを走行して23.1km/Lと、カタログ値の22.1km/Lを若干上回り、これなら長距離ドライブも快適かつエコに楽しむことができそうです。
●ワインディング路
走行距離:40.8km
実燃費:16.0km/L
ワインディング路は小田原西インターを降りてターンパイク箱根を駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコースです。
登り区間では駆動用バッテリーを早々に使い切り、エンジンがほぼ常に回り続けるといった状態になりました。
ただ、確かにエンジン音は聞こえてくるものの、エンジンが回っている振動は上手くカットされており、オーディオなどを聞いている状態であればそこまで不快感を覚えることもないでしょう。
またTNGAに基づいたGA-Cプラットフォームの恩恵は非常に大きく、曲がりくねった箱根の山道を走ってもボディはミシリともせずハンドリングも正確。
これならクルマ好きの子育て世代のユーザーも満足できる仕上がりといえそうです。
先代にあった「GRスポーツ」が復活しても面白いかもしれません。
●一般路
走行距離:49.6k km
実燃費:20.7km/L
ワインディング路の後は、国道134号から国道246号を経由し、横浜市内に戻る一般道のルートとなります。
夕方に近い時間帯ということもあり、やや交通量も多いルートでしたが、燃費は20.7km/Lとそれなりに良好な数値を記録しました。
新型ヴォクシーには、歩行者や自転車、そして前走車やカーブに対する運転操作をサポートし、必要に応じて減速や操舵制御をしてくれるという「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」という運転支援システムが標準装備されているのですが、これの制御が非常に自然で最初は制御が入っていることに気付かないほどでした。
さすがに減速後の操作などはドライバーがおこなう必要がありますが、リスクの先読みをしてくれるこのサポート機能のおかげで防ぐことができる事故もありそうです。
※ ※ ※
今回の新型となったヴォクシーハイブリッドの燃費テストは、1.7トンのミニバンでありながら20km/Lに迫る19.99km/Lという結果に驚かされましたが、何よりシャシ性能の進化と先進運転支援システムの充実ぶり、そしてその実力の高さにも驚かされる結果となりました。
ここまで多機能となるとユーザーが把握するのも一苦労という感じもしますが、多くの支援システムは標準でONになっており、知らないうちに支援システムのお世話になるということになりそうです。
ただ気になるのは車両価格で、ハイブリッド S-Z(2WD)の374万円にオプションを満載した総額はおよそ477万円。
さすがにフルオプションに近い仕様は現実的ではないにしても、魅力的なオプションをいくつか選ぶだけで400万円台に突入してしまうのは悩ましいところではないでしょうか。
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みんなのコメント
その分、トヨタは車売らないとね
不正もバレたら損失ですよ〜
20代までならいいとして、それなりのポジションに就くようになると乗れないな